あらすじ
もしも借金が返せないのならば、約束通り貴方のその体から1ポンドの肉を切りとらせろ――。ユダヤ人の金貸しシャイロックがアントーニオに要求した証文が現実となった。それに対してヴェニスの法廷が下した驚くべき判決とは? そして裁判官の正体は? 商業都市ヴェニスとロマンティックな愛の町ベルモントを舞台に、お金とセックスの隠喩をちりばめて繰り広げられる、世界で一番有名な喜劇を鮮やかな最新訳でどうぞ。
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Posted by ブクログ
「体からきっかり一ポンド」「好きな部分を切り取る」裁判以外のことはあまり知らずに読んだ。
シャイロックに娘がいたことや、
箱選びの話が挿入されていること等、
知らないことがたくさんあった。
アントーニオの尽くしっぷりが浮いている感じがしたけど、
元ネタではアントーニオ的な人はバサーニオ的な人の養父なのね。
シャイロックがひたすら可哀想。
リアルで周りにいたら絶対敬遠するであろう
バサーニオをどうも憎めないのが不思議。
Posted by ブクログ
シェイクスピアの描く人間模様は 時代を超えてドキッとさせられるところばかりですが、このお話はユダヤ人差別、白人至上主義がいやらしいほど!
ですが、そこは目をつぶってまずはお話の面白さを楽しみました
ヴェニスの商人アントーニオは、財産の全てをいくつもの商船に投資中。
そこへ親友パサーニオがベルモントのポーシャという美しく素晴らしい女性に求婚するため、金を貸してほしいとやってくる。ポーシャは父親からの遺産を相続し、あまたの権力者たちが求婚にやってくる。彼らと渡り合うには財がいるというのだ。
とにかく友情にかけて愛情深いアントーニオは、今は財産は船の上、ひとまず自分の信用のもと、ユダヤ人金貸しのシャイロックから金を借りることにする。保障人がアントーニオと聞いたシャイロックは、これまで受けてきた屈辱を今こそ晴らそうと、違約金代わりにアントーニオの肉1ポンドを切り取ることを条件に貸すという。
ベルモントではポーシャが 亡き父の遺言により金、銀、鉛の箱を求婚者達に選ばせていた。見事正しい箱を選んだパサーニオがポーシャと結ばれる!
ところがヴェニスでは、アントーニオの船がのこらず難破したという噂が流れ、シャイロックはアントーニオの肉1ポンドのために裁判を起こす。
ここにやってくるのがなんと男装し、若き法学者に扮したポーシャ!
と、こんな感じでいろいろ詰め込まれたストーリーなのですが、これが舞台となるときっと観客をひと時たりとも飽きさせないのでしょう
ユダヤ人の祖先は卑しい商売と言われる金貸ししかできなかったという歴史も垣間見ることができる、今となっては文学的な側面が大きい作品でもあるのです。
それもドタバタコメディですからね!すごいな