【感想・ネタバレ】貴族探偵のレビュー

あらすじ

信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か? 捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生! 傑作5編を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「こうもり」白眉。短編の中だと一番好きかもしれない。叙述トリックは読者と
登場人物の認識のずらすわけだが、普通は読者側に誤認させる。逆に読者は正しい情報を得ていて...というのは普通の叙述トリックを読んだ後に読むとやはり面白い。「蛍」と構造は同じ。蛍の方が純粋な逆転になっている(こうもりでは読者に貴生川を絵美の彼氏だと誤認させる構造になっているので)から綺麗な気もするが、こういうのは短編の方が映えると思っている。

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2020年12月30日

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ネタバレ

大学時代の友人らと会い、久しぶりにミステリを読まねばという気になり、BOOKOFF 110円コーナーから勘で手に取った短編集。久しくミステリを読んでいなかったので、短編集はリハビリに最適。(とはいえ、ミステリを読むのが久しぶり過ぎたのか「こうもり」の叙述トリックが一読で理解できなかった。読解力が落ちている……)

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふざけた設定以外は、至極真っ当な作品だと思う。
文章も読みやすいし、内容もおもしろいので、さっさと読める。
捜査も推理も何もしない、使用人に丸投げの探偵が、ただただおもしろい。
貴族探偵=織田裕二がピッタリだと思う、ずっとイメージしながら読んだ。
当たり前のように威張っている姿は、本当におもしろい。

ただひとつ気になったのは、「こうもり」のランチのシーン。
なんか自分の中で辻褄が合わなくて、違和感のある名前が出てて、何度か読み直して、引っ掛けられていたことに気づいた。
ちょっと納得できない部分ではあった。

2024/04/28 12:37

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

貴族探偵と名乗る探偵が様々な事件を解決していく話…。
しかし、貴族探偵自身が自分で調査したり、推理したりするといったことはなく、従者やメイドが推理していくというちょっと変わった探偵だった。

短編がいくつかあるというものだったので、読んでいくうちに探偵推理したり、探偵の正体が分かるのかと思ったが最後まで分からずじまいだったのは個人的に残念だった。
ただ、謎のままにしておくことで想像するという楽しみはあるのかなと思う。

すらすら読むことができ、どのように推理していくのか楽しみながら読むことが出来た。

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2020年08月30日

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ネタバレ

なるほど、貴族探偵とは、紅茶を嗜むばかり。どの執事やメイドをどの探索/推理に当てるか采配するくらいはするが、後はさあ、推理してくれ、と丸投げ。安楽椅子探偵すぎる。謎の強い圧力で、よくある、電話越しに上司に口利きをし、現場の刑事を従える様は笑った。女性にはキザな台詞を吐いたり、執事の経緯から語る推理披露に、そんなことはいいから早く犯人の名前を言ってしまえ、とあっさり名前から披露されたり、おかしな人間で面白い。

ドラマ化では相葉くんが演じたらしいが、イメージが違うんじゃ??

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2023年06月08日

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ネタバレ

短編集。推理をしない貴族探偵と、推理をする従者。
「こうもり」と「春の声」の2篇が好きだった。特に「こうもり」の叙述トリック(?)は騙された。

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2023年03月21日

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ネタバレ

 捜査どころか、推理まで使用人にさせる貴族探偵が主人公のシリーズ。5つの短編からなるが,「こうもり」が秀逸。ただし,総合すると,複雑すぎる嫌いがある。もっとシンプルに騙してほしいところ。設定は面白いが,その設定を生かしきっているとも言い難い。★3で。

