【感想・ネタバレ】特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)のレビュー

あらすじ

助けを求める、過去からの悲痛な叫びに、特捜部はこたえられるのか? 雲をつかむような誘拐事件の追跡は、まったく進捗しなかった。だが特捜部Qはあきらめない。わずかな手がかりと根気を武器に、じりじりと捜査を進める。そのころ悪魔のような犯人は、新たな凶行を進めていた。その毒牙にかかるのは罪もない子供たちだった……ますます快調。アサドに続き、ローセの秘密までもが明らかになる驚きの展開! シリーズ第3作でついに北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」賞を射止めた最高傑作

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Posted by ブクログ

ネタバレ

カール、いい加減犯人のところに乗り込む時は拳銃持ってくれ。

序盤は犯人の方が一歩先を行っていたが、それを覆すのがチームワークだった。犯人の策略が次々と、一つずつ崩されるところはページをめくる手が止まらなくなるほど。
全て偽名で何もかも準備し、更に別名義で二重の足跡消しをしていた犯人は流石。全てを変えたが「普通が一番目立たない」ことを徹底したところなんかも連続誘拐殺人犯としては称賛されるところかもしれない。ただ、その偽名を身近な人から取ったところは浅はか。余裕がないはずなのに逃げずに後始末を優先したところなんかは、自らの能力の過信と今まで見つからなかった傲慢さのツケを考えていない。
浅はかさを突き崩し、ツケを支払わせるのが警察、いや特捜部Qの仕事だった。
神を憎んだ男は神が作りし人の愛情によりその身を滅ぼし、神の元で光を失った女はひとときの無垢な温もりにしがみつかずあるべきところへ帰した。

ユアサとローセが同じ人物なのかも?というところをあえて突っ込まずにやり過ごすのもQらしい。
アサドの過去が若干でもわかるのかと思いきやそうでもなかった。
やっぱり面白すぎて読み終わるのが惜しい作品でした。
次作も読まないと。

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2021年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまでの2作に比べたら犯罪の描写がきつすぎないので、なんとか読めました。
カール、アサド、ローセ、ユアサがますます魅力的に描かれ、興味がいっそうわきました。
このシリーズの前はミレニアムシリーズを読んでいたので、北欧の世界観・空気感が少し身近になりました。北欧ミステリーをさらに試そうと思います。

0
2014年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 とても面白かったです!

 今回も、変わらず嫌なヤツが犯人でしたが、テンポ良く、先の気になる展開に、どんどん惹き込まれ、あっという間に読んでしまいました。

 テーマは新興宗教。そして信者のこども達…。犯人の過去も、可哀想な描写はありましたが、それでも非道な犯行を繰り返し、犯人に対する、哀れみの気持ちは消えました。

 几帳面で、犯行もぬかりなく行なってきた犯人でしたが、最後の最後に凡ミス連発?で少し拍子抜けしました…。まさかのボーリング愛好家とは…。ここまで犯罪を繰り返してきたなら、一般人と戯れるのはリスクが高すぎる…!と私は感じました。

 私的には、もう少し犯人の苦しむ最期が見たかったです。そして、いまいち最期の展開が、理解が出来なかったのですが、イーヴァ達は捕まった?のかな…

 次回作も楽しみにしてます。

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2025年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先に映画を観ているといっても全く安心できず焦燥感を抱えたまま最後まで読む手が止まりませんでした。なんということでしょう……面白かった。。
常に特捜部Qの一歩先を行く犯人だけれど包囲網を徐々に狭めていくのが良いです。そこが繋がるの!?という驚きがあります。映画とは違ってるので安心できない。
被害者となるカルト宗教信者の各家族、宗教的な排他ではあるものの、底には悲しみに共感できる心がちゃんとあるんだなと思えました。敬虔になる人は元々真面目だったり謙虚だったりするんだろう。。特捜部Qに呼び出されたりして犯行が続いているのを知るとちゃんと協力してくれる。
現在進行系の事件が間に合って良かった…けれど、両親は間に合えなかったのが悲しい。イサベルは回復したのかな。
大団円とはいかないけれど、最後の展開には救われた思いです。ミア…よかった。。

特捜部Qのわちゃわちゃももちろん。
ローセそうなの?と思いました。ローセのときもユアサのときも良い人だ。三つこぶのラクダ。
アサド。貴方がいなかったらカールは万事休すという場面が多々あったので、シリア人という以外はなにもわからないけど貴方は必要な人です。
カールって不器用で言葉が足りんと思ってたけど原作だとそうでもない。アサドとローセと一緒に特捜部Qとして事件に関わってきたり、ハーディとの生活で変わってきたのかな。
クリスとかいう心理オタクはまた出てくるのかな…モーナから彼にバトンタッチ?アサドもこの人も例え話がおしり系。

次は屈指の名作「カルテ番号64」です。映画は泣いた作品……あんなカールとアサドって(T_T)
読むのが楽しみです。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

落ち着かず映画先に見たけれど、原作とかなり違っていたので、焦燥感が改善しないままでした。
案の定、うなされて、何度も起きましたよ。はい。

下巻始まったら、場面転換。
そうよね、今までの流れからしたらそうなるわよね。
で、私の不安は先に持ち越されるわけだ。

イサベルとラーケル
本当に綱渡りですよ。全く。
そしてヨシュア・・・
ヨシュアに、この計画は最初っから無謀だったよね・・・

うまくいくのかと思わせておいて、やっぱり・・・
救いは、その時点ではまだ生きている事。
イサベルには運がある。

でも、これで、お金を手に入れる事は困難となった犯人。子どもたちの運命は?

