【感想・ネタバレ】秒速5センチメートル(2)のレビュー

あらすじ

奇跡のような初恋は、人生を照らす灯りとなり、時に歩みを縛る鎖となり、記憶から消えることはない。そうして大人になった二人は今、東京にいる。「どうか、どうか、好きなあの人がずっと幸せでいますように」――運命的な出会い、幼い恋。ただ一度の奇跡が二人を縛る。君を捜し続けて、僕は大人になった。桜の季節に始まった恋が今、完結する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1巻に引き続き、社会人になってから付き合った彼女(水野理紗)とのエピソードなど、映画のアニメーションでは無かった描写が加えられてて補完されてる感じ。

切なすぎて気付いたら涙が出てた。
印象的なセリフが多かったのでそれを読んだときに考えたことを。

理紗が貴樹に告げた言葉
「今の私は…幸せを願うことはできても
幸せにはしてあげられない」

女性が付き合ってる男性と別れる決心をする気持ちをすごく表してる気がした。そしてその後に続くのが

「だけどいつかまた違う形で出会って
全然違うお互いがいて新しい何かが始まったらいいな
約束じゃなくていつかまた
そう願ってもいいかな?」

という言葉なんだけど、正直以前の自分なら、だったら付き合ってればいいじゃん、という感想を持ったと思う。
だけど、この状況が“好きだけど別れる”ってやつなのか…と少しだけ理解できるようにはなったのかもしれない。


結婚を機に上京する明里が電車の中で昔を思い出して
“私はちゃんと思い出にできたよね?
ただ ただ あなたの幸福だけを祈れるぐらいに”

特に女性だったら、この言葉にもの凄く共感するのだと思うのだけど、どうしてこういう考え方になるのかイマイチ納得できない自分がいる。
いや、たぶん上の「〜幸せにはしてあげられない」と通じる部分があるのかもしれないけれど。

たしかに貴樹は女々しいんだと思う。
でもそれは、不器用だけど純粋な部分があることの裏返しなはずだから、好感持てるかな。どちらかというと。そして、どうにもならない気持ちをどう自分で処理したらいいか分からないんじゃないかって。
まぁただもうちょっとやりようはあったんじゃないかとは思うけどね。

そして、最終話に入る前の最後のシーン。
たぶんこれが事実上、貴樹が主人公の話の最後だと思うのだけど…
子供の明里が手を振ってるシーンの意味って、きっと明里がさよならを言ってるんじゃなくて、あの頃に縛られたままの貴樹がやっと明里とのことを思い出にできた、卒業できたってことなのかなぁと思った。

それに加えて、アニメーション本編や、監督のインタビューで語られた内容、秒速5センチメートルSpecial Edition(YouTubeで見られるやつ)からもいろいろ総合して考えた。
監督のインタビューでは、人の思いや気持ちは時と共に移り変わってしまう、それはどうしようもないこと、と答えてたのだけど…
『絶対に揺るがない何か』はちゃんと存在してて、それは大切に思う人と過ごした過去そのものなんだ。ってことなのかなぁと。
一緒に過ごした時間は確かで、それは絶対に揺るがなくて、今現在の気持ちとか感情とかと関係無く、その時抱いていた気持ちはいつまでも忘れずに心の中で温めていていいんじゃない?
というメッセージのように感じた。
これが、この作品を通して抱いた感想ということになるのかな。

でも、まだ自分の中で決着着いてない部分もあり…小説版も読む必要がありそう。

0
2011年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1巻を読んで、あまりにも続きが気になったので買ってきちゃいました。

1巻を読んでの予想では、大学に入ってから小学生の頃の地元(豪徳寺)を歩いていると、二人が偶然すれ違って・・・的なハッピーエンドになると思ってました。

でも、実際はそんなことなくて、思ってたよりずっと切ない感じでした。

遠野も明里も大人になっていって、遠野は誰と付き合っても心の片隅で明里を探し続けてて、明里はしっかりと自分の足で歩いていって遠野の事を大切な思い出としてこれからも生きていく。

遠野が過去の恋愛を引きずってて悪いってわけじゃなくて、だからと言って明里が悪いってわけでも無くて。

自然な事なんだと思うけど・・・


2人のお互いに宛てて書いた手紙には相手への純粋な好きという気持ちが書いてあったのに、それを渡せなかった為に結ばれなかったんだと思う。

読めば読むほど、お互いの好きという気持ちが痛いほど分かって、それと共にどうしようもないくらい切なくなった。

こんなに感動した本は久しぶりだと思う。

全体としてみればこんな恋愛の話はこの世の中そこらじゅうにあると思うけど、ここまで感動出来たのはセリフと、繊細で絶妙な心理描写だと思う。

是非とも作画の清家雪子さんは注目したいと思う。

そして、恋がしたくなった。

0
2011年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第1巻がフリになっている第2巻の「社会人編」は、日常を過ごしていても、
未だに奥底で引き摺る青春の記憶によって、社会で思うように上手くいかず、
心が消耗していく様子が描かれている。
主人公の時折見せる疲れた様子や、寂しげな様子が印象的で、
何をしている時も、誰と接している時も、普通を振舞いつつ空虚
な感じが、孤独な共感を抱かせる。
思い出の相手のスッキリした現状との対比が、「時の経過」という当たり前のラグを表している。
そして、思い出と今の二人が交わる最後のワンシーンは切なくも美しい。

漫画オリジナルの後日談は、もう1つの物語の結末になっている。
こちらは切なさよりも、思い出から現実に踏み出す一歩が爽やかに感じた。
社会で押し潰されそうに過ごしている人、かつての青春を忘れきれていない人、
どこか人と距離を置いて接している人、
甘酸っぱくも切ない物語を読みたい人にオススメ。

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2011年06月26日

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