あらすじ
ストレーガ賞W受賞の傑作ヒューマンドラマ。
遠くへ去った親友。傷を抱えた娘。あのときなぜ私は…。
語り手の後悔とレジリエンスの物語に心揺さぶられた。
――中島京子さん(作家)
奪われた尊厳を、私たちの手に取り戻す。
襲いかかる不条理に対し、女性たちが自分らしく息ができる場所を探していく、静かで峻烈な抵抗の物語。
――辻愛沙子さん(株式会社arca CEO | Creative Director)
こんな物語に出くわすから読書はやめられないのだ。
この一作から世界文学の広さと大きさを思い知り、胸が震えた。
――間室道子さん(書評家、代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ)
イタリア文学賞の最高峰ストレーガ賞+同賞ヤング部門賞W受賞!
ルチアは故郷の山間の町に暮らしている。夫は単身赴任で家を出たままで、老父が暮らす近所の実家を時々訪れる日々。都市封鎖でミラノの大学から戻ってきた娘は部屋に引き籠もったままだ。ある日、ルチアは父親から土地を継げと持ちかけられる。その土地はかつて、今も町に影を落とす忌まわしい事件が起きた場所だった。ルチアは封印していた記憶と向き合うことに――。
すべての人間の弱さを力強く描いた、感動の人生賛歌。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『戻ってきた娘』もよかったが、これもよかった。愛憎こもごもが入り混じった母と娘(或いは父と娘)の複雑な感情のひだを、それはもう丁寧に掬い上げる。
Posted by ブクログ
私はイタリアに行ったことはないけれど、頭の中で出来上がったイタリアの田舎の自然は美しかったし、パニーレや、イタリアの車、ナポリの方言など、物語の構成要素によって、イタリアに浸ることが出来た。住居の共有スペースにある中庭で友達とご飯だなんて、本当に素敵!
文章も美しく、心が満たされた。訳者さんも素晴らしいと思う。
“それから数週間というもの、アマンダは寝てばかりだった。昼に眠る娘と夜に眠る私。さながら梟と雲雀だ。おなじ空間で交代に暮らし、ときには衝突もした。
正午近くなると、私は娘を起こさなければという衝動に駆られた。彼女の部屋の前まで行っては、まるで家じゅうの汚れがそこの廊下に集中しているとでもいうかのように、執拗に掃除機をかけた。そんなことをしても無駄だとわかっていたが、フルパワーの掃除機の騒音が、眠っている彼女に、瞼や部屋の外には春の光が、生命があふれていることを思い出させてくれるかもしれないと思ったからだ。“
終わり方も良かったな。
続きが気になって、すぐ読み終わった。