【感想・ネタバレ】チェ・ゲバラ伝 増補版のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 映画『エルネスト』を観て、改めてチェ・ゲバラについて復習。

 他の映画(『モーターサイクル・ダイアリー』『チェ 28歳の革命/チェ 39歳 別れの手紙』)で見聞きしてるけど、文章でチェの半生を辿るのは初めかな? 「チェのさすらい (ラモンブックプロジェクト No. 1)」(Ram'on Chao著)は、もっと詩的な内容だったし。

 広島を訪問した時に我々日本人に向けて発した「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」は映画『エルネスト』でも描かれていたし、”ロシナンテの肋骨を感”じる話は有名で、カストロや子供たちに宛てた手紙は、『チェ 39歳 別れの手紙』や、今年(2017年)に開催されたチェの写真展でも一部紹介されていた。新しい話は多くはなかったけど、国際的な会議で、当時の米ソ冷戦時代に、堂々と帝国主義、社会主義に対し、弱小国のメンバーとしてアメリカや友好国ソ連に対しても厳しい意見を堂々と開陳していた内容が本書でじっくり読めて良かった。
 1964年当時の演説の中に21世紀の今のキューバの置かれた状況を危惧するような発言があるのが面白い。

「独立は、一国民に対する帝国主義的な経済支配が絶たれたときに、達成されるのだ。」

 アメリカとの国交回復で、資本の論理が雪崩をうってあの小さな島国に流入してくる。経済による支配に翻弄されるのが眼に見えている。トランプ政権による逆行は、ある意味、キューバにとっては僥倖なのかもしれない。

P.S.
映画『エルネスト』でオダギリ・ジョーが絶命したボリビア軍の攻撃は、「シンティア作戦」と呼ばれていた(メモメモ)。

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2017年10月27日

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