あらすじ
シーザーが帰ってきた! 凱旋する英雄を歓呼の声で迎えるローマ市民たち。だが群衆のなかには、彼の強大な権力に警戒心を抱くキャシアス、フレヴィアスらの姿があった。反感は、暗殺計画の陰謀へとふくらむ。担ぎ出されたのは人徳あるブルータス。そして占い師の不吉な予言……。耳をくすぐる言葉、卑しい媚びへつらいにも動じないシーザーに、死はとつぜん訪れた。息遣いが聞こえる演出家の名訳・第2弾。
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Posted by ブクログ
タイトルはシーザーですが、内容は「ブルータス、お前もか」で有名なブルータスを中心としたもの。
登場する政治家たちの誰もが、市民へのウケを意識しつつ、虚虚実実なやり取りをする。それをセリフだけで表現する戯曲という形式がまたいいですね。以前読んだ、同じシェークスピアの「リア王」あたりより、私はこちらのほうが面白かったです。
Posted by ブクログ
最初にこの本を手にとったときは、
てっきり、シーザーの暗殺で
すべてが終わると思っていました。
だけれども、ある意味いい意味で
裏切られることとなりましたね。
メインとしては、シーザーの信頼していた
ブルータスです。
彼は彼の怠惰さに
疑問を覚え、なすがままにシーザー暗殺へと
加担していくこととなります。
しかし、その後に待っていたのは
彼らの意図する事柄ではなかった、ということ。
そして、人を束ねる存在は
苦心をするものの、
それを享受する側の心は変わりやすい、
ということ。
それがアントニー側の人間の発言のくだり。
人とは何なのでしょうね。
Posted by ブクログ
最近戯曲を数冊読んでますが、今現在でトップに面白かった。
あらすじを読んでシーザーを暗殺するまでの話で暗殺をして終わりなのかな〜とおもっていたら暗殺後からのクライマックスで休む暇なくスラスラ読み終えた。
この作品で1番恐ろしいのって群衆だなと…
人の心ってコロコロ変わる……
Posted by ブクログ
古典だからなのか?脚本形式だからなのか?
セリフ一つ一つが長く、すごく修飾語が多い、コッテコテの文ばっかり。
すごい新鮮でした。
「近頃の君はよそよそしい態度でどうしたのか心配だよ」
「よそよそしくしたつもりはないんだ。悩んでいて君に思いやりが足りなかったように感じていたならごめん。」
みたいな内容を1ページ近く仰々しいセリフにしてやりとりしてるっていう…。
このお話読んで、嫉妬って恐ろしい…!
って思いました。
領地を拡大して国のトップに君臨するシーザーに嫉妬した部下たちが、シーザー暗殺をもくろむ。
シーザーが昔病気になった事を引っ張り出してきて、国のトップが病気なんて情けない。あいつはその器じゃねえ。
というような事を言ってるのを読んだとき、めちゃくちゃ言ってんなあ。
そんな風に人をしてしまう嫉妬って…と思いました。
シーザーの信頼していたブルータスもが暗殺に加わるのですが、
ブルータスは他の者たちと少し違って、この先シーザーがトップでいると、危険かも…?
という国の行く末を案じる考えがあっての事でした。
「ブルータス、お前もか。」
は、読んだことなくても聞いたことあるセリフだと思うのですが、
このお話のクライマックスはそこではなかったのがちょっと意外でした。
シーザーを討ち取ったからってうまく行くかって言ったらそんなことはなかったんですね。
そして群衆のバカさが際だつ。
言われることを鵜呑みにして信じてしまう。
これは読んでいて自分も気をつけねばと思いました。
たまにはこういうのも読んでみるもんだなー