あらすじ
大学生の友部は、社会民俗学の嘉形教授の依頼で、夏休みのあいだ山奥の村に滞在し、ラジオ番組に投稿された実話怪談の整理を行うことになった。注意点は二つ、昭和三十年代に一家惨殺事件が起きた家に滞在すること。その土地の水やそこでとれた食物を口にしないこと。何度返しても戻ってくる石、社(やしろ)を護る白い着物姿の子供、鳴り止まぬ羽音……整理を続けるうち、友部はこの村に隠されたおぞましい真実に迫っていく。日本ホラー小説大賞出身作家、初の本格ホラー長編。
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Posted by ブクログ
実話怪談や民俗学ホラーが好きな人は好きだと思う。
考えれば考えるほどこわい話なのだけれども、主人公がどこか超然として言いつけを守っているので、怖さが和らいでいる。そこが読みやすくしていると思う。これで主人公が平気で現地のものを飲み食いしたりゴリゴリに怪異に巻き込まれていたら死ぬほど怖かったな…
一見関係ない、数々の実話怪談がじわじわと繋がって言って、じわじわとこちらに迫ってくる。この実話怪談自体もめっちゃ面白いのがすごいのだよな。
Posted by ブクログ
求めていた村怖だった。
じわじわと見えてくる真実、閉塞感、逃げ場のない焦燥感…でも淡々としている主人公。
そして終息へ…はじまり?いや地続きではある。
個人的には本当に面白かった。
でも最後まで読んで気分が悪くなる人も多いと思う。
カバーの絵と、本体の絵の違いの意味は、この後の物語はどうなるんだろう…
悲しい悔しいという気持ち、余韻はすごくあるのにスッキリする後味。
Posted by ブクログ
一気二度読みでした。
帯に「村ホラー」ってありますけど、確かに怖い話ではあるんですけど、タチの良いホラーというか、きちんとオチがついてます。「あ、そうなのね。だからなのね。」って納得できる。にこ的には、表紙の自転車に二人乗りしてるカップル?の未来を祝福したくなるような、読後感爽やかです。その分、ってわけでもないでしょうけど、「村」の過去というか秘密というか、けっこうエグいです。そりゃ、祟られるわ。私でも呪うわ、って納得できるかんじ。この村の秘密が徐々に明かされていく過程とか、バイト代につられて「村」に来てしまう主人公とか、設定に無理がなく、非常に面白く読めました。オススメです。
あと、2か所ほど、誤植を見つけてしまった。
Posted by ブクログ
おー面白い先が気になる!と一気に読み進め、
ヨリが村の男達にされてきた事を知ったら一気に胸糞でテンションだだ下がり
最低な男達が呪われて一生苦しむなりすれば、少しは気が晴れたのに、、
相関図ほしい、、何だかこんがらがってきて、不気味さよりややこしさが勝って後半失速したものの、久しぶりに嫌な怖さを味わえたので満足
Posted by ブクログ
先日読んだホラー小説はそこまで怖くなかったけれど、こちらの方が自分にも起こりえそうだからか、久しぶりに夜道が怖かった。
何となく嫌な予感がすることが続き、腹の奥からゾッとする感覚が好み。
第二章 禍の山が一番好き。気づかなかった伏線がいくつもあって何度も読み返した。
読後感も良いような、悪いような、なんとも言えない感じで良かった。
主人公:友部清玄(ともべきよはる)が最後に村の少女:佳月を連れ出しても、彼にとって明るい未来が待っているとは思えない。
夢の通りに動くべきである・相手に自分の情報を与えない、というのは胸に刻みたい。
Posted by ブクログ
とても読みやすく、没入しやすくサクサク読めて満足!!
曰く付きの家に住んでラジオ番組に投稿されたものを、その家のある村に関わるものとそうでないものにを仕分けるバイト。その間水も食料もその土地のものは口にしてはいけない。
途中まで、「近畿地方のある場所について」を読んだときのような、それぞれのエピソードの共通点や出てくる不審な踊りの描写にゾワゾワしていました。
だって絶対このあと主人公の身に起きるじゃん、何ならもう起きてるよね、この音というか声というか…。
でも真相が見えてきてからは、主人公!やってしまえーー!!!と言う気持ちに。
現実でやられてしまうと、私たちみんな巻き添えなんでしょうけど。
でもそのくらいには胸糞悪い事を女性に対して行ってきていた村。
そして主人公の父親と継母の主人公に対する態度。何でこんなやつらと結婚したり親友だったりしたんだ、お母さんは…。
主人公の心を慮ると継母からの代理返信でこんな世界無くなってしまえ、思い知れという気持ちは仕方ないよな、と思う。
結果、ざまあみろという気持ちとともに、傷ついた主人公や教授、村長の娘や、もう亡くなっているけどヨリや登代子に幸せになってほしかった…。
でもホラーだもん。そんなほんわかした終わりになるわけないね。
Posted by ブクログ
最近、怪談のような短編をいくつも含む形の作品を読んでいて、これもそのうちの一つでしたが、一つ一つの話が面白くて怖かった。
あらゆる厄災から逃れている奇跡の村の正体……こわ。こわ。
あの六部は泊めてくれた恩義と言いつつ、悪魔の化身かいな。バカー!
あんな村は滅ぶべし。
稲子のばあちゃんが、村人みんなに死相が出てるとご乱心してたので、きっと滅ぶのでしょう。
最後の方で友部が佳月ちゃんとチューした時に唇が塩辛かった、とあったので、あ、これはこの村のものを口にしてしまったのでは、と思った。
下した決断も、その影響が少なからずあったのかな。
Posted by ブクログ
夏休みにおいしい条件のバイトに釣られて住み込みで働く事になった主人公が、怪談的な話を収集させられるという話で、おいしい話には裏が有るという王道的な教訓を描いている。
色んな怪談が登場するので飽きさせないし、関連性を追っていくとある真相にたどり着くというのは「近畿地方のある場所で」を思い起こさせる。これは絶対映画化しそう。
Posted by ブクログ
民俗学ベースのホラーミステリーといった感じ。
割りのいいバイトに行っただけのはずだった主人公は、結局、自分の心に溜まっていた暗い面を引きづり出され、地獄の釜の蓋を解き放つ役目を負わされてしまった。
ホラーではあるがすべては人がなしたことであり、人怖な作品だった。
八方塞がりで希望の見えない貧しい村に生まれた村人たち。そこに与えられた悪魔の囁き。でも村人にとっては今の環境を抜け出すための蜘蛛の糸。人は自分のためにここまで誰かを蹂躙できるのか。
しかし誰かを踏み台にして得た安寧は続かず、積もり積もった憎悪は解き放たれてしまい、これからどんな災厄がもたらされるのか。
とは言え、今いる人たちではなく、そんな無碍なことをした当時の人たちにこそ同じ苦しみを味わわせてほしい…。。
Posted by ブクログ
ものすごく好みな感じで入っていったのだけど、最後で少し失速してしまった。
教授が世界もろとも死のうと思ってるのはわかったが、もしかしてヨリが中途半端な災害とかなら余計辛くない?と思ったりした
呪いの部分はとてもえげつない。