あらすじ
嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける。二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。『虚貌』でしか生きられなかった犯人、その苦悩を理解し追い詰める刑事。…連続殺人事件の果てにあった哀しい真実とは? それぞれの人生が交錯するクライマックスまで、一瞬たりとも目が離せない。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
上巻からの続き。
事件の加害者たちが次々と殺されていくなかで浮かび上がった容疑者。刑事の滝中はその人物がどうしても容疑者とは思えない。自身の身体も思うように動かず、また、娘の朱音ことも気がかりだ。
解説で福井晴敏さんが語る冒頭に張られた伏線。それは彼の言葉が真実であることの裏付けになっていたのかと読後にわかった。
犯人・・・思ってた人じゃなかったのでビックリ(笑)
また読みたい。
Posted by ブクログ
面白かった!
やっぱり単独犯ではないのだろうけど、どんな風に共謀していったか…とか諸々??はあるのだけど。
守年の目線から事件を見たら、十分納得。
久しぶりに夢中になって読んだ。
雫井脩介さんは、これで2つめ。これから色々読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける―。二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。癌に侵されてゆく老刑事は、この事件を最後と決意して命懸けの捜査に乗り出した…。それぞれの人生が交錯するクライマックスまで、一瞬たりとも目が離せない!これがエンターテインメント小説の最前線だ。
最後は頭の中がこんがらがってしまった。本物そっくりって・・・そんなマスクは実際に出来るのか?という疑問は置いておいて、犯人の苦しい人生を思うとつい応援してしまった。
しかし、刑事の娘はいい年していったい何を考えているんだ?熱中症?
Posted by ブクログ
下巻に入って、犯人を追い詰める描写が
増えてくるのだが、
解説で福井晴敏が触れているように
まあ確かにエッという気持ちもないではない。
これは成立するのかと。
でも、読みどころはそこじゃないので、
大して気にならなかったけど、
突っ込む人は突っ込むだろう。
畳み掛ける終盤からラストは圧巻でした。
Posted by ブクログ
2024年13冊目。北見先生が下巻でもよく出てくるのでなんでだろうと思ったらこういうことか。伏線ありましたもんね。
最後の、警察手帳がなくなったとか、人間の顔の相違がわからなかったとか、結末を合わせるためとしか言いようない気がしたかな。とはいえ、後半はスピード感があり、いろんな人間模様が明るみに出、一気読みでした。リベンジは良くない。けど、被害者の被害内容、その後の人生などを勘案すると一概に批判ができない。それと、自分が先に行くと思っていたのに、考えもしなかった人が先に行ってしまと言うのは忍びなかったな。
Posted by ブクログ
なるほど。
犯人が用いた特殊な手法が徐々に明らかになり、後半になると誰が犯人なのか、そしてタイトルの虚貌の意味も腑に落ちるようになる。
例の手法が有りか無しか議論が分かれるところでしょうが、それが無ければこの作品自体が成立しないので、わたしは有りだと思います。
小説なので固いこと言わずに楽しんだ者勝です。
Posted by ブクログ
途中で犯人とそのトリックが予測できたけれど、それを踏まえても読み応えがあり満足。
殺人の手段はかなり惨く、想像しただけでも吐き気を覚えるようなものですが、犯人が心の底まで鬼と化していないことが唯一の救いでしょうか。
怖いけれど、温もりを感じることもできました。
Posted by ブクログ
虚貌が何を指し示すか、が徐々に明らかになっていく下巻。
全体的にさりげないミスリードと、丁寧な伏線の回収があり読み応えのある一冊だと感じた。
捜査線上の犯人像の不整合は、既成概念に捉われているから。
犯行は必然なのか偶然なのか。
トリックについては是非が分かれたと後書きで知ったが、個人的にはアリ。
羊たちの沈黙のアンソニーホプキンスが思い浮かんだ。
Posted by ブクログ
上で色んな人が出てくるの珍しいなと思ったら、そういうことか〜!やられた!
