あらすじ
図を多用し、その仕組みをたとえを使いながら見せることに重点を置いています。
著者が選んだ基準は、(1)インターネットでメールやブラウザを利用する一般ユーザーの日常のコンピュータで使われていること、(2)特定の状況や高度のソフトウェアだけに使えるものは除くこと、(3)基本的にコンピュータ・サイエンスの理論に基づくこと、です。
扱っている9のアルゴリズムのテーマは、検索エンジンのインデクシング、ページランク、公開鍵暗号、誤り訂正符号、パターン認識、データ圧縮、データベース、デジタル署名、計算不能性。
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Posted by ブクログ
日常的に利用されている有用なアルゴリズムや簡単なコンピュータ科学について、誰でも理解できるように書かれた本。
全体的に読みやすく面白かったが、公開鍵暗号・デジタル署名の部分に関しては、サイモン・シンの説明の方が複雑である代わりにストーリー性が感じられたため、読み物として優れていると感じた。本業かそうでないかの違いだろうか。
本書内で扱っている、アルゴリズムやコンピュータ科学に関する話題は次の通りである。
1.検索エンジンのマッチング・ランキングに関するトリック。主なものを挙げると、メタワードトリック、ハイパーリンクトリック、オーソリティトリック、ランダムサーファートリック。
2.公開鍵暗号、デジタル署名に関するトリック。
3.誤り訂正符号、データ圧縮に関するトリック。反復トリック、冗長性トリック、チェックサムトリック、ピンポイントトリック、ロス無し圧縮、ロスあり圧縮など。
4.パターン認識に関するトリック。最近傍法、決定木、ニューラルネットワークなど。
5.データベースの一貫性に関するトリック。to-doリストトリック、「準備してからコミット」トリック、仮想テーブルトリックなど。
6.決定不能性について。クラッシュ検出プログラムの不可能性についてなど。
7.今後有望なアルゴリズムについての簡単な紹介。