あらすじ
一○年にわたるトロイア戦争が終結。オデュッセウスは、帰国の途中嵐に襲われ、さらに一○年の漂流冒険ののち、神々の援けを得て二○年ぶりに帰還、留守の間妻を苦しめていた悪逆な求婚者たちを討ち亡ぼす。『イリアス』とともにヨーロッパ文学の源泉と仰がれる、劇的な盛り上りに満ちた大英雄叙事詩。新たな訳者による新版。
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Posted by ブクログ
下巻で主人公オデュッセウスはなんとか妻と息子がいる故郷に帰ったが、妻は夫の外見が以前と変わったことからまた息子はそもそも父親の顔を知らなかったことから、二人ともにわかには信じられなかった。加えて、妻の求婚者たちとの争いに巻き込まれるというように、故郷に帰った後も次々と災難が降りかかる。それでも、智謀と呼ばれたオデュッセイアは、目の前の難題に巧みに対処していく。
Posted by ブクログ
『イリアス』と並ぶホメロスの大叙事詩。下巻ではオデュッセウスのイタケ帰還から大団円まで(第十三歌~第二十四歌)を収録する。上巻で多く含まれていた神話的要素は薄れ、下巻では専ら求婚者たちに対するオデュッセウスの報復が描かれる。
オデュッセイアを通読して思ったのは、オデュッセウスは女神に愛されてこその英雄なのだという事である。オデュッセウスは女神アテナから様々な恩恵を受ける(それこそ知恵や策略といったものから、美貌や背丈といったものまで)。あまりに女神からの恩恵が多いが故に、オデュッセウス自身の武功がやや霞んでしまうほどであった(無論、彼が人に長たる能力を持つ人物である事は否定しないが)。
また、「美貌」や「背丈」といったものまで与えるというギリシャ神話の神々の姿も驚きであった。
Posted by ブクログ
オデュッセイア下巻、期待通りにすごくエンタメしてて面白かった。乞食老人の身なりをして我が家に潜伏して、居座って財産を食いつぶしている奴らを息子とともに成敗・皆殺しするまでのハラハラわくわく感、20年越しの妻や父親、召使いたちとの感動の再会の細やかな描写などすごく手が込んでいる。
自分に群がっていた迷惑な求婚者どもの死体の中で血にまみれて雄々しく立つ旦那様を見たら奥様も心温まる想いをなさるでしょう、と語る乳母とか、減った家畜はまたどこかから略奪してくればいい!と明るく語るオデュッセウスなど当時のなかなかハードな価値観も垣間見えるのだが、それも含めて楽しかった。
Posted by ブクログ
トロイア戦争から二十年もの歳月を懸けて祖国へ
神の思し召しとはいえ凄い執念だし奥方のペネロペイアの主人のイタケ王への愛の想いの深さを
よく感じました。
上巻は航路の災厄に揉まれ数々の島に流れ着いて争い事が起こったり怪物や女神が住み着いていたりあるいはもてなしを受けたり様々な祖国へ帰路に着くまでの波乱万事な物語。
下巻は祖国へ着き、国王と悟られずに神の計らいで身を紛し皇后に身を寄せてくる不当な求婚者らを打ち負かす物語。
ギリシア最古の叙事詩と難しいのかと読んでみたけど注解もあり読者への語りかける様な文体で
少し言い回しが少し要所要所長くも感じたけど、読みやすくファンタジー性や倫理性にも富んでいて面白かったです。