【感想・ネタバレ】三国志 第二巻のレビュー

あらすじ

『三国志』決定版、第2巻。黄巾の乱、起こる――。徳政を目指した順帝も急逝し、後漢王朝は外戚と宦官による腐敗を深めてゆく。そのような永寿元年(西暦155年)に、曹操は生まれた。続いて孫堅・劉備が。30年後、宗教組織・太平道の信者を核に36万人が黄巾の叛乱に応じた時、曹操と孫堅は討伐軍に参加、劉備は学問を諦めて無頼集団の中心となっていた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この巻は延々と後漢王朝の腐敗が書かれています。
外戚が横暴をきわめたかと思えば、次は宦官です。

なぜ本来は何の権限も持たない宦官が、権力を持ち財産を増やしてゆくことができたのかと言うと、梁冀が、気に入らない皇帝を次々と亡き者にしていったから。
皇太后の兄であるのをいいことに、好き勝手に権力をもてあそび、人の命を奪ってきた梁冀から皇帝の命を守ったのが宦官たち。
桓帝・霊帝は宦官たちこそを信頼し、心ある臣下の言うことに耳を貸さない。

宦官も、最初は純粋に皇帝の命を守っていたのだろうけれど、大量の褒賞が彼らを狂わせたともいえる。
皇帝からしたら、ほんの感謝の気持なのだろうが、受け取った方は、「もっと」「もっと」となってしまった。
そして歯止めがきかないまま、手段を選ばず蓄財に走り、それをとがめる者たちを誣告し陥れ殺してしまいます。

宦官たちの悪事に気づかない皇帝の無能ぶりはさておき、何度も何度も国を憂いて皇帝に上申する清廉で能力のある官僚たちが殺されていきますが、それでも官僚不在では国が回りませんので人材を募ると、有能な人々が出て来るのです。
しかし、腐敗した朝廷に嫌気がさして野に下るか、宦官に陥れられて殺されてしまいます。
そしてまた人材を募ると…。
つくづく中国というのは大きな国であり、人材の尽きない国だと思いました。

100ページほど読んだところで、ようやく曹操誕生。
おめでとー!
最後の章でようやく黄巾の乱。
早々と孫堅は討伐軍に参加しますが、劉備は…。

”それよりも劉備が、討伐軍の将となるほどの盧植の下にいながら、師からは嘱目もされず、官途にも就けなかったということに問題があろう。”
結局学問は諦め、無頼の徒として当時は過ごしていたらしいです。

さて、桓帝がどうして官僚に重きをおかず、宦官を重んじたかと言うと、梁冀の横暴に対して多くの官僚たちは何も言わなかったから。
後漢王朝の開祖・光武帝の時は、知識の豊富な秀才である官僚は悪を正さない(流れに流される)ので、「頭がいい」ではなく、「忠義心」の熱い人物を官僚として採用していた筈なのだが、それでもいつの間にか善悪ではなく損得で行動する人たちばかりになっていたようだ。
これは、いつの世もそうなのかもしれないけど。

いよいよ次の巻からは知っている三国志。
どんな切り口で書かれているのか、楽しみ、楽しみ。

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2022年03月02日

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