犯罪小説でこの手法は賛否あったみたいだけど、雫井さん本当に面白いもの書くなぁ。
Posted by ブクログ
それは惨たらしい放火殺人事件から始まった。
両親は殺害され、姉は下半身付随、風呂場に逃げ込んだ弟はガソリンをかけられて顔を失った。
21年の時を経てあきらかになっていく事実。
冒頭の放火のシーン、特にまだ幼かった弟への容赦ない暴力。
私はこの子と同じ頃、自宅の風呂で大火傷を負いしばらく入院していた時期がある。
小学生ながら瞬時に顔だけは庇い無事だった。
自分の不注意を責め泣いていた母の顔も、皮膚の溶ける痛みもはっきりと記憶している程で、読んでいても身体が痛くなるようで、辛かった。
顔を失った弟が大人になるまでの長い年月を思うとラストは切なすぎた。
Posted by ブクログ
ミステリーな部分はまぁある程度
中盤から犯人も分かってくるし
トリックも納得って感じだけど
守年の生き様みたいなものに惹かれて
どんどん読み進めていった。
それぞれがもつ顔へのコンプレックスの部分なども
この本の面白さだと思った。
Posted by ブクログ
上巻の勢いから一気読み。ミステリーのトリックとしてはチョット反則だけど、それを差し引いても十分面白かった。前半の容疑者から後半の容疑者への転換はお見事。
ただ、最後の「俺はやってない」の台詞が意味不明。3兄弟が真犯人かもって曖昧さを残したかったのか?
Posted by ブクログ
「虚貌(下)」
クライマックスは川で。
序盤からテンポがどんどん上がっていき、ラストまで駆け抜けていく。クライマックスの川辺のシーンとショウさん追悼のための鮎釣りシーンがハイライトで、真犯人の心情と描写が秀逸。
二十一年前の美濃加茂事件の加害者の内、ヤク中の坂井田、暴力団の時山が殺され、現場から荒の指紋が見つかり、荒を本ボシとして動くモリさん・辻コンビ。しかし、荒と共に追っていた山田裕二と思しき死体が発見され、更にボスのショウさんにアクシデントが発生する。
一方で結局ヌード写真を了承した朱音は、同僚とも険悪になり、更にヌード写真を見て自分がどんな表情で撮られていたかを目の当たりにする。それをきっかけに自らの顔を醜いと思い込む様になる。更に朱音はヌードをきっかけに整形するよう社長に勧められる。
刑事小説路線も朱音の物語も一気に加速して、最終的には2つは同じところに行き着く。どちらともに重要な存在はモリさんだ。癌に侵され闘病中だった彼は、美濃加茂事件を完全に終わらせる為、命をかけて盟友シュウさん率いる現場に舞い戻る。そして見えてくるのは、驚くべき真実。
そんなモリさんは父の姿も見せる。現役時代のモリさんは、朱音の世話は亡き妻に任せっきりだった。その上に朱音の芸能界入りは反対だった為、彼女との関係修復から始まる(とは言ってもひどく悪い関係ではない)。そこから病にかかり、自らを見失い、そして湯本に依存する朱音を助けようとする。この時は、刑事ではなく父だった。
モリさんは、美濃加茂事件の重さ、シュウさんとの絆、そして娘の為に命をかけて真犯人を追うのだ。そして全てを終える。かっこよかった。
Posted by ブクログ
なるほど、だから「虚貌」か。
あり得ない話は好きじゃないんだけどなぁ。
でもこの話は「そういうことは置いといて・・・」と言いたくなる感じだ。それぞれの人物について細かく書かれているから、感情移入もしちゃうし。
Posted by ブクログ
さすが雫井さん。結構ありえない展開の話ではあるが、細かいディテールのせいか、グイグイ読ませる。頭にラスト付近の河原のシーンが映像として焼き付いてしまっている。
Posted by ブクログ
虚貌キョボウ
嘘偽り、顔のつくり=本当の自分は出さずに、いろんな人物になりすまして生きてきた犯人
まず、登場人物が多く、かつ彼ら一人一人に細かなストーリーと情報があり、何に関係があるのだろうと思う描写が多かった。最初のうちはどの様に話が進むのかも読めなかった。
いざ事件が発生し、犯人たちの服役も終わり、20年を超え、その犯人たちを復讐して行くのは圧巻だった。ただし犯人が誰かはわからなかった。
最終的にはまさかあの人がとは思ったが、そうで合ってほしくないとも思っている。
最後はどんなトリックだったのか種明かしが欲しいなと思う作品だった。
読み終わると題名の意味がわかります。
Posted by ブクログ
末期癌と宣告された刑事や、芸能生活に疲れたその刑事の娘などがでてくるので、若干鬱々とした雰囲気が作品全体に漂うものの、面白くはあった。作品のトリック自体がミステリー的に面白くないという意見があるらしいが、顔と心の関係について興味深いものがあったし、そちらのほうが寧ろメインの話のように感じたので、私は全然気にならなかった。
