【感想・ネタバレ】天領の鷹 下のレビュー

あらすじ

飛騨屋は天領の鷹じゃ。
鷹はここと見定めたときは迷わず飛ぶ――。
偉大な先人の跡継ぎたちは、己に与えられた役目に辿り着く。

遥か遠く離れた故郷と家族を思いながら、
ひたむきに北の山に生きた人々を描く傑作長編。


豊かな森に。穏やかな海に。
父たちの思いは息づいている。

飛騨から蝦夷を目指した初代・久兵衛。見事な湊を整えた二代目・久蔵。だが、久蔵の急逝により跡を継いだ三代目・亀之助は、わずか六歳だった。本店がある飛騨で長じた亀之助は、一日も早く蝦夷へ行きたくてたまらない。気が急く一方、かつて足を傷めたせいで、杣たちと山を歩くことはできない身だった。「飛騨屋」を見守る法師・東嶺に背を押され蝦夷行きを決意すると、なすべき務めを探し始める――。
蝦夷一の材木商「飛騨屋」の長き旅路を活写する歴史絵巻、堂々完結!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

飛騨屋四代の、人物としての書き分けは明確にしていない。むしろ代ごとの役割を自覚させる描写が印象に残る。
人の世の苦労より、山に対する辛抱の中に身を置きたいんだと言う四代目の言葉が沁みる。
ところでなぜタイトルは天領の鷹なのだろう?天領というところに飛騨屋として誇りを持っているわけではないと感じたが・・・この天とは幕府ではなく、文字通りの「天」なのかもしれない。

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2026年07月09日

Posted by ブクログ

苦難の続く「飛騨屋」
1789年の「クナシリ・メナシの戦い」は合計71人もの和人たちが殺害され
殺害に関わったアイヌ37人は斬首。
アイヌと飛騨屋の関係は良好だとばかり思っていた。
上に立つ者が最大の配慮を持っても、はみ出す者はいる。
綺麗事だけでは済まないのだろう。
松前藩と飛騨屋の確執は続き、理不尽な藩に腹が立つ。
4代目は蝦夷を引き払い下呂へ戻る。

下呂温泉 臨済宗妙心寺派 温泉寺のHPを読むと
〈栄華と衰退の両方を知る益郷は、その陰に失われた多くの人命に対し、
供養も怠りませんでした。父親である3代目倍安と共に、
臨済宗中興の祖と仰がれる白隠禅師や、弟子の東嶺禅師に深く帰依し、
松前・大畑をはじめ静岡県三島市「龍沢寺」や、
京都・紫野「大徳寺」などに供養の跡が残されています〉

本作も村木嵐さんの筆致にグイグイ引き込まれた。

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2026年07月04日

Posted by ブクログ

飛騨から蝦夷へ渡った材木商飛騨屋の四代百余年を描いた大河小説。上下巻合わせて600ページ超ですが各代で違う問題にぶつかり悪戦苦闘するので物語が単調になったり弛んだりすることがなく、史実と創作のその織り合わせの丹念さはまさに労作と呼ぶに相応しいものでした。目先の利益だけを追うことはせず必要な分の木を伐り、同時に山が未来へ続くよう自分たちで苗も植える。そんな杣たちの生き方を写したかのような飛騨屋主人たちの人との関わり方は読んでいてとても気持ちがよく、また胸に迫る場面も何度もありました。掛け値なしに読んで良かった素晴らしい小説でした。

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2026年05月02日

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