あなたは何のためにマンガを読むだろうか。娯楽?暇つぶし?感動したい?
それらを求めている人には、このマンガは不向きだ。
退屈を嫌う主人公・将也が、聴覚障害を持つヒロイン・硝子をいじめるところから物語は始まる。「障害といじめ」という、少年誌にしてはディープなテーマを描いているが、「いじめる側」と「いじめられる側」は固定化されず、あるきっかけで逆転する。いじめられて初めて、将也は自分のあやまちと、硝子の強さに気付く。
この話に説教臭さはない。むしろ淡々と2人と周囲の関係が描かれ、第2巻で少しずつ将也の変化が見えてきたところだ。「障害者にも分け隔てなく」と、声高に叫ぶでもなく、泣くでもなく、無理に感動を誘うわけでもない。「さあ、どうする」と、読みながら宿題を出されている気分になる。
元となった読切版は、かつて新人賞を受賞したものの、その内容のために掲載が見送られてきました。しかし『別冊少年マガジン』に掲載されるやいなや、その号の読者アンケートで『進撃の巨人』や『惡の華』を抑えて1位になったというから、この作品の影響力がいかほどか分かります。
私は読切版を読んだ時に、久々にいい作家に出会ったと感じました。それだけに、連載版を今後も大切に描いてほしいと、切に願っています。(書店員・鮭)
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登場人物を応援したくなります
石田くんが硝子ちゃんと初めて対話をします。初めは硝子ちゃんは逃げ出してしまいますが、転んだ石田くんを心配し、対話が始まります。
この巻では、硝子ちゃんの思いも垣間見えるところがあるので、硝子ちゃんは小学生の頃どう思っていたのか考えながら読んでいました。
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死ぬために許してもらう。が、いつの間にか生きていくために許してもらうに変わっていく。
自分をいじめた人間を許せるか、もう一度信じることが出来るのか・・・。
考えると苦しくなる命題が続きます。
西宮姉妹のお互いへの愛に涙が出ます。
性格が変わるほどの
逆に自身がいじめられるようになって、周りの人がオブジェクトのように思える感覚に陥ってしまっても、反省し努力した主人公に生きていけそうな兆しが見えて良かったです。
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過去の回想から現代に移り、久々に西宮の姿を見かけた石田は、西宮に謝罪を伝えるために手話を習い始める。しかし再び西宮に近づく姿を見た西宮の妹・結弦や母から激しく拒否される。それを押し通していくほどの図々しさを石田は持っておらず、だからといってそれを止めるほど浅い罪悪感でもない。
ただ補聴器などを200万円弱弁償させた母への詫びに小遣い稼ぎをし、そのまま死のうとした石田。母は当然激怒しなんとか死ぬことを思いとどまる石田。
一方で詫びとしてでも手話を覚える石田に心を開き始める西宮は、石田を追い払う結弦と喧嘩になり結弦は家を出てしまう。そんな結弦を探しに嵐の中、外に出てしまう西宮。危険を知り西宮を探す石田と結弦だが、本気で西宮に向き合おうとする石田に、結弦は少しずつ心を許し始めた。
西宮のお母さん、手話わからないんだな‥父親不在で二人も子ども育てるとなると働くことに精一杯で娘と会話できる言語を覚える時間はないんだろうか‥とか思うけど先々で書かれる離婚の経緯を見ると強い女性であれ、と自身の反面教師的な育て方をしているのだろうか‥
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石田が西宮さんに友達になれるか?って聞いたときなんて図々しいんだと思ったけど、なんか気持ちが分からなくもない複雑な気持ちになった。2巻では突然学校に友達ができる。しばらく友達いなかった石田は友達の定義が気になってすぐに馴染めない。でも案外ぐいぐいくる永束。家で料理作ったり余計なお世話だったり、やっぱり永束も友達いなそうなウザさがちらつくのがウケた。西宮さんの妹も登場。ずっと男の子だと思ってた。でも耳が聞こえない姉を守ろうとする姿はグッとくるものがあった。石田が母親に死のうとした事を怒られるところ、泣きそうになった。
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【あらすじ】
「西宮、逃げないでくれ!」。耳の聞こえる少年・石田将也(いしだ・しょうや)。耳の聞こえない転校生・西宮硝子(にしみや・しょうこ)。5年後、将也は人生の最後に、西宮硝子に会わなければいけないと決意する。初めて伝わる2人の「こえ」。そして物語は、幕を開ける。1・2巻累計40万部突破。週刊少年マガジンの大反響作、待望の第2巻発売。
【感想】