Posted by ブクログ
上下巻で読みごたえたっぷり。
色んな登場人物の目線で物語が進む形で、上巻の半分ぐらいまでコロコロ視点が変わって誰が主役か分からず「???」でした
Posted by ブクログ
なんだかさみしい終わり方だったなあと思う。
朱音は死ぬ必要あったのかしら。
人の顔をなかなか覚えられない人っていうのは大変だろう。警察としては結構致命的よね。
それにしても雫井さんは、色んなタイプの話を書くなあ。
Posted by ブクログ
下巻に入ってから物語が急速に進む。ただ,犯人の容貌のトリックがイマイチでリアリティに欠けていて一歩引いて見ちゃう感じになってしまったのが残念。でも,キャラクター設定とかトリック以外のストーリーは入り込みやすく,どんどん読める雫井節が感じられて良かった。
Posted by ブクログ
面白かった。
ミステリーとしては、ちょっといまいちでしたが、エンターテイメントとしては楽しめました。
本題の虚貌とある通り、本書のテーマは「顔」にまつわる物語。
「顔」にもつコンプレックスや思いがあちこちに散りばめられています。
人はそれぞれ仮面をまとっている。そんなところが根幹にある物語です。
そして、いよいよ下巻です。
滝中の娘は、事務所の社長から整形手術を強制され、そこから逃げ出します。
彼女の心が壊れていくところが怖い。
さらに、自分の付き合っている男が21年前の事件の共犯者の一人と知ってしまいます。
一方で、捜査を進めていくうちに、見つかった荒の死体。
誰が荒を殺したのか?
一連の殺人事件の犯人は誰か?
そして、いよいよ、犯人らしき人が明らかになりますが、その殺人のトリックというかネタがミステリーではちょっと禁じ手(笑)
ちょっとそれは無いのでは?
そして、その犯人は最終的に目的を達成するという事になります。
そして、ラストの展開へ...
この展開はちょっと切ない。
下巻では、仮面というかたちで顔が語られます。
ということで、ミステリーとしては、そりゃないよね。っていうところがありますが、エンターテイメントとしてはとても楽しめる物語でした。
お勧め!
Posted by ブクログ
(上巻からの続き)非常にテンポがよく、どんどん読ませる惹き付け力はあるのだけれど、おそらく多くの読者が思ったであろう「このトリックいいの?」感がなんとも。トリックがわかったからといって減速するわけではなくやはり読み進めてしまうのだけれど、うーん、これだとどんな犯罪も可能になってしまうよなぁーと。
ただ、これは犯人やトリック探しのストーリーではなく、犯人の心の闇深さや強い動機をこのような形で描いたものだと考えればありかな。
どう考えても警察はもっと早くにこの犯人にたどり着いて然るべきだと思うし、犯人の最後の台詞も謎ではあるけれど、最後まで読んだ上で上巻の最初に戻ると非常に切ない気持ちになりそうなので、ミステリーというよりヒューマンドラマ(というには強烈ではあるけれど)としてとらえたいと思うし、あえてこのタイトルなのも、作者がこのトリックを堂々と使っているという証なのかとは思う。でも、やはり気持ちにしこりが残る感じ。
Posted by ブクログ
久々に入りこんだ!!内容的には、嘘ぉーーー!と、いうのもありましたが、うん、まぁ、確かにルパン風といえば言えなくもないかな?
人物描写がかなり細かくて、その人となりの雰囲気やら見た目などが浮き彫りになり、まるで身近な人間の話のような臨場感。
これは著者の腕によるものだろうなぁ。
ラストもなんとも言えないラストでしたが、とにかく人物描写に感嘆です!!!!
久々にミステリー!!楽しみました!!!!!
Posted by ブクログ
嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける―。二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。癌に侵されてゆく老刑事は、この事件を最後と決意して命懸けの捜査に乗り出した…。それぞれの人生が交錯するクライマックスまで、一瞬たりとも目が離せない!これがエンターテインメント小説の最前線だ
Posted by ブクログ
んー、確かにトリックのあたりでかなりしらーっとした空気が流れ出したよね。カウンセラーについてもちょっと強引だと思うし、ラストの捨て台詞も納得がいかない。。。途中まで一気に夢中で読んだだけに残念。