あらすじ
「部下の給与を増やせない上司は不要」。
SHIFTの「人的資本経営」のスタンスを象徴するのがこの言葉だ。「給与は人材という資本への投資であって、コストではない」とSHIFTの丹下大社長は断言する。
IT企業でありながら「元警察官だろうがキャバクラだろうが引きこもりだろうが、前職を問わない」採用、「トップガン」と呼ばれる社員の隠れた能力を引き出す仕組み、急成長した社員が稼げば「前年比で600万円の昇給」が当たり前に行われる風土。これらが「上場10年で売上高50倍」という驚異的な数字に結実した。人の能力をとことん引き出し、企業の成長につなげる。丹下社長ら経営陣、そして現場への密着取材で、SHIFTの「究極の人的資本経営」を徹底解剖する。
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Posted by ブクログ
『SHIFT解剖』は、単なる成長企業分析ではなく、
「労働集約型ビジネスを、どうすれば持続的にスケールさせられるのか」
という問いに、極めて実務的な答えを出している一冊。
SHIFTの本質は
「テスト会社」でも
「IT人材会社」でもなく、
個人の経験・勘・属人性を、徹底的にデータと仕組みに落とし込み、
再現可能な組織能力へ変換する経営にあると感じた。
特に印象に残ったのは、営業・評価・年収に対する考え方。
営業は属人技ではなく、
商談内容を細かくデータ化し、
AIで分析することで「勝ちパターン」を組織に蓄積するもの。
個々の営業の優秀さではなく、
組織として勝ち続ける確率を上げる設計がなされている。
また、評価や年収についても、
社内での相対評価ではなく
「市場から見たときに、その人材はいくらで評価されるのか」
という外部視点を基準にしている点が非常に示唆的だった。
5年後の年収は会社が決めるものではなく、
自分で定義し、
その金額に見合う価値を
「どんな仕事で、どんな成果として出すのか」を
逆算して設計する。
この思想が、
SHIFTの高成長と組織の強さを支えているのだと腹落ちした。
経営者、役員、営業責任者、
そして「個人の力を組織に還元したい人」には
強くおすすめできる一冊。
Posted by ブクログ
未経験の採用
独自のCATというテストで選考を実施
プライベートのことまで把握して評価会議を行っている
どの会社でも仕事の内容はそう変わらない、"誰と、どう仕事をするか"が重要になる
創業者はカリスマであっても独裁者ではいけない
数値で表現できないのは諦め
AIに代替されるようになっても、ラストワンマイルは人の手が必要になる
Posted by ブクログ
人材が根源となるIT企業/コンサルなどのサービス業の人にぜひ読んでほしい本
XでCPA会計学院の国見先生が紹介されていて、気になって読んだ。
会社として適材適所で価値を最大化するための仕組み化が徹底されていて感動した。
最近私も IT業界に少し片足を踏み入れているが、丹下さんが仰る通り、IT業界には上流下流と明確にヒエラルキー的なものがあると感じている。その中で、各フェーズの向き不向きの素質は違う中で、下積みでテストをして開発や設計に駆け上がっていくとか、SEからコンサルに転身するといういわゆるより上流へ登っていく活躍のレールがあることを知ったが、それは果たして、キャリア開発や顧客にとって、あるべき方法なのだろうか?と疑問に思っていたところであった。
この本では、そんな私の疑問や疑念に対して、SHIFTさんの目から鱗の施策がたくさん紹介されており、とても興味深く読ませてもらった。とにかく数値化、データ化。自社開発のタレントマネジメントシステム(と理解)で各社員のデータを450項目集めて、離職防止やモチベーションUPのヒントに。給料は、新規採用コストとの天秤にかけて、市場価値で決める。2:6:2の2の人に(業務外の勉強など)スキルアップを促して、6の人に波及させることを狙い、残り2の人には自己研鑽を強要しない。どうせなら楽しく働いてほしいので、(前時代的な)承認欲求を満たすような社内表彰やイベントもたくさん。etc…
狭い業界でもあるので、いつかSHIFTさんと働くことができる機会に巡り会えたらいいなと思った。
