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飛騨屋は天領の鷹じゃ。
鷹はここと見定めたときは迷わず飛ぶ――。
偉大な先人の跡継ぎたちは、己に与えられた役目に辿り着く。
遥か遠く離れた故郷と家族を思いながら、
ひたむきに北の山に生きた人々を描く傑作長編。
豊かな森に。穏やかな海に。
父たちの思いは息づいている。
飛騨から蝦夷を目指した初代・久兵衛。見事な湊を整えた二代目・久蔵。だが、久蔵の急逝により跡を継いだ三代目・亀之助は、わずか六歳だった。本店がある飛騨で長じた亀之助は、一日も早く蝦夷へ行きたくてたまらない。気が急く一方、かつて足を傷めたせいで、杣たちと山を歩くことはできない身だった。「飛騨屋」を見守る法師・東嶺に背を押され蝦夷行きを決意すると、なすべき務めを探し始める――。
蝦夷一の材木商「飛騨屋」の長き旅路を活写する歴史絵巻、堂々完結!
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Posted by ブクログ
苦難の続く「飛騨屋」
1789年の「クナシリ・メナシの戦い」は合計71人もの和人たちが殺害され
殺害に関わったアイヌ37人は斬首。
アイヌと飛騨屋の関係は良好だとばかり思っていた。
上に立つ者が最大の配慮を持っても、はみ出す者はいる。
綺麗事だけでは済まないのだろう。
松前藩と飛騨屋の確執は続き、理不尽な藩に腹が立つ。
4代目は蝦夷を引き払い下呂へ戻る。
下呂温泉 臨済宗妙心寺派 温泉寺のHPを読むと
〈栄華と衰退の両方を知る益郷は、その陰に失われた多くの人命に対し、
供養も怠りませんでした。父親である3代目倍安と共に、
臨済宗中興の祖と仰がれる白隠禅師や、弟子の東嶺禅師に深く帰依し、
松前・大畑をはじめ静岡県三島市「龍沢寺」や、
京都・紫野「大徳寺」などに供養の跡が残されています〉
本作も村木嵐さんの筆致にグイグイ引き込まれた。
Posted by ブクログ
江戸時代の蝦夷の場所請負商人飛騨屋4代の歴史小説下巻。
2代目の死から3代目の怒り、4代目の絶望が描かれています。
松前藩がひどすぎるのは歴史物語の定番ではあるが、クナシリ・メナシの戦いに関しては当主たちの考えはともかく、現場が悲惨だったことは事実であろうし、物語の中でも久次郎が後悔するほど対応できたいなかったと思われるので、結局社員に対するガバナンスが効いていないと会社がダメになる典型だと思いました。
ただ、当主たちの思想は崇高で、4代目も下呂に帰ってから30年くらいかけて借財を返済したらしいので、その点は評価されてもよいと思いました。
近場の立派な歴史人物を知れて著者には感謝です。
また、この武川久兵衛家は現代も続いているそうです。
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