あらすじ
絹子は娘・麻沙子の説得にも応じず、ドナウの終点、黒海まで行くと言い張る。絹子の若い愛人・長瀬の旅の目的に不安を感じた麻沙子とシギィは、二人に同行することにした。東西3000キロ、七ヶ国にまたがるドナウの流れに沿って二組の旅は続く。様々な人たちとの出逢い、そして別れ――。母と娘それぞれの、年齢を超えた愛と、国籍を超えた愛を、繊細な筆致で描き上げた人生のロマン。
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Posted by ブクログ
主人公4人を軸とし、その他脇役の人々の心情や背景が丁寧に描かれ、一人一人の人生はまるでドナウ河のようだと思わせた。
絹子には最後まで嫌悪感を拭いきれなかったが、彼女は最も身勝手で最も幸福な人生を歩んだのだろう。
シギィとペーター2人の王子様争いが見たかったなと思った。
Posted by ブクログ
4人でドナウの先までついにたどり着いた!途中からもしや…と予感していた絹子の死がやはり起こってしまって切なかったが、やはり年齢差や借金や不倫?である2人が結ばれるにはこんな結末しかないのかもしれない。
それにしても人間のあらゆる感情を見ることができたし、物語は壮大でロマンチックで、読み応えがあった。共産主義圏や普段なかなか行けない国の更に田舎の村の人たち、なぜか皆温かく、人間は世界中同じ生き物なんだなぁなんて当たり前のことを思ったりした。ドナウ河に沿った旅をするなんて、どう考えても金銭面や時間や言葉や…ハードルが多くてなかなか現実にはできないことだけど、そんな美しい旅をいつかしてみたいものだと思う。心の琴線に触れるなにかを感じたい。
Posted by ブクログ
半年にわたる長旅が、ついに終わってしまいました。
麻沙子が母を追いかけドイツまでやってきてから、もうこんなに長い時間が経っていたのですね。
本を読みながら私も一緒にドナウ河を旅した気分になりましたが、その土地その土地で出会った人々の人柄にとても心温まりました。
旅先の素敵な出会いに乾杯!
東欧の共産主義事情も初めて知りました。
ちょいと怖いなぁと思いましたが、ブダペストに行ってみたくなりました。
どの街も素敵なんですけどね!
最後は、ただただスリナの朝日を見ていたい…。そんな思いに駆られました。
半年間、本当に色々なことがありましたが、この朝日をみるべく旅をしていたような気がします。
絹子の死は呆気なかったけれど、悲しいというより美しいなぁという余韻が残りました。
なんだか、長いようで短い旅でした。感慨深いです。
旅って、いいなぁ。
Posted by ブクログ
ドナウ河に沿って旅を続ける
街並みや人との出会い
どれも旅先ならではの出来事
日常であり非日常
途中まではとても好きだった
最後の
結末の部分は別のかたちがよかった
個人的な意見ではあるが
Posted by ブクログ
一言でいうと、長かったぁ・・・。
物語の本筋以外の、旅の情景描写が作者本位というか、細かすぎてかえって想像しにくくてきちんと読み込もうとするタイプの私にはたびたび苦痛に思えてしまった。
とても美しい表現なのだけど、それがじゃまでいまいち物語に入り込めないというか・・・。
ストーリーの運びは、時々ミステリーの要素が入っていて、予想外にドキドキさせられたりして面白みがあったけど、このミステリーじたての部分の結末も、この物語自体の結末も、なんとも言い難い・・・これでよかったのかな?という感じ。
小説全てに、主題があるとは思っていないけれど、こういう結末は好きではないなぁと思ったり。
名作としての評判は古くから耳にしていた分、期待が大きすぎたのか、残念な感じに終わった。
何せ読み終わったときにまず思ったことが「あぁやっと終わった~、次にいける~」だったから。