そして、ミアの事も・・・どうなるの!?

色んな事が、どうなるの!?って状態で並走していくから、読む方は心配で仕方がない。
だから、その不穏な不安な空気の中で挟み込まれる、特捜部Qの3人のやりとりには、ほっとさせられるんですよね。

ここでこれが繋がるんか!?
と、事件が周囲からじわじわ詰められていく様は、心地よく、そこからはいっきに進んでいくんだけど、追い詰めた!と思ったら逃がしちゃって、ハラハラは最後まで続きます。この、後、数ページでどうおさまるわけ!?
とか、心配しちゃうしw

色んな表現が、想像できすぎて、読んでて「うげっ」となる所も多いですが、そこでやめられない。続きが気になって読み続けてしまう。

最終的にイサベルとミアには運があった。良かった。
子どもたちは今後どうなっていくのかは心配ではあるが、なんとななるのでしょう。
ミアの子は、結末があのような形なので、私達の想像でどのようにも解釈できるけど、幸福な方を選ぼうと思います。

で、残る問題。
アサドって結局何者?
カールと元同僚を襲った事件に関して、ちょっとまた謎が出てきたけど、どうなっていくの?
ローセとユアサに関しては、やっぱりね。ってとこではありますが、今後もこの状況は続くの?それとも更に一歩進んでマリーィとかもでてくんの!?

あー、次が気になる!次いこ!

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2023年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻は乗れず、何とか読み終えたが、下巻は1日で読み終えた。映画とはほぼ違うもの。

モジュラー型とはいえ、偽装火事の話は無い方がすっきりすると思うのだが、そういうものなのだろうから、仕方がない。その意味で、別のキャラ設定(アサドやローサにあれほど謎を置く必要も疑問)をして、ストーリーをシンプルにした映画があることで、特捜部Qの世界が広がっている。

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2020年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ三作目。長いが相変わらず飽きさせない、定番の主人公達に、今回はローセの姉、ユアサが登場。こういったところが作者の上手いところ。一貫して描かれる弱者と宗教をテーマにして、人間の弱さと弱さに漬け込む醜い欲望を描いている。北欧の作家に共通して感じるのは登場人物の生活を丁寧に描いているところ、日本の作家には少ない。この当たりが魅かれるところだと思う。

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2019年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(上巻より)

しかし、
カール刑事と変人のアサドともう一人のアシスタントのローセの姉が、
メッセージを読み解き、
手紙の主を探し出し、
続けられていた誘拐を止める。
やはりちょっとロマンティックだったかも。

アサドだけでも謎は多いのに、
姉と名乗っていたユアサはローセと同一人物と、
アシスタントは二人とも謎ばかり。
カールの苦労は絶えないが、
カウンセラーのモーナと親密になれてよかった。

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2018年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪シーンの残酷描写と捜査する特捜部のひょうきんな描写が、全く別の指向なのに、何故か違和感なく両立して書き込まれているあたりが凄い。ボリュームの割に「大作を読みきった」感がないのは、良い意味で物語世界に入れていたからかもしれない。

際立って「スゲーっ」って作品でもないけど、北欧警察小説の面白さは十分に味わえる。ただ前作よりは詰めが甘い感じかなぁ。シリーズ物なので今後の展開が楽しみ。

特に、アサドとローセの正体が気になる。
そして、モーナが魅力的やなぁ。カウンセラーにかかるなら、スーザン・シルヴァマンよりモーナにかかりたいと思わせるぞ。

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2014年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Qシリーズ第三弾。
北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」受賞作、だそうです。
でも、正直言って一作目の「檻の中の女」の方が好きだな。

海で拾ったビンの中に助けを求める手紙が見つかるところから物語は始まります。

登場人物がそれぞれに魅力的なんですよね~。
今回もアシスタントのアサドは有能。強くて賢い。なのに親しみやすい。そんなアサドの秘密が少しずつ明らかに、なりそうでならない。彼にどんな過去が秘められているのか、それもまたこのシリーズの引きになってます。
さらに今回はもう1人のアシスタントのローセにも大きな秘密が!

凶悪な事件を追うだけでなく、このチームの少しユーモラスなやりとりも魅力でしょう。

欲を言えばラストがもうひとつ。
誰の視点からでもいいので、彼の凶行の全てを明らかにして欲しかったな。
それと、ラストの危機一髪はもうお約束感があってドキドキしづらい。

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2023年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

テーマは家族、復習、神への挑発。解説で評者は「混沌」と言っていたが、重いテーマが幾重にも重なったストーリーをうまく表していると思う。
犯人の動機を過去と現在をテンポよく行き来し、決して優秀ではないがしぶとく昔気質のカールとおとぼけアサドたちがストーリーに活気を生む。今回新登場のユアサは傍若無人な振る舞いながらもボトルメッセージの謎解きに大いに貢献し、今後のシリーズにも重要な役割を果たしそうだ。
決してハッピーエンドにはならず、重い余韻を残して終わるのもこのシリーズの特徴。
予定調和に陥らないよう今後のシリーズに期待したい。

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2018年12月09日

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