あらすじ
グアテマラの古都・アンティグアに家と仕事と家族を見つけた年子の弟。ある夏、姉は十三年ぶりに弟一家を訪ねる旅に出た。まばゆい太陽とラテンの文化で、どんどん心身がほぐれていく。そして陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうち心に浮かんだのは、外国を知らずに逝った父、家事にあけくれ続ける母のことだった。旅と家族をめぐる名エッセイ。
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中学以来口をきいたこともないほど疎遠になっていた2歳違いの弟。音信はしばらく途絶えていたが、地球の裏側にいることが判明。どうやら家族もいるらしい。その弟の状況を見にグアテマラまでゆくことになる。
最初の頃は国際電話でしかコンタクトできなかったのに、ファックスやインターネットなど通信手段の進歩につれて、ふたりの心理的距離もどんどん縮まってゆく。やがて日本の家族とグアテマラの家族のご対面、その交流のエピソードがおもしろい。
『わたしのマトカ』はフィンランド一色だったが、本書は中米グアテマラ一色。すっかり現地の色に染まった片桐はいりが目に浮かぶ。
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その国がどんな所なのかを知らなくても、その土地まで連れて行ってくれるのが片桐はいりさんの文章の魅力。(「わたしのマトカ」ではフィンランドに連れて行ってくれた。)
淡々とした文章の中に「えっ!結構な事件‥だよね!?」と読み返してしまう程のやらかしエピソードがあって、面白かった。寝る前に読んでいたらそのエピソードが夢にまで出てきたので、そのくらい没入感のあるエッセイだったと思う。
グアテマラで出会う人々との関係性に心が温かくなるシーンもあり、片桐はいりさんのエッセイをもっともっともーっと読みたくなった。
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一度見たら忘れない癖のある女優片桐はいり。その弟がグアテマラに住み着いた。兄弟仲がいいわけではなかったが、まばゆいラテンの文化、陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうちにほぐれていく。
はいりさんご家族の魅力とグアテマラの魅力が詰まっている。18あるエッセイの中で特に鮫とシエスタ、トイレとロダン、物乞いとアミーゴの3つがお気に入り
(グアテマラの弟
旅行先のふらりと入った古本屋で民族感のあるかわいらしい外装とタイトルで手に取った一冊。
中央アメリカのメキシコの下の国。コーヒー豆?くらいしかなじみがない名前。
人との距離、昼寝シエスタの仕方、挨拶、知り合いとの近さ、温泉の入り方、現地のコーヒーは実はまずいこと。
大らかな温かい生活が目に浮かぶ。
鮫とシエスタがいい。家事に鮫のように動き回る母親の背中に向かって話しかける。どうすれば後ろ姿の人に手短に、面白く、インパクト強く伝わるか
美味しいごはんさえ作れれば、人生のたいていの問題は解決できる
ご馳走をたいらげ、甘い甘いデザートをいただいて、みんなでゆっくりとタバコを喫う。その後、皿を片付けることすらなく、即刻お休みなさいになる。シエスタである。こちらの人たちがなによりも大切にする、パブリックなお昼寝の時間。瞬時を争ってベッドに急ぐ。
トイレとロダン。お手伝いさん。夕食のお皿を洗うだけの人、洗濯物にアイロンをかけるだけの人、など。少しでもお金に余裕があれば溜め込まずに人に使う。少しでもやってもらえる仕事があれば、溜め込まずに人に回す。彼らは何やら少ないお金と仕事をみんなで分け合っているようだ。
物乞いとアミーゴ
弟は町中の人と友達であるように思われます。路上の物乞いの名士たちの写真を集めて飾ったバーもあるくらい。そんな彼にからかい声をかける弟の嫁、それに罵り言葉で応戦する物乞い。こんな彼ら多様。アミーゴ。遠慮ない関わり。)
おもしろい
フィンランドの方を読んで、作者さんのシュールなワードセンスに魅せられてこちらも即購入。一時期は同じ屋根の下にいても何の会話もなかった姉弟が、弟の生活するグアテマラへ足を運び、弟も家族に会いに日本に帰ったり、お互いに寄り添う姿がよかった。はいりさんの書いた他のエッセイも読んでみたい。
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片桐はいりさんが書くグアテマラ、とってもとっても魅力的だった。
グアテマラに住む弟の家に滞在していたためか、毎日の生活や目線がグアテマラの人たちと同じで、それがとてもおもしろい。“観光”では分からないであろうことが、たくさんつまっている。目に見える異文化はもちろん、心で感じる異文化まで描かれているのだ。さらにこれらのエピソード素材に、片桐さんのもつユーモアや人間性も相まって、よりおもしろさが加算されている。なんでも楽しんでなんでも愛する片桐さんだからこそ、これが書けるのだと思う。とんでもなく強い読み物だ。
