【感想・ネタバレ】天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替のレビュー

あらすじ

神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いかに日本書紀が作り話であるかを検証した本。といっても、日本書紀を万世一系の根拠とすることに疑問を呈しているのであって、日本書紀の価値を否定しているわけではない。
中国の歴史書や書記編纂当時の日本の状況などを引き比べながら、内容をひとつひとつ検証していておもしろかった。

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。
戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。
本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。
律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。

[ 目次 ]
序章 万世一系と王朝交替と
1 律令制国家と天皇―その誕生の物語(イワレヒコの東征―神武天皇;神々のむすめとの蜜月―綏靖天皇~開化天皇(欠史八代)
ハツクニシラス天皇―崇神天皇・垂仁天皇
疾風、ヤマトタケル―景行天皇・成務天皇
皇后、海をわたる―仲哀天皇・神功皇后
胎中天皇の栄え―応神天皇)
2 中国的王朝―その興亡の物語(恋する聖天子―仁徳天皇;反乱、また反乱―履中・反正・允恭・安康天皇;大いに悪しき天皇―雄略天皇;繰り返される断絶と再生―清寧・顕宗・仁賢・武烈天皇)
終章 再び、万世一系と王朝交替と

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[ 参考となる書評 ]

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2011年04月06日

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結論は終章

終章から読むことをお勧めします。結論がそこにあり、それ以外は結論を強化する部分です。
古代天皇が実在したか?という質問に、それに答えることの意味を見出せないという点に共感しました。ときの国家が国書を編纂し、そこには当事者にとって一見不都合とも思える記述を記す?否、不都合だと感じることが現代の価値観に縛られている証拠だと本書は論じていると思う。国書=自国の正統性の主張に他ならない、との観念に従えば、その含意を読み解ける。本書の主張が証明される日が来るといい。

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2021年12月26日

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