Posted by ブクログ
『人の能力を最大限に発揮させるには、まず環境を整える必要がある』
本書の一文ですが、これを含め、参考にできる考え方に溢れているなと思いました。
圧倒的に考え抜く。業務を分解、分析して標準化する。数値化・計算式化してKPIで考える。そのうえで人が付加価値を出せる領域を見極める。
とても勉強になりました。
Posted by ブクログ
「『給与はコスト』という常識が、実は経営判断の失敗だった件」
日本企業の人事評価が、なぜここまでブラックボックスなのか。その理由を解くカギが、この本に書かれています。
SHIFTが実践する「給与は投資」という選択は、単なる経営方針ではなく、「評価の透明性」という根底的な転換を意味しています。役員が年間1200時間を人事評価に投じる、その狂気じみた実行力は、個人の価値を可視化することで初めて可能になる。
驚くべきは、その結果として「ポテンシャル採用」が成立するということです。キャバクラ勤務者や引きこもり経験者が、なぜ活躍できるのか。その理由は、採用基準ではなく「配置」にあることが、データで証明される。
複雑な経営戦略のように見えて、本質は至ってシンプル。人を信頼するか、疑うか。その選択が、企業の競争力を左右する時代が来ているのです。
人事部門だけでなく、全ビジネスパーソンに読む価値がある一冊。自分の職場の人事評価の構造が、実は「何を優先しているのか」が見えてくるでしょう。
Posted by ブクログ
SNSで紹介されてるのをよく目にしたので購入。
感想。
・面白かった。こういう情報開示はとても貴重。
・SHIFTの丹下社長のビジョンは素晴らしい。
・やや冗長。似た話の繰り返し感を感じて、後半に飽きる。
備忘録。
・CAT検定。SHIFTが独自に開発した入社用の検定。
・インクス。SHIFTの丹下社長やその他キーパーソンの出身元。職人の暗黙知を可視化し、金型をより効率的に作れるようにしたり、テクノロジーを活用してあらゆる製造業の生産工程を標準化・効率化するコンサルティング事業を発展させた実績があるらしい。ブラックボックスをテクノロジーで開放する。
・SHIFTはなぜテスト業務で成長出来たのか。①テスト業務は重要な業務なのに効率的な手法が確立されていたなかった。②人材。システム開発とテスト業務は似て非なる者なのに、一緒くたにされ、新人か。一線級のエンジニアに丸投げされてきた。このブラックボックスを解きほぐし、エンジニアでなくても素養があればできるメソッドをつくり、素養のある人を独自の検定で大量採用してきている。
・丹下社長の狙い。エンジニアの多重下請け構造の打破。同じエンジニアなのに、下請けというだけで給料に大きな格差が生じ、この格差を業界全体が当然に受け入れている状況に我慢がならない、と。
・経営者がやるべきことはただ一つ、「社員が頑張れば頑張るだけ成果が上がる環境を整えること」。なるほど。
・人的資本をLTV(ライフタイムバリュー)という指標で見る。社員が生み出す利益額の期待値で。それへの投資が人的資本の投資だと。LTV=エンジニア人数×在籍期間期待値×「個」の価値創出力。、とか。個の価値創出力は、粗利率やエンジニア単価、顧客満足度とか、各々に合うモノを採用しているようだ。
・テスト業務の知識は必須ではない。業務知識はお客様が圧倒的に持っている。お客様が考えていることを効率の良いシステムに落とし込むところに付加価値がある。コンサルティングの仕事はまさにその典型。顧客から聞き取りしながらプロセスを明らかにし、一つ一つ分解して標準化をしていき、ナレッジをため、どんどん仕組みの精度を上げる。
・低い単価の仕事をしている会社が単価を上げていくことは割とやりやすい。高い単価の仕事をしている会社が単価を下げていくのは難しい。
・面接動画を社内共有して、評価を進めて、採用のリードタイムを短縮。
・採用エージェントをSHIFT推しにする。履歴書チェックの時間をゼロにする。
・縁の下の力持ち賞とか。エントリーは社員が、受賞はマネジメント側が。
Posted by ブクログ
数値化することで、数値に出ない部分も見ていける。
凄い本だった。SHIFTという会社は存じ上げなかったが、なかなかとんでもない会社だということが、読んでいて伝わってきた。
