【感想・ネタバレ】血の轍のレビュー

あらすじ

元刑事が絞殺された。警視庁捜査一課の兎沢は、国家を揺るがす大事件の真相に元刑事が辿りついていたという糸口を掴むも邪魔が入る。立ちはだかったのは公安部の志水。兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ所轄時代の先輩だった。事件の解決を急ぐ刑事部と隠蔽を目論む公安部の争いが激化。組織の非情な論理が二人の絆を引き裂く……。胸打つ警察小説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「轍が違うんだ。公安と刑事の轍が交わることはない。」

莫大な税金を使い、矜持を賭した刑事と公安の壮大な内輪揉め。同じ日本国の安寧を目指しつつも、立場の違いによる正義は決して重なることがない。最後にいいとこ全部持って行く監察官の格好良さよ。

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2024年09月17日

ネタバレ 購入済み

秀逸な警察モノ。読みごたえあり

文句なしに面白い。登場人物の心理描写が巧み。過去と現在を行き来するストーリー展開にぐいぐい引き込まれてしまう。「KID」を読んでから
相場さんの作品にはまり、これが4冊目だが、全くハズレがない。刑事部と公安部、それぞれの主義・主張もわからないではないが、それでも対立、
確執がここまでひどいと警察とはつくづく恐ろしい組織だなと思ってしまう。昔は固い絆で結ばれていた捜一の兎沢と公安の志水。過去の不幸な
出来事がきっかけとなって、お互い敵同士となってしまった二人の壮絶なパワーゲームから目が離せない。

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2020年06月06日

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ネタバレ

登場人物の8割が、自分のことしか考えていない嫌なやつばっかりだった。正義って足の引っ張り合いをすることなのか?お話自体はテンポが良く、ドキドキハラハラで面白かった!

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2025年04月08日

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ネタバレ

素晴らしい。
山寺でのチェイス、対決は鬼気迫るものがあり、目に浮かぶよう。
過去と現在、二人の視点が交互に書かれているので、最初は混乱するが、徐々に慣れてくる。
辛い話が続くが、何故か痛快さを感じる。

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2025年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警察内部の抗争という点で横山秀夫の『64』を彷彿とさせる。
ラストは一応兎沢と志水の和解(とまでは分からないが)ということで、ハッピーエンドになるのだろうけど、まだ事件そのものは解決しておらず少々中途半端な感じがした。あと男どもは奥さんに優しくしてあげて…。
楽しめる点は公安部と刑事部の丁々発止にあるだろう。特に坂上の活躍はスピンオフ小説が出そうなくらいだけど、実際は志水が「KID」かな?出てるらしい。しかし公安も刑事部のも上層部がことごとくメンツと権力に拘泥する嫌なタイプで、作者の「権力嫌い」がちょっと顔を見せた感じもする。

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2024年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物や肩書きがややこしくて最初戸惑う。
しかも現在と過去が断りもなく入り乱れるのでますますわかりにくくなる。

しかし話が動き出すと連続殺人事件と、過去の恐喝事件、そして警視総監襲撃事件が見事に一本の糸に収束していく過程は面白い。

しかもそれだけでも一本のボリュームがあるのに、そこに刑事課と公安の確執を描きこみ相対する主人公達の立ち位置が丁寧に描かれて、本作のテーマである「立場の違いによる正義」が見事に描かれる。

それぞれの思いを引きずりながらも捜査に打ち込む主人公達の姿はひたすら熱い。

ただ、兎沢の娘が白血病で亡くなり、その医者を公安が捕まえてとか、米村の奥さんの浮気相手が兎沢の上司とか、練ってはあるのだが却って安っぽいくなる枝葉はいらなかったかも。

この相場英雄は「震える牛」の人。どうりで上手いはず。他の作品も読まないと。

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2020年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

公安VS刑事課、警察小説でよくある対立軸を煽ったパターンの小説である。
小説としては力ずくでグイグイ読ませるタイプ。浅めの伏線張っておいて回収シーンでグイグイアクション押しするタイプというのかな。俺はこういうのも結構好きである。

ただ、荒っぽいの好きとはいえ、さすがに荒っぽすぎる伏線もあって、冷静に思いだすと「それはやりすぎだろ」ってのもいくつかあるよなぁ。
左翼ビラ巻いたヤツを見せしめとはいえ、あのタイミングで拘束せんやろし(戦中の特高とダブらせてる?)、公安側主人公の奥さんも浅はか過ぎて、あの対応は女性蔑視と取られても仕方ないんじゃないかなぁ。

深く考えずに読んだら楽しい読書時間が過ごせるけど、主要テーマを大げさにとらえ過ぎると浅薄な小説に思えてしまう。この小説は問題提示などしておらず、警察権力抗争をイメージした純粋なアクション謀略小説だと割り切って読むべきである。

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2017年06月13日

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ネタバレ

刑事vs公安が題材。正義は一通りではなく、視点によって変わることを改めて感じた。立場、考え方の違いから生じるいがみ合いによって生じる足の引っ張り合いが醜く、本来の目的からかけ離れた結末に呆然。人の良心に過度に期待しちゃいけないと感じた。エンタメ小説として面白い。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

二つの視点とも臨場感があって面白い。それぞれの正義のために自分を犠牲にして活動する刑事に頭が下がる思いで読んだが、公安側の理由が下らなさすぎて、フィクションであってほしいです。

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2020年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

周到に準備された仕込みは、悪意以外のなにものでもない...。水面下の暗闘から互いに露骨に打ち合う怒涛の後半は、そこまでやるか、の応酬で途轍もない。タイトルに納得。最後のシーンに少し救われる。

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2019年07月08日

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