あらすじ
東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室の妖怪博士・絶対城阿頼耶の元には、今日も怪奇現象の相談者が訪れる。 長身色白、端正な顔立ちながら、傍若無人で黒の羽織をマントのように被る絶対城。そんな彼の元に持ち込まれる怪異は、資料室の文献による知識と、怪異に対する時のみ発揮される巧みな弁舌でただちに解決へと導かれる。 夏休みに入ったある日、絶対城と助手(?)の礼音は織口准教授の誘いで、とある田舎の集落を訪れる。そこで二人は古代より続く奇怪な風習に巻き込まれることになるのだった。 四十四番資料室の怪人が紐解く伝奇ミステリ第2弾。
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陸の孤島の村で行われる12年に一度の祭事――と見ただけで、生贄系のあれか、とげんなりしそうなものだけれど、流石このふたりといった展開、そしてオチ。クビナガさま、良かったね。ずっと生きている「神様」の話は珍しいと思う。
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読みながら思い出したのが諸星大二郎さんの『暗黒神話』だったりする。
絶対に峰守さん、読んでると思う。いや、読んでいるはず(断言!)
じゃないとあの描写はないだろうしなぁ、ニヤーリ♪
この手の小説としてはきちんと資料も当たられるのがわかるし、好感度は高し。
ただ後書きページが少ないせいなのか、参考文献があげらていないのが惜しい!
続きも楽しく読ませていただこうと思ったりもする(^^)
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短編でも最後には色々小ネタがつながっていて見事だと思います。
後半はハラハラしましたが面白かったです。
少しずつ、登場人物も増えているので次の展開も楽しみです。
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今回は民俗学的なアプローチでした。前半の短編が伏線になっているわけですが、各話のテーマになっている妖怪の掘り下げがちょっと物足りない感じ。テーマになっている妖怪そのものはおまけで、伏線を書くことが主目的だという感じもあって、本全体で見ると無駄がなさ過ぎて窮屈な感じもします。
スペクタクル的な展開も面白いですが、絶対城の妖怪薀蓄が作品の雰囲気を作る重要な要素だと思うので、そこは大事にして欲しいかな。
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妖怪を信じているわけだはなく、そのありようを絶対城は研究しているんだよね。その妖怪を上手いこと絡めて事件が成り立っている。最後の神社の大蛇と百足の話は、礼音と絶対城に絶体絶命の危機が迫って、なかなか盛り上げてくれるなあ。礼音と絶対城の掛け合いはとても面白い。
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今日も元気に、サンプルとして生きて行く。
連続短編か? と思ったのですが、違いました。
いや、事件としては個々なのですが
ちまちまとしたものが、最後の最後に繋がってました。
演劇の小道具は、確実に使うのだろう、と
想像できるものではありましたが…w
今回も主人公は猪状態です。
これだけ進めたら、これはこれで幸せ?
最後の、先輩のばかじゃないか発言ですが
目の前でされたら、まぁこうするかも?
自分になったら逃げますが、主人公ですし。
しかし先生。
貸しを作ったというのに、倍になって借りた、な
状況になっています。
いつか、出し抜けるのでしょうか??
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・礼音に対する絶対城先輩の心をこめた罵倒が今夜も鳴り響く。
・トラブルを妖怪のせいにしておさめてしまう一団の話の第二弾。
・今回は基本的には「海の怪異」ってことらしい。
・見越し、船幽霊、夜行さん、大百足、大蛇、いくち。の五編。
・絶対城先輩がちょっとカッコいいとこを見せてくれる。
・新キャラ? 海洋生物学専門の気弱そうな女子学生、星川。礼音のライバル? になるかも?
・たとえば京極夏彦さんの作品と方向性は近いが、テイストは異なり、こっちはおどろおどろしい感じはほぼなくあっさりと軽くてドタバタしてる。その分読みやすくてよい。
・妖怪は自然発生だが霊は人工的なもので深みが違うらしい。
・妖怪は概ねの場合、人間が自然と折り合いをつけるために、そのズレを埋めるために発生したのかなと思っているので絶対城先輩のやり方は本来のありように合ってるんだろうと思う。
・途中、ちょっと「七人みさき」の名前が出てくるけど、個人的には昔からあれがちょっと怖い。なんでかわからないけど。いつかメイン妖怪として出てくるだろうか? まあ、あれを妖怪と呼べるならやけど。
Posted by ブクログ
Yシャツに黒ネクタイに黒のスラックスに何故か黒の羽織。
印象に残り過ぎるくらいの絶対城阿頼耶。
お嬢様チックな織口准教授とのトラブルがあったものの
共に研究者という立場で協力関係に。
今回は、織口准教授からの紹介での旅先で事件が!
オチが、ちょっとやり過ぎだろうと思ったけれど
そこはご愛敬と思えれば大丈夫でしょう。
湯ノ山礼音がとにかく不愉快。
ヒロインキャラが気にならなければ、妖怪蘊蓄や
民俗学にも引っかけてあって楽しめると思います。
メインキャラって、本当に重要ですよねぇ
Posted by ブクログ
最初の本が売れたのでシリーズ化~絶対城は怪異に悩む学生をインチキと蘊蓄で言いくるめる日々を過ごし,礼香は相変わらず雑用係兼サンプルとしてこき使われていた。そんな中で波打ち際で揺れる人の手を見た男子小学生の悩みを聞いて,理学部で不要になった海洋生物投棄だと見破り,海にも興味を持っていく。大学の夏休み,研究旅行に出ていた織口準教授からの誘いを受け,海の近くの鄙びた村を訪ねるが,準教授はすでにいなくなっており,大蛇と百足に纏わる昔語りに関する祭りを調べようとするが,協力しようと云う村人はいない。村から脱出しようとすると,礼音が新しい生け贄だという…~ シリーズになって方向性が定まったようですが,この先,どうでしょう
Posted by ブクログ
20140823
出てたの全然気がつかなかった。
妖怪が妖怪としてそのままある話も好きなんだけど、民俗学好き(こういう場合は妖怪学のほうがいいのかな)としては、この妖怪はもともとなんだったんでしょうか的な話の方が好きなので、こういう物語は割と好き系。
トンデモと思われるとこにつなげてくれるのがナイス。
お話だからねー。
主人公の女の子がとてもイイコだなぁと。
ついでに強いのも良い。
ルルコシンプに例えるの笑った。
なんとなくググったらイラストいっぱいでてきた。
驚いたのは競走馬にいたことです。
見越し
船幽霊
夜行さん
大百足
大蛇
いくち
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
前作同様、各章に妖怪名のタイトルがついています。
本物の妖怪(真怪?)も登場しない訳ではありませんが、
ほとんどは思い込みだったり、何かと見間違えていたり。
大学構内で妖怪専門の駆け込み寺と化している四十四番資料室。
毎回相談事が持ち込まれると、
絶対城先輩が得意のウンチクと杵松さん製の仕掛けで、
依頼主を煙に巻いては小銭を稼ぐというのが基本パターンで、
無礼な言動の先輩とめげない女子大生のやり取りが楽しかったです。
基本一話完結ですが、
今回は最後の2章が連作になっていて他とは毛色が違ってました。
正直、内容紹介の「伝奇ミステリ」は盛り過ぎだと感じていましたが、
これなら納得です。
奇祭とか意外な生物とか私好みで面白かったです。