【感想・ネタバレ】神の鉄槌のレビュー

あらすじ

22世紀、地球に接近しつつある未知の小惑星が発見された。その後の観測の結果、怖るべき事実が判明、この天体は8カ月後に地球と衝突するというのだ! そうなれば爆発の被害はもとより、粉塵による太陽光の遮断と硝酸雨のため、地球は今後数十年間居住不能な死の星と化してしまう。この危機に際し、最新鋭の宇宙船〈ゴライアス〉は特殊任務を命じられ小惑星へと向かったが……巨匠が満を持して放つ迫真の宇宙SF!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

クラークは昔よく読んだ作家だが、この小説のことは長らく知らなかった。映画「ディープインパクト」の原案とのことで、「悪魔のハンマー」のようなカタストロフィ物を期待して読み始めた。前半はクラークお得意の近未来社会描写の中で、一人の男の努力や挫折が中心に描かれ、「海底牧場」的な感動話になるのかとも思ったが、カタストロフィ物としてはやや緊張感に欠ける。終盤になって彗星の軌道をずらそうとする現場の描写が中心となり、ようやく盛り上がり始める。結局、人類滅亡は免れたが彗星の一部は地球に衝突し多くの人々が犠牲になった。その時の人々の生き様を丹念に描いたのが「悪魔のハンマー」だが、ニーブン&パーネルが1000ページを費やして描写したものをクラークは2、3行ですましたのには笑ってしまった。登場人物は皆善人で自分の命を捨てて地球を守ることに迷いがないのはなんともクラーク的だが、そういった点でも物足りなさを感じる作品だ。

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2025年04月23日

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