〇 ウィーンの森の物語
デキ:★★☆☆☆
 密室モノ。トリックも平凡だし,そもそもバックルに正津の指紋があったことが真相に繋がる証拠とは思い難い。貴族探偵による真相解明という雰囲気だけはよいが,ミステリとしては及第点以下
※ あらすじ
 都倉計器の社長,都倉政一が密室で殺害される。密室は,密室にするために糸をつかった偽装がされていることがあきらからであり,自殺ではなく,他殺であると断定され捜査がされる。容疑者は以下の人物
都倉政一の妻  光恵
都倉政一の愛人 旗手真佐子
都倉計器の営業部長 正津幸彦
都倉政一の姪 都倉江梨子
都倉政一の子 都倉忠仁
 その後,旗手真佐子が自宅で殺害されていることが分かる。貴族探偵は,都倉江梨子とドライブをするために,事件を早期に解決すると宣言し,執事である山本を利用して推理をする。犯人は光恵。密室の偽装工作に失敗し,糸という物的証拠を残してしまう。光恵は,自分のバックと真佐子のバックを交換し,鍵をもっていないという状態を作ることで容疑の外に出ようとしたが,物的証拠が残ってしまったので,真佐子を殺害し,鍵を手に入れ,糸を回収する。その後,改めて偽装を行う。正津は光恵のバックに一度も触れていなかったが,光恵のバックのバックルから正津の指紋が出てきたことが証拠となった。
〇 トリッチ・トラッチ・ポルカ
デキ:★★★☆☆
 死体の首が切られた原因として,死体にパーマを描ける姿を見せることでアリバイを作っていたという部分は斬新。話のテンポもよく,なかなか面白い。
※ あらすじ
 首を切られた死体が発見される。その死体は複数の人間に恐喝をしていた主婦であり「K」というイニシャルの愛人がいた。教え子との関係を恐喝されていた高校教師の浜村康介が容疑者となるがアリバイが成立する。警察はアリバイ崩しの捜査をするが,捜査をする先々で謎のカップルが警察関係者として捜査をしていた。犯行現場と思われる倉庫で警察が捜査をしていると貴族探偵が現れる。貴族探偵がメイドの田中を使い真相を推理する。真犯人は美容師の小関。犯行時間は午後3時頃であり,犯行後,遺体の首を切り,その首から上にパーマをかけ,その姿を目撃させることでアリバイを作っていたというもの。警察は被害者の愛人の「K」が貴族探偵ではないかと指摘するが…真相は闇の中。

〇 こうもり
デキ:★★★★☆
 大杉のそっくりさんである貴生川を絵美の恋人だと思わせる叙述トリックを駆使した作品。字の文では貴生川と書き,会話文では大杉と書く事で,あたかも貴生川と大杉が別の人物として同席していたように読者に誤認させるという技工の限りを尽くした作品。面白い。こういう技巧的な作品は好みである。欠点は技巧的すぎて一読して分かりにくいこと。もう少しすっきり書いて,分かりやすくした上で騙してほしかった。
※ あらすじ
 ストーカーに悩まされ,傷心旅行に来た寺崎紀子と安永絵美。二人は老舗旅館,風媒荘を訪れた。風媒荘には,作家,大杉道雄,その友人の作家堂島尚樹,大杉の妻の真知子,真知子の妹の佐和子,佐和子の夫の水橋,そして松野という男がいた。佐和子はかつて松野,堂島と付き合っていたが,現在は大杉と不倫をしていた。佐和子が殺害される。一見,アリバイがあると見えた大杉が犯人であり,妻の真知子も共犯だった。アリバイには貴生川という大杉に似た男を使っていた。

〇 加速度円舞曲
デキ:★★★☆☆
 俗説や迷信を盲信する厄神という人物が被害者。殺害現場が異なることを誤魔化すが,北枕にならないように部屋全体を模様替えしたという作品。バカミスなのだが,貴族探偵の設定そのものがバカミスなので,これはこれでアリだろう。

〇 春の声
デキ:★★☆☆☆
 弥生という女性の三人の婿候補が,お互いに他人を犯人に見せかけて他者を殺害し,死んでしまうという作品。入り組んでいるうえに,読みにくい。正直ピンとこなかった。

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2022年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そ、そういう方向性なのか!
意外とおもしろかったかも。
ドラマ化しやすそうな雰囲気。
表紙に口髭がないのが気になったり。

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2025年05月28日

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ネタバレ

予想以上に貴族探偵が動かなくて驚いたwこれじゃ実質使用人探偵wその使用人たちの有能さに、一流に仕える人もやはり一流なのだなぁと感心しきり。『こうもり』は大胆かつ斬新な仕掛けで「んんっ!?」ってなった。やられたw

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2022年08月20日

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