良い事よりも、悪い事の方がニュースになりやすく、どうしても日本に伝わるグアテマラの情報は災害などの悪い事が多い。この本のように明るい話が日本語の活字になるということは、グアテマラに住んでいる日本人としては大変うれしいことだ。
ー解説 グアテマラの弟 より
これには何度も頷いてしまった。世に出るニュースは国レベルのことが多く、変なバイアスがかかっていることも否めない。こういう、ひとりひとりのキャラクターが分かるくらいミクロのグアテマラを知ることができて、わたしもうれしい。そして、ぜひ自分でもグアテマラを訪れたい、と思った。
読みやすい
片桐はいりさんのエッセイ好きです。読みやすくて、はいりさんの可愛らしい一面が見られたり、はいりさんの目線で見る人や旅はとても魅力的です
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軽い小説を読むより遥かに面白くドラマティック。異国の馴染めない部分も認めつつ、それでもやっぱりその国の文化への好奇心が溢れ、飛び込んで行き、言葉の壁も超えていつの間にか一緒にタバコをふかし仲良く酒を飲んでいる。
弟さんの能力色々凄い。
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演劇のコーナーにあった。が、演劇の話ではない。
役者の書いたエッセイだからその分類になったんだろうが、異文化間コミュニケーションと家族のドラマをつづったエッセイ。
独特なセンスの語り口で、読みながら何度も思わず笑い声が漏れてしまう。
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また面白い本に出会ってしまった!
これだから読書はやめられない。
俳優片桐はいりさんの旅行記。中南米グアテマラに移住した弟さんを訪ねて行った時の体験記です♪
まずはいりさんの現地の人とのやり取りや観察眼が素晴らしい!
それとユーモアたっぷりに紡ぎ出される文章。読みやすくて優しくてとても好き♪
出張の移動が最も癒される私にとって、旅心をくすぐるどころか爆発させる刺激となりました。
あー、旅に出たい!
オススメです!
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やっぱりはいりさんのクスッとする文章、好きです。
あとがきが、本編に関係する知り合いなのもとてもいい。今回は弟さん、「わたしのマトカ」は現地コーディネーターのヒルトネンさんだった
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メキシコで読み直すと、わかるわかる!というかんじ。本は読むタイミングや場所によってまったく異なる読書体験になるのだな、と再認識できた。
目に浮かぶイメージがよりクリアで、リアル。
土地や空気がカラッと乾いているかんじ、日差しの強さ、目に飛び込んでくるカラフルな建物や民族衣装etc。
ペトラさんの、「人生はあまりにも苦いから、せめてコーヒーだけは甘くするのよ」という一言、人生の名言では?
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片桐はいりさんがこれほどまでの文筆家とは知らず、正直仰け反った。余りにも読ませる力があるのでフェルナンド小とのやりとりや、グアテマラに別れを告げる場面、亡き父親の思い出等思わず熱い涙がこぼれるほどだった。『そのたばこ、あたしのと交換しない?』酒とタバコを酌み交わす海外ナンパ術を披露するあたり、かなり外交的で肉食系でカッコイイ女。勝手に『かもめ食堂』の役柄のイメージのままで読み出したので良い意味で覆された。御本人の知的でアツくカッコイイ内面に触れつつ、グアテマラ旅行が出来る本。スゴい。
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タイトルに惹かれて読んだ。
想像以上に面白かった。グアテマラに住む一時疎遠になっていた弟家族を訪ねる旅のエッセイである。家族のこと、食べ物に対する執着心、グアテマラの治安、人間関係などについて綴られている。ちょっとした旅行気分が味わえた。そして未知の料理煮込みのペピアン、アチョーテ、メレンゲで野菜を揚げたもの、そしてポヨ・カンテーロというプライドキチンなど。どれも美味しそうであった。
治安や経済状態は悪そうだが、あるいはそうだからか人間関係が濃そうで面白そうだった。
わたしのマトカも読んでみたい。
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グアテマラってどこ?
