あらすじ
創業以来54年間黒字の京セラ。その京セラ、KDDIで売り上げ5兆円、雇用9万人以上を創出。そして日本航空の「奇跡の再建」……。「最強経営者」稲盛和夫の経営哲学の決定版。ミリオンセラー『生き方』の著者による4年ぶりの書き下ろし。
著者は、いまの日本人に必要なのは強い闘争心「燃える闘魂」を持つことだと言う。二次破綻必至といわれた日本航空が再建を果たしたように、国民の「心を変える」ことで、日本再生も可能だと説いている。
その可愛らしくもスルドイ眼差しが森羅万象を見つめる魅惑のエッセー集。
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Posted by ブクログ
チェック項目11箇所。いまの日本に必要なのは、この「負けてたまるか」という強い思い、いわば「燃える闘魂」である、戦後の経営者たちはみんな、「なにくそ、負けてたまるか」と闘魂を燃やし、互いに競い合い、切磋琢磨しながら、日本経済を活性化してきた。強い「思い」のベースにあったのは、何としても従業員を守らなくてはならない、また日本経済を再生する一助になろうという純粋な「思い」であった。八、燃える闘魂 経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要。ビジネスの世界で勝つには、「何がなんでも」という気迫で、なりふり構わず突き進んでいくガッツ、闘魂がまずは必要である、「燃える闘魂」をたぎらせ、誰にも負けない努力をした者が生き残り、闘魂なき者、努力しなかった者は絶えていくしかないのである。自分が定めた目標を何がなんでも達成することが「燃える闘魂」のひとつであるとすれば、それは、マラソンなど自分に勝つことが求められるスポーツの世界に似ている。不況はつらく、苦しいものであるが、それを次の飛躍へのステップとしていかなくてはならない、それには、不況が厳しければ厳しいほど、闘魂をたぎらせ、明るくポジティブな態度で、全員一丸となって創意工夫を重ね、努力を傾けて難局を乗り切っていくことこそが大切である。まず不況のときこそ、従業員との絆を強める絶好のチャンスである、本当に苦楽をともにできる人間関係、職場風土ができているのか。「燃える闘魂」をもってビジネスを積極的に推進するが、「世のため人のため」という高萬な精神がベースにあることで、永続して事業を継続し、成功に導いていくことができる。わたしは、経営における判断基準とは、「人間として何が正しいのか」という問いに集約されるものと考えている、「人間として何が正しいのか」と問い、おのずから導かれる答えを、ただひたすらに貫いていくこと、それがわたしの判断基準であり、京セラではそれを「フィロソフィ」として、全従業員で共有すべく努めてきた。日本には潜在的な力が十分にある、ただ、その力が発揮されるような国民の意識のあり方や、社会の仕組みが欠落していただけのことである、そのため、われわれは迷走し、「失われた二十年」をたどることになった。わたしは日本航空を再建させることには、次のような三つの大きな意義、大義があると考えた、一つには、日本経済への影響である、二つには、日本航空に残された社員たちの雇用を守るということがある、三つには利用者である国民の利便性を確保するためである。わたしは、日本経済はいまこそ価値観の転換をはからねばならないと考えている、再び経済を活性化させ、「富国」を目指すとしても、新しい考え方をもって、新しいあり方を模索しなければならない。
Posted by ブクログ
「アントニオ猪木でしょ!」というツッコミを取り消さざるをえないほど、著者の経営と日本に対する真摯な想いがヒシヒシと伝わってくる。
人として正しいことに向けて愚直に、たゆまぬ闘志をもって徳を貫いていく。
本物で勝負ができる日本人の精神性への言及に勇気づけられた。
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