【感想・ネタバレ】温室デイズのレビュー

あらすじ

みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これも中学生のときに国語科の先生にオススメされた1冊。

宮前中学は荒れていた。不良たちが我が物顔で廊下を闊歩し、学校の窓も一通り割られてしまっている。教師への暴力は日常茶飯事だ。三年生のみちると優子は、それぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。

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2025年07月06日

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ネタバレ

第一章はみちるがいじめに加担してしまった後悔とまた新たにいじめが始まるかもしれない予感で包まれていましたね。一章ではいじめが始まる予感程度だったが、第二章からは本格的にいじめが始まるようになってしまいました。しかも、「このままではダメだ」と訴えたみちるがいじめられるようになってしまった。事態が深刻さを増していく章だったように思えます。第三章はみちるがいじめに心が折れ、学校に行くのをやめそうになる話でしたが、父親に頼っていいことを学んだ彼女は、学校に通い続けて戦うことを決意する流れが綺麗でした。第四章は、優子が教室ではない場所に身を置いて、安全な場所で過ごす上で感じた怠惰な気持ちが描写されていました。生きているのに生きていない感覚。時間を無駄にしている感覚。「このままじゃダメだ」と奮起するまでの流れが綺麗にまとまっていたと思います。最終章は少しだけ前向きになったみちるが瞬に向き合ったり、斉藤君が頼れる仲間を作っていたり、優子が変わろうとしている瞬の背中を押すようになったりと、完全にいじめがなくなったわけではないけれど、良い兆しが見えて物語が終わったことが良かったです。立ち向かう勇気と強さを兼ね備えたみちるや人の弱さに寄り添おうとする優子の真っ直ぐさが心に沁みる物語でした。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄惨ないじめに遭う女子中学生が主人公。
学級崩壊と置かれた状況から安全地帯を望む生徒、敢えてその場にとどまる生徒。それぞれの立場から物語が進むのが面白かった。
保健室登校やフリースクールが温室。どんないじめがあっても義務教育機関は温室かもしれないと主人公は言う。社会はもっと厳しいと。
大人が頼りにならない絶望的な状況で自分で自分を守ろうとする逞しい子供たちであった。
先生は子供たちをまもってほしい。

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2024年05月22日

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ネタバレ

自分が小学校、高校の頃のを思い出した。小学校のみちると私はとても似ていたと思う。

ただ、中学校のみちると私は比べものにならなかった。みちるの芯の強さと青さがとてもまぶしかった。

温室デイズのモラトリアム期間に戻れるのなら私はいったい何をするのか、ということをみちると優子と瞬に自分を重ね合わせて考えた。

世の中どこもこんな感じで、落ちれば落ちるところまで落ちるし、人は流される生き物なんだけど、そんな世の中でもちょっとしたことの救いはあるんだよと言いたいのではないかと思った。

最後、瞬がみちるを迎えに行くのがとても好き。

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2024年01月26日

ネタバレ 購入済み

温室って、そういうことなのね。

ある意味温室、だけど中はぬるすぎて腐ってしまっている。温度設定を間違えると、育つものも育たない。でも、生物は強い。それなりに、順応する。どの子もそれなりに強い。それなりに悩む。そんな自分をやめたいと悩む。これじゃダメって、みんなわかってるのに。温室を出たみんながどうなるのかと、余韻が残る。

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2022年07月14日

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ネタバレ

昔読んだ記憶があったものを再読。味わい深い作品でした。

自分は基本的に「なるようになれ」なので優子タイプ。ただ、無駄に正義感がつよいみちるのようなタイプも必要。知り合いが不登校になったら、学校が荒れたら、自分はどうすべきなのか。考えさせられました。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みちるが吉川に言ったセリフ、これは私も思っていたし、先生たちに心に刻んでほしい。 
「学校なんて休めばいいって、どうして?
だって、私何も悪いことしてないんだよ。
病気にもなってない。なのに、どうして教室に行くの、放棄しなくちゃいけないの?
どうして普通に教室に行けないの?」

現実はみちるのように強い子はほとんどいないと思うし、つらかったら優子のように逃げていいと思う。というか、現実的には精神的な疲労で逃げるしかないくらいまで追い込まれていると思う。

でも、いじめられた方が逃げればいいっていう風潮はおかしい。本来ならばいじめる方が悪いし、排除されるべき。
いじめられても頑張って学校に通う子が苦しむなんておかしいと思う。
そういう子のためにいじめっ子に闘う先生達が本書を読んで1人でも増えてほしい。

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たしかに世間はもっと厳しいけれど、教室という狭い世界もまた厳しい。
温室だけど温室じゃない、そんな日々を描いた話。

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2024年03月20日

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