あらすじ
グロンギ族と言う名の異形の者たちと、危険を顧みず戦った五代雄介が忽然と姿を消してから13年の月日が経った――。巷では、グロンギの噂が出ては消え、何事もなかったかのように時が流れていた。しかし、未だグロンギを追い続ける一条薫は、ネット上で白い戦士の書き込みを知り、五代の事を思い出していた・・・・・・。
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Posted by ブクログ
一条さんたちはまだしも、妹のみのりとも13年間も音信不通って人間としてどうなのよというツッコミはありつつ、最初から出ずっぱりじゃなく最後の最後でちらっとしか登場しないことで五代の存在感が逆に増していた。アルティメットフォームと同じ手法だな?
願わくば実写化してくれないかな、、、
警察視点の後日譚
TV版クウガから13年後、39歳になった一条刑事を主役としての後日譚。
クウガのメインキャラたちはたいがい出てきます。女刑事となった夏目実加の出番が特に多め。
敵キャラにはクラゲ種怪人、ライオン種怪人が新たに登場。あとバラバもチラッと。
もちろん五代雄介も出るけど、意外と出番少ないなあ。
Posted by ブクログ
クウガのストーリー展開の基本は、やはり知人巡り。
というわけで、『クウガ』13年後の後日譚。
いちファンとして、13年越しに出会う登場人物達の描写にニヤニヤしっぱなしでありました。こうしてみると、平成ライダーとしては脇役の多い作品であったのだなぁと改めて実感。
全然「仮面ライダー」の出てこない展開に、「これでこそクウガ!」と変な安心感を覚えたり。
展開される、新たなる「未確認」事件。
TVシリーズでも、「ゴ怪人編」あたりから「ゲームの法則性」を追ったミステリ展開が描かれることがありましたが、本作ではそれをよりパワーアップした形で描かれます。なかなかにスリリングで戦慄すべき内容であり、中盤の牽引力となっていました。
そして衝撃の終盤、ラストへ。
ここまで読んでみて、「本当に、『クウガ』の続編は必要だったのであろうか?」という疑問が生じる。
本作で描かれていたのは、TV版最終回では描かれなかった、未確認事件によって残された、あまりに深すぎる「傷」の存在だった。
理不尽に家族を奪われた人々の、いまだ癒えぬ心。
事件後も絶えなかった、模倣犯の存在。
そして何より、五代雄介の(13年もの!)失踪によって人々の心に残した大きな穴…
まさに、「こんな奴らのために、これ以上誰かの涙は見たくない!」というような気分になったというのが正直な所であります。
馴染みのキャラとの再開を心から楽しみ、いかにもクウガらしいストーリーをじっくり楽しんだ上で、でもやはり「『クウガ』に続編なんていらんかったんや…」と、黒歴史として本編とは別の所にしまっておきたい、そんな気持ちになる作品でありました。
Posted by ブクログ
読みながら、ン・ダグバ・ゼバとの最後の戦いで、ずっと泣いていた五代君を思い出していました。TVシリーズでは、変身している間、しゃべることのなかった五代君は、あぁして、いつもいつもずっとずっと泣いていたのだと。
五代君をもう戦わせたくない一条さんの気持ちが、とてもとても胸に迫って――戦ってる白のクウガが五代君なのか、五代君はクウガとして出てくるのか、苦しいような……でも、五代君に会いたいような、切ない思いをしながらも、どこか期待しながら…と、複雑な思いを持ちながら、読み進めることになりました。
ラスト、まだすぐには五代君は戻って来れないのかもしれないけれど――きっと、そうやって彼の心の傷が癒え、共に笑顔に慣れる日を願い、待ち続けている人がいるのだと……わかってくれたと思うから。
それがまた彼の傷を癒す力になってくれるのだろうと、心強く感じました。
まさに、読みたかった――仮面ライダークウガの後日談でした。
Posted by ブクログ
オリジナルのTVシリーズ放送終了後、映画化を待望され製作者側も実現を約束したが遂に果たされず今日に至るまで続編らしい続編が存在しなかった今作。
それが13年ぶりにオリジナルの脚本家荒川稔久氏の手によって小説化され、それも現実と同じ様に13年の月日を経た作品世界とくれば、もうファンとしては刊行されただけで感無量といえる代物だろう。
内容としても、当時のテイストはそのままに13年の時を重ねた懐かしの面々の姿がひと通り描写され(蝶野がどうなったのかは気になったけど)、ミステリー仕立ての話運びや荒川氏らしい妙に濃いアイドル描写、セルフパロディなど各方面で楽しませてくれる。
…とまあ。
存在自体奇跡的な作品だし面白いんだけど、基本的に一条さん視点でやってるせいなのか終盤の戦闘描写が駆け足気味なのと、同じく終盤で実加ちゃんの扱いがかませみたいになってしまっているのが個人的に残念だった。
劇中で一条さん自身も悔やんでたけど、実加ちゃんの背負うドラマこそ一条さんがケツを持つ所じゃなかったのかと。
その辺を期待しつつ読んでいたので正直肩透かしを喰らった感は強かった。
とまれ、クウガファンなら一読して損は無いと思う。