から始まり、読み進めているうちに、あっという間に読み終わってしまいました
グアテマラに住む弟
文化も生活も日本と違って、面白かった
トイレの話は驚いた!
日本と同じこともある。料理が得意な人はモテるし、周りを幸せにできることは一緒だなと思った
Posted by ブクログ
弟さんが移住しなければ、多分一生行くことがなかったろうグアテマラという国に、片桐はいりさんが2回遊びに行った時の話。
弟さん家族と片桐家のの触れ合いや言葉の通じない、文化の全く違うグアテマラでの人との交流や生活が、片桐さんの感性で書かれていてとても面白かった。巻末の弟さんによる解説がついているのも良かったです。
続編出てないのかなぁ。
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この本を読んでみて、エッセイの世界に入り込みグアテマラに行った気分になれた。
それだけ片桐さんの文章の表現力があることなんだなと凄さを感じる。
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単純に、
あー。面白かった!!!
他の本の合間に
病院の待ち時間に
1話ずつ読んでいたけれど
残念。読み終わってしまった…
「美味しいごはんさえ作れれば、人生たいていの問題は解決できる」
「マソメノス マソメノス」
「ポコアポコ ポコアポコ」
「人生はあまりにも苦いから、せめてコーヒーだけは甘くするのよ」
グアテマラねえ
このエッセイを読むまでは、うーん グアテマラねえ、と全く興味もなかったが、このエッセイを読んで興味を持って色々と調べてみた。このエッセイで登場する家族たちは皆個性的でなかなかに面白い。そう思わせている作者の筆力に敬意を表したい。
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グアテマラに住む弟さんにまつわる片桐はいりさんのエッセイ。
小見出しはすべて◯◯と△△というように、
一見関係ないような2つの名詞の組み合わせになっている。
ん?何の話だっけ?と面白おかしい寄り道をしながら、
2つの名詞にきちんとたどり着く。
はいりさん、文章もお上手。
グアテマラのラテン気質の気持ちよさや、
弟さんやその家族の人となりがとても心地よい。
グアテマラに行きたいなぁと、どうしてもなっちゃう1冊。
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俳優・片桐はいりが、実弟とその家族が住む中米グアテマラを訪ねた旅行記であり、家族の物語。
仕事、お金、時間、人間関係、家族の感覚が全く違う日本とグアテマラだが、それぞれの場所で懸命に生きる人々の姿が生き生きと描かれていた。
片桐はいりのサバサバと、でも温かい人柄が表れており、好感が持てた。
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片桐はいりのエッセイ。
この本を読んだら片桐はいりと話してみたくなるし、グアテマラに行きたくなると思う。
片桐はいりさんは演者としてだけではなく言葉でも人に伝えるという事が出来る人なのだと思った。
片桐はいりさんの日常を横で観ているような気持になる本でした。
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ガイドブックなどに載るような
「情報」ではないグアテマラの魅力を感じる一冊
この本のおかげで、グアテマラ、アンティグアに出会い
その魅力に魅せられ
2月にアンティグアへ行ってきます
どんなところか
実際に自分の足でその地を踏み
自分の目で見て、現地の人々の息吹を感じられるのが楽しみ
「わたしのマトカ」に続き
片桐さんの魅力的な文章で綴られる滞在記は
読者をその地へ誘う不思議な力がある
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全く知らないし行こうと思ってなかった国のことを、片桐さんのユニークな表現でとても身近に魅力的に感じることができた。
私も兄がいてだいぶ離れて暮らしているが
なんかほんのちょっとだけ切なくなって
次会った時はもうちょっと話そうと思った
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「わたしのマトカ」よりこっちの方が好きです。よりプライベートな面が垣間見えた気がします。それにしても弟もなかなか吹っ飛んだ人物ですね。グアマテラってこの本読むまで情勢や文化について全く知りませんでした。
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高学歴(大学院まで出た)の弟が世界一周旅行に出掛けたきり日本に帰って来ない!
どうやらグアテマラって国にいるらしい。
既に妻子持ち!?
