あらすじ
聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりの上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉【このは】。彼に惹かれ、勢いで文芸部に入部してしまった菜乃だったが、心葉の胸には既にひとりの“文学少女”が宿っていた。まるで相手にされず、落ち込む菜乃。けれど、彼女がある事件に巻き込まれ、追い詰められたとき、心葉は告げる。「気づかないふりも、目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ」――文学初心者の少女が物語に隠された真実を探す、もうひとつの“文学少女”の物語!!
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Posted by ブクログ
井上心葉の周りに集まる女の子は一癖ないと駄目という縛りでもあるのか?と思うような新ヒロイン、文学少女見習い菜乃ちゃんが遂に登場ですね。
この初戀、ただ登場人物達だけを見つめると登場人物全員難あり…擁護したくてもあまりできないのでは?と思ってしまうほど問題児が多いような気がします。でも、そんな登場人物を憎ませたり過度な悪役に仕立てるわけでもなく、ひとりひとりが歩んできた人生をしっかり感じさせる丁寧に織られた反物のような濃密な文章で、誰のことも嫌いになれないのが野村先生の凄いところだと思います。
貝殻のシーン、耐えきれずボロ泣きでした。和くんだって悪いのに、彼を責めてバカにするような気持ちは1mmも沸き立つこともなく。まだまだ大人と子供の狭間でもがく臆病な高校生にできる大切な恋人へ贈る精一杯の愛し方と守り方を見た気がして苦しいです。
複雑な気持ちで読み終わりました、苦しい。
Posted by ブクログ
久しぶりに読み返した作品。
学生の頃読んだ時は、まだまだ菜乃ちゃんの良さが分かってなかった。
菜乃ちゃんが朱里さんに一生懸命じぶんの「近松論」を語っているところは、新たな文学少女って感じ。
遠子先輩と同じく、どうしようもなく暗い現実も明るく照らそうとしてくれて…。
読んでるこっちまで、勇気を貰いました。
Posted by ブクログ
久しぶりの文学少女シリーズ!
やっぱりいいなぁ!
古典文学や名作と呼ばれた本をよみたくなりますね!
今回は近松門左衛門の「曽根崎心中」がテーマになっています。
愛し合った二人は優しくない現実にも負けたけど、自分の心にも負けたんです!
という菜乃ちゃんの言葉に胸を撃たれました。
生きていたらきっとまた幸せになれるかもしれないから!
私はハッピーエンドを信じます!
って明るく前向きに語った菜乃ちゃん。
この作品は読み終わった後、優しい気持ちになれて、明日への希望に満ちていく明るい気分にしてくれる所がお気に入りです。
Posted by ブクログ
見習い①。
コノハに一目惚れした1年生の菜乃が文芸部に入って猛烈アタックをしつつ、
菜乃がお題の曽根崎心中を調べてる中で知り合った中で知り合った人の事件に巻き込まれる話。
菜乃の友達の瞳ちゃんの
「やめなよ、他に好きな人がいる男なんて」
「平気なの?そんなに冷たくされて、全然見込みがないのに側にいて、辛くないの?」
というセリフは、この先の展開を知ってると友達を心配する言葉以外に受け取れる。
トラウマを克服し、先輩が卒業して後輩が入ったことでコノハくんが成長したようで。
全然似てないのに遠子先輩を思わせる行動を微妙にする菜乃とコノハがどう成長していくのか楽しみです。
あと、ラストでコノハが菜乃を嫌うのは納得はできるけども、事件解決に協力しておきながら唐突すぎて驚いた。