あらすじ
警官の尾崎は三年前の光景を映す右眼を持っているが、捜査に不正の疑いありと告発され、監察から出頭を命じられる。窮地に陥る尾崎の前に、かつて地下鉄内で起きた無差別殺人の再捜査に協力すれば、告発を見逃すと持ち掛ける男が現れ……。証拠能力のない特殊設定を地道な検証で圧倒する、比類なき警察小説、待望の第二弾!
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3年前の人生
ある事故により失明した右目に再び光がよみがえった時「今立っている場所での3年前の景色が視えるようになった」という特殊設定のなかを物語はゆっくりリアルに進みます。ある刑事が感情的になる場面で物語は停滞してじれったくなります。じれったく感じさせるのは物語に魅力があるからです。
ですからテンポが合わないなどと読むのを止めないで最後まで読むと、しっかり着地していて、深く考えさせらることに気づかされると思います。
解決部分では多くの登場人物が説明づけられていきますが最後のカナリアだけは(ほんの一部だけ)読者の判断に任せられます。
2、3年時間をあけて新しい気持ちで読み返してみたくなる作品です! 主要人物たちが女性である事も本書の味になっています。前著の「キツネ狩り」は後から読んでも大丈夫ではあります。