人的資本経営とは言うけど、ここまでやる会社というのもなかなかないと思う反面、やってることは個人的に納得感を伴うものが多かった(著者の視線が良い意味で批判的なのも、良い)。この会社は数値に出ない部分を見てない訳でなく、まず数値化できるところをしっかり定めて、その上で出ない部分を多くの時間をかけて評価していくというのが、特に印象に残った。
著者も書くようにこの会社のやり方は誰にでも真似できるものではないけれど、マネージャーという立場から応用できそうな点はあると感じた。 人を知るということを、サボらないようにしたい。
Posted by ブクログ
最近、その業績アップスピードと独自の企業文化で知名度を急上昇しているSHIFT。経営トップでどのような取り組みがなされていて社員はどのように働いているのか、興味を持った。
丹下社長の「人への興味」極端なまで突出しており、それが今日のSHIFTを創っていることを物語っている。450項目の社員情報収集、年間1000回を超えるイベント、数か月におよぶ評価会議と、経営と社員の圧倒的コミュニケーション量に度肝を抜かれる。ベンチャーフェーズの企業ならまだしも、社員数1.5万人のレベルでもこの取り組み継続・進化できているのは、経営陣の並々ならぬ想いがあるからだろうと思う。面白く、勉強になった。
Posted by ブクログ
急成長を続ける**SHIFT**の人事戦略を、ここまで具体的に覗き込める本は珍しい。
特に印象的なのは、人の評価に「異常」と言っていいほど時間と手間をかけている点である。その積み重ねが、社員一人ひとりの納得感につながり、結果として会社への不満の少なさを生んでいるのだろう。
テストというIT業界では「下流」とされがちな領域から出発し、鮭が川を遡上するように上流工程へと活動範囲を広げていく戦略も象徴的だ。単なる事業拡大ではなく、「ITで何ができるか」を人の成長とともに押し広げてきた軌跡が見える。
人的資本経営が叫ばれる中で、人が資本であるという思想を、理念ではなく実践としてここまで愚直に貫いている企業は稀である。その意味で、SHIFTは非常に希少な存在だと感じた。
Posted by ブクログ
SHIFTがなぜ急拡大できているかがまとまった1冊だが著者の主観入り込みが多く、自己陶酔感がきつかった。SHIFTの存在自体と採用がすごいのは知っていたが詳細は知らなかったので気になって購入してみた。
下記の要素が成功の要因だと理解した。
1. 勝てる市場を見つけたこと
2. 人材への投資
3. 業務内容と報酬を一致させる
そして1-3に共通しているのは徹底した要素分解による仕組み化、数値化。
一方で多くのスタートアップが人材への投資にアクセルを踏んだものの売上がついてこず、散っていっていると思う。そういうわけでもちろん勝てる市場を見つけたから、アクセルが踏めるんだというのはその通りだとは思うんだがとはいえ、やはり同じことをするのは無理ではないかとも思ってしまう。
Posted by ブクログ
SHIFTの採用や人的資本経営について細かく書いてあり非常に興味深い内容となっている。丹下さん以外の重要人物との取材や写真も含まれておりイメージが湧く。できれば社員やメンバーの方々のコメントや取材内容も聞いてみたい。全ての取り組みが丹下さんの目指すあり方に関連するというのは分かった一方で、最終的にこの本は何を伝えたかったのかが少し分かりづらい。丹下さんが目指している下請構造の是正は非常に重要かつチャレンジングな取り組みだと思うので、現構造の何がどう悪いのか、この大きな取り組みの社会意義についてもう少し一般人にわかりやすく説明してから始めても良いかと思う。
Posted by ブクログ
会社の考え方は、十分理解できた。
営業、採用に力を入れている。
階層構造を打破するには正しいアプローチで、誰も出来なかったから、凄いなーと思った。
Posted by ブクログ
人的資本投資=社員の生産性を上げるための先行投資としていかに人をインスパイア(刺激)できるかを重視する。
SHIFTってどういう会社なんだろう?を知るための1冊であり、人がいなければ何も始まらないを