あらすじ
グーグルでは、テスト関連の職種として、テスト担当ディレクター、テストエンジニアリングマネージャー、テストエンジニア、ソフトウェアエンジニアインテストという職種があり、それぞれが目指すビジョンを説明します。
また、「20%プロジェクト」、「20%ルール」によって、本来業務とは別の仕事が可能になっており、それによって社員が自身のキャリア開発を設計でき、人事の流動性がもたらされている実態が具体的に描写されています。本書は2012 Jolt Award of Booksの最終候補にノミネートされた書籍の1つです。
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Posted by ブクログ
Google社内ではよくあるソフトウェア開発会社と異なり、製品開発チームと品質管理(テスト部門)が別組織として活動している。
別組織としてある事のメリットとしては以下のようなものが有るとのこと。
・製品間をテストのスペシャリストが移動することで、良いテスト手法を広めることが出来る
・テスタの数を抑えることが出来る。(製品開発序盤はテスタが必要とならない場合が多い)
・製品の価値を客観的に捉え、潰すべきバグの優先度を開発チームに周知することが出来る。
この時、Google内ではACC(Attribute Component Capability)という3つの値を利用して、製品の価値の優先度分析を行なっている。
SI企業ではPMOと呼ばれる進捗・課題・リスク管理を行う組織が製品開発部門のサポートに入ることはあるが、製品の品質向上をサポートする外部組織は聞いたことが無い。
ある程度大きなプロジェクトであれば製品開発当初からテスト部門が関わり、テストプランの作成、テスト環境構築、テストケースのチェックなどをサポートすることが必要なのではないだろうか。
Googleの様な高品質のプロダクトを生み出す秘訣がここにあると感じた。
しかし、巻末には、未来のGoogleにはテスト部門はそのうち無くなるのでは無いか?という記述がある。
品質の優先度を管理するメンバはよりユーザ側に立ち、製品のテストをコードレベルでサポートするメンバは開発エンジニアに近づいていくという理由からである。
これは、ある程度テストの手法・技術が社内で確立されたGoogleだから言えることではないかと思う。
その他の一般企業は先ずはテスト部門を立ち上げることから始めると良いのだろう。