あらすじ
「部下の給与を増やせない上司は不要」。
SHIFTの「人的資本経営」のスタンスを象徴するのがこの言葉だ。「給与は人材という資本への投資であって、コストではない」とSHIFTの丹下大社長は断言する。
IT企業でありながら「元警察官だろうがキャバクラだろうが引きこもりだろうが、前職を問わない」採用、「トップガン」と呼ばれる社員の隠れた能力を引き出す仕組み、急成長した社員が稼げば「前年比で600万円の昇給」が当たり前に行われる風土。これらが「上場10年で売上高50倍」という驚異的な数字に結実した。人の能力をとことん引き出し、企業の成長につなげる。丹下社長ら経営陣、そして現場への密着取材で、SHIFTの「究極の人的資本経営」を徹底解剖する。
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Posted by ブクログ
「『給与はコスト』という常識が、実は経営判断の失敗だった件」
日本企業の人事評価が、なぜここまでブラックボックスなのか。その理由を解くカギが、この本に書かれています。
SHIFTが実践する「給与は投資」という選択は、単なる経営方針ではなく、「評価の透明性」という根底的な転換を意味しています。役員が年間1200時間を人事評価に投じる、その狂気じみた実行力は、個人の価値を可視化することで初めて可能になる。
驚くべきは、その結果として「ポテンシャル採用」が成立するということです。キャバクラ勤務者や引きこもり経験者が、なぜ活躍できるのか。その理由は、採用基準ではなく「配置」にあることが、データで証明される。
複雑な経営戦略のように見えて、本質は至ってシンプル。人を信頼するか、疑うか。その選択が、企業の競争力を左右する時代が来ているのです。
人事部門だけでなく、全ビジネスパーソンに読む価値がある一冊。自分の職場の人事評価の構造が、実は「何を優先しているのか」が見えてくるでしょう。