あらすじ
かすみとの偶然の出会いは、過去の恋に縛られていた僕の人生を大きく動かした。あれから二年、転職した僕の前にひとりの男が訪ねてきた。そして、かすみとその妹ゆかりを思い出さずにはおかぬこの男が、信じられない話を切り出した。物語は、驚愕のエンディングが待つside-Bへ。今日と明日をつなぐ五分間の隙間を破り、魂震わす極限の愛が生まれる。(必ずside-Aから読んでください)
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Posted by ブクログ
ストーリーも最高に面白いながら考えさせられた点を書き残しておきたい。
かすみとゆかり。
一卵性双生児の二人が2つの人生を共有しあい、かすみの中のかすみとゆかり、ゆかりの中のかすみとゆかり、お互いの中で2人が存在し4人の人格が存在している感じにも見える。しかし逆に二人で1つの人格の形成も無意識に行っているようにも感じられる不思議さ。本来1人ずつの人格なので2つのはずがそうならない混乱が薄気味悪く残る。
かすみの死はそこを決定づけてしまうもので、周りの人間達の混乱ぷり、本人ですら分からなくなるほどの様子。
自分達は一体本当に何をみて認識しながら確認しながら暮らしているのかが分からなくなってきた。
次の日が今日の延長で同じ継続線上の「当たり前」の普遍性を伴うものと何故信じられるのか?疑った事もないような気がする。
自分が曖昧で漠然と処理しすぎている事への疑問すら覚えた。不思議な作品となった。
Posted by ブクログ
前作が甘い終わり方をしていたので
このsideBは最高の裏側といった感じ
前作がただの序章に過ぎなかったと思わせる強烈な展開に大興奮してしまった。
また読み直してフレーズ残したい。
Posted by ブクログ
真夜中の五分前
本多孝好さんらしいスラスラと読める文章でした。
性格やしぐさも似ている一卵性の双子に
恋をするという設定で、どうして「片方」の子じゃないと
だめなんだろう、と考えさせられました。
孝好さんの答えは「その人と過ごした時間、思い出」かな?
人を好きになるのに定義なんていらないと思うけれど、
私も孝好さんに同意でした。
特にラストのシーンが大好きで、
そのシーンを何度も読み直しました。
感動するというより、酔うというような感覚でした。
暗闇に溶けながら、時計の秒針の音を聞く。
そんな情景が思い浮かびます。
「好きだった人のことを忘れてしまうのはどうして?
ほんとうに大好きだったのに。」
新しい恋をしたときにふと疑問に思うときがあります。
今この瞬間も過去としてなくなってしまうんじゃないかと
怖くなります。
でもラストシーンを見てモヤモヤが晴れました。
切ないようで、あったかい。
長くなりました。
Posted by ブクログ
変わってるね。
恥じらいがないだけですよ。
恥じらいがないから周りに合わせようとしない。
だから変な部分が変なまま残ってこんな大人になってしまった。
それにも恥じらいがないから、おめおめとこんな面を世間様にさらしている。
仮に来てくれたところで、友人はすでに僕の知っている友人ではなき。
その提案に乗りかけ、自分に対してそんなにも優しさを示す人間がこの世界にいることが不思議になった。
私にはわかる。あなたは水穂さんを愛していたのよ。
僕はその衝動に負けた。一度許して仕舞えば、涙は止まることなく溢れ続けた。水穂が死んでら今、僕は初めて水穂の恋人だった僕自身のために泣いていた。
自分自身を哀れむことの愚かさを僕は初めて自分に許していた
サイドえーでは許せなかった。許してくれたのはかすみだった。いいんだよと言ったのはかすみだった。
その全ての水穂が、その水穂と過ごした時間が、ただ愛しかった。
どれくらい泣いていただろう。時にただ感情に流されるまま、ときにその愚かしさを自嘲しながら、ときにそんな自分を客観的に眺めて呆れながら、それでも僕は長い間、水穂の墓の前でただ泣き続けていた。
愛していたから泣けなかった。自嘲し、呆れ、哀れむことのの愚かさを知っていたからこそ、泣くことは、自分のために時間を使うのが憚られたんだろう。
極限の愛とは、「誰だために それが僕のために」今は言えるそれがありのままに
生きてくことだと それが人なんだと
僕はそれを優しさと 呼ぶことはもうしないよ
相手が何者かではなく何者でも自分が愛しているという確固たるもの
愛するということ愛してたということ
失っても、いなくなっても、愛すことは出来る
自分がその人のために愛した時間があれば
それは紛れもなく愛だという事
会えなくなった悲しみを凌駕し逃げることもなくただそこに自分が愛してたという自信で5分を使う
苦しみを凌駕し、楽しさを与えることが慈悲
慈しむことができた僕はいつか魂だけになっても彼女達と共鳴し続けることが可能なのだろう。
Posted by ブクログ
side-Aとside-Bにした理由が分からない。
上下でいい。
想像をふくらまして、裏を読んでしまってただけに残念。
主人公の名前が出てこなかった理由も特になかった。
Posted by ブクログ
冒頭の事件から
あー、こういう流れかー
ってちょっとがっかりしたのは事実
そしてラストはしっくりこなかった
ただ主人公が、水穂を、かすみを想うところは
なんかよかったです
主題にもなってる真夜中の五分前の意味が
よく噛み切れなかったのが残念
読解力が足りないのかもしれない
ずれた時間はずれた時間のままなのかな
かすみのおかげで、ずれた時間がもとにもどるっていう
ことではなかったようですが
真夜中の五分間=皆が一歩先に次の日を迎えているときに、ほんのすこし立ち止まって過去を振り返りそれに浸る時間?
時間の積み重ね、という言葉も結構出てきたので
それを積み重ねて未来へ進んでいくという趣旨だったのだろうか...よくわからないです
しかし何にせよかすみのことがきっかけとなって
水穂に会いに行けて、そしてお父さんと話せて
涙を流せて、よかったんだと思う
そしてやっぱり主人公の名前出てこなかった