もう出だしから面白すぎて、あっという間に読み終えてしまった。その間は終始、ラテン音楽の軽快なメロディーが流れているようだった。
確かに衛生面は微妙で、治安も微妙だけれども、笑顔の絶えないコミュニティに飛び込み、目一杯楽しむ筆者の姿が伝わってきた。異文化に敬意を払うことって、まさに筆者のような行動なんだろなあ。
そして読後のコーヒーがとても美味しく感じた。
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女優の片桐はいりさんがグアテマラに住む実弟との出来事を書いたエッセイ。
10年以上前の本なのに全く古さを感じさせない。
メキシコもいいけどグアテマラにも行きたくなった、そんな1冊。
コーヒーに砂糖をたっぷり入れる義妹が、それに顔をしかめるはいりさんに「人生はあまりにも苦いから、せめてコーヒーだけは甘くするのよ」と一言。確かになぁ。
Posted by ブクログ
グアテマラについて知ろう
と、私は今まで思わなかった
やはりコーヒーの生産地のイメージが大きくて、
それ以上もそれ以下もなく、
大きな興味は抱いてもいなかったー
でも、はいりさんが書くグアテマラは
色彩豊かで
人の温かみも感じて
家族のにぎやかさ、近所の人とのやりとり、市場のいい意味でごちゃごちゃした感じ、民族衣装の鮮やかさ、火山や温泉地について、などなど
グアテマラがどんどん私の中で立体的になっていった
はいりさんのすごいと思うところは、
主観で体験談を書いていると思いきや
俯瞰して周りの人の様子まで捉えていること
これは俳優のスキルなのかーー
ますます魅力的な人だ
Posted by ブクログ
星3.5
片桐はいりが、ずっと半分行方不明状態だった弟を訪ねて行った先は、中米のグアテマラの都市アンティグア(世界遺産)だった。
そこで、現地の女性とその連れ子のフェルディナンドと暮らす弟。
一家で営むスペイン語学校にはいろいろな人が出入りしたり、食後必ず取るシエスタ(昼寝)など、日本では味わえないまったりした空気がただよっているのだった。
ずっと音信不通だったのに、父親が病に倒れた後は献身的に看病を続ける弟。グアテマラの人のように、家族を何より大切に思う様子が伝わってきた。
片桐はいりの人柄にも読んだらみな好感を持つだろう。
文庫本の解説をその弟さんが書いているが、それがまたよかった。
Posted by ブクログ
ラジオで紹介されていたからだったか、手に取った。
グアテマラに行ったこともないけど、この本を読んで俄然興味が湧いた。
姉と弟のビミョーな距離感がいい。
Posted by ブクログ
連絡先だけを残してグアテマラに渡り、古都アンティグアで家と仕事と家族を得た、片桐はいりさんの弟さんにまつわるエッセイ。
中米って響きというか、そこに根付くラテンの人々って凄く魅力的なイメージ。
本書に登場するアンティグアの人たちも物凄く魅力的で、特に大と小のフェルナンドが大好き。
それになんと言っても片桐さんのワードチョイスというか、表現の仕方がしっくりきて本当に好きだなーって思う。
グアテマラなんてコーヒーの銘柄くらいの認識だったけど、グアテマラ富士(ボルカン・デ・アグア)や温泉など、日本文化に通ずるところもあって、勝手に親近感が湧いた。
私が中米に足を踏み入れることはあるのだろうか…と思いつつも、パカヤ火山の溶岩の上を歩く体験や、市場でお買い物したり、ティカルを訪れてみたいと思った。
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前作の「わたしのマトカ」に続いて読みました。
グアテマラという中米の国があることを初めて知りました。そこに住む片桐さんの弟さん。寡黙でありながら、おおらかな雰囲気の人であることが伝わってきました。
このおおらかさが、外国で行きていける素質なのかなと思いました。あまり細かいことを気にせず、あるがまま全て良し、という精神を私も学びたいです。
弟さんは大学の夏休みにメキシコから南米に放浪の旅に出かけ、それでグアテマラに出会い、移住までしてしまうのだから素晴らしい行動力だと思います。
自分も外国を旅したらそのような住みたい国が見つかるだろうか、そこはどんな国だろう、と想像したら旅に行ってみたくなります。