少し嬉しかった。辛い気持ちが少しずつほんの少しずつ、薄れていくようで、嬉しかった。人生辛いだけじゃないんだなって思えた。
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ずい前から知っていたマンガ。私自身、障害者手帳持ちの難聴障害のある身なので、なかなか怖くて読めなかった。まず前提として、どうして普通の公立小学校に行ってたんだろう?お母さんが専門小学校に抵抗あったから?イジメたほうは、一生いじめられた人間の気持ちは分からないのかもしれないが、お互いが年を重ねて気持ちが通じあっていくのは可能だとこのマンガを通じて知ってくれる子どもがいたら、と思わせるマンガ。ただ、上野がノリで補聴器を奪い取る場面はココロが痛かった。補聴器がどれだけ高いか知らないでしょう?最新のiPhoneが片耳だけで4つは買えます、、、
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将太が変わった。しょうことコミュニケーションを取ろうとしている。しょうこの家庭もなんだか複雑だな。特殊なようだけど、自分の家庭と違えば違和感を持つだけのことで、こういう家庭もごく普通にあるんだろう。考えさせられるマンガだ。こういうマンガを中学高校生も読んでいるということを嬉しくもあり、意外でもある。感想を聞いてみたい。
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小学生時代から飛躍して高校3年。
1巻は序章、2巻から本編始まるよって感じ。
暗い青春時代を過ごした石田に生きるきっかけに出会えた。
西宮の妹の顔が泣き崩れる1歩前の表情、とても秀逸。
ジンと込み上げてくる。妹のシスコン魂に泣く。
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手話を覚えて西宮と対話できるようになった将也。一言謝って消えるつもりだったのに、思わず「俺とお前 友達に…なれるか?」と手話してしまう。
西宮と再会したことによって、将也は自分を変えようと考え始める。そして、死ぬつもりだった将也は西宮のために生きることを決意する。
まあ、ゆづるに彼氏だと言われてショック受けてるあたり、再会した西宮が可愛くてお近づきになりたいという下心はあったんだろうね。
しかしあのときの西宮の手話が友達になりたい意思表示だっとは。ということはあの頃から西宮は将也と仲良くなりたかったのか。
再会後も将也に好印象抱いてるようだけど、何故なんだろうね。
将也はオカンが好きで、オカンも将也のことは大好き。
カマかけで将也が自殺しようとしてたことを知った将也のオカン。将也が稼いだ170万を人質に「死ぬのやめるって言わなきゃコレ燃やすわよ!!」と泣きながら激昂。誤って燃やしてしまうが「あんまり落ち込まないで? 死ぬために稼いだお金なんて使いたくないもの」とサラリと言う。将也が大好きなオカンでした。
そして何気に西宮のお母さんが良い味出してる。将也に強烈なビンタを食らわせる一面もあり。
「あなたがどれだけあがこうと 幸せだったはずの硝子の小学生時代は戻ってこないから」と将也に告げる。でも、実は将也に傘を貸してあげてることを考えると、将也があがこうとしていること自体は評価してくれてるようだ。それに対する将也の力強い「はい!」という返事のシーンも良い。
ところで、本作品の天使キャラは決定されたね。マリアが天使級に可愛い!!
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あれから5年の時を経て、17歳―ついに再会を果たした将也と硝子ちゃん。
あの頃は伝わらなかったお互いの「こえ」が今、初めて通じ合って…
ここから新たな物語が始まる。
硝子ちゃんママは、なんで手話できない(覚えなかった?)んでしょうねー。
本当に娘のためを思っての行動をとっているのか?まだ謎の多い方です。
高校に入ってからもずっと独りだった将也に、永束くんという友達ができました!
永束くんイイ奴だな~♪将也の難しい疑問にも真剣に答えてくれるし。
硝子ちゃんも高校では楽しくやれているらしいので、良かった~v(´∀`●)
これまでは、辛くても悲しくても、怒りが込み上げる場面でも笑っていた硝子ちゃん。
…怒るのが難しいから。自分が悪いと思ってるから。
そんな硝子ちゃんの笑顔は、彼女の強さと弱さ、両方を表現しているように感じました(- -、)
だけど結弦(=硝子ちゃんの妹)が言うように、怒った方がいい局面てのは確かにあるのかもしれない。
硝子ちゃんにとって、それは将也に関する事だったわけで…
これがきっかけになって、これから彼女のいろんな表情が見られるといいな*
さて次巻。
どういうわけか、将也はかつての6年2組の面々に会いに行くようで…?