【感想・ネタバレ】ダロウェイ夫人のレビュー

あらすじ

6月のある朝、ダロウェイ夫人はその夜のパーティのために花を買いに出かける。陽光降り注ぐロンドンの町を歩くとき、そして突然訪ねてきた昔の恋人と話すとき、思いは現在と過去を行き来する――生の喜びとそれを見つめる主人公の意識が瑞々しい言葉となって流れる、20世紀文学の扉を開いた問題作を、流麗にして明晰な新訳で!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても好き。
どうやったら、この内容で、こんな文が書けるのかわからない。
事件といえるような事件はおこっていないと思う(ピーターが帰ってくることや、サリーがパーティにやってくることは事件にはいらないと思った)。それでも読ませる力があるし、心を動かされる。それがすごい。本当にすごい。

これを読んだ後に、「めぐりあう時間たち」(映画)を見ると、また二つの作品が相互に影響しあって、より楽しむことができる、と思う。

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2011年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一次世界大戦を終えたイギリスの、6月のある1日を描き出す作品。
「ダロウェイ夫人」が中心に据えられているが、作品の視点は周囲の人の頭の中を飛び回るような、独特の浮遊感で移り変わっていく。

大勢を招いたパーティを開くくらい精力的で、魅力的でもあるようなクラリッサ(ダロウェイ夫人)が内面で仄暗いものを飼っていて、誰かわからない人の自殺を知りなにかしら自分の中に落とし込むくだり、表面的にはなにひとつ変わらないこのことを真に迫って伝えてくるのは正に小説の力だと思う。

一番印象的だったのはヒュー。「完全無欠」ながら、本を読まない、ものを考えないと切って捨てる人もいるけれど、本人は本人の価値の置く世界で幸せに過ごしている。物事を考え過ぎないからこそ幸せでいられる、という暗喩のようでもある。

表現が芳醇で読んでいる間はとにかく至福の時間で、この内容で読ませるなんてほんとすごいと感嘆し通しだったけれど、最後の終わり方はえっえっこれで終わり??と何度も読み返してしまった。
この物語が終わるのには最上のタイミングだけれど、終わる予測をしてなかったので寂しい気持ち。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

視点の使い方が特徴的。
クラリッサの視点かと思えば次のページではレーツィアに、はたまたメイジーに……それだけでなく一人称で語られたり三人称で語られたり……忙しさを感じる記述だった。
これにより個人的には読みにくく感じたが、ひとつの物事を複数人の視点から見れるのは面白い。
話の軸はクラリッサとセプティマスの2軸。
終盤までこの軸は独立を保ったまま同時並行的に話が続いていく……
正直、この2軸(幸福の中の不幸を見出す視点・不幸の中の幸福を見出す視点)は交わりようがあるのかと思いながらページをめくっていたが、交点を見つけた時は驚いた。
パーティという幸福の象徴的なものの中に自殺という不幸の象徴的なものが入り込むことで、より一層対比が明らかとなり、彼らの感情が強調されていたように感じる。
いちばん印象的だったのはセプティマスが自殺するシーンだった。
冒頭ではレーツィアは彼がシェルショックによって心からの会話が出来ないことを嘆いていたが、中盤で一時的に回復したような様子を見せたことで深い喜びを感じていた。しかしその直後、「人間の本性」がやってきたことにより彼は自殺という結果に至ってしまった。この場面はレーツィアの心情を考えると胸が痛い。希望の見えない生活の中でようやく差した希望の光が一瞬にして潰えてしまった。そしてその様も惨いものであった。
この話の後にピーター・ウォルシュが救急車のサイレンを聞いて「文明の勝利だ」なんて言って喜びに浸っているのも、この無惨さを強調させていると思う。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

秋から冬にかけては海外の文学をとても読みたくなる。今は名作漁りのターン。ウルフの代表作を。ウルフは最初、ダロウェイ夫人を死なせるつもりだったらしい。結局、やめたみたいだけど。

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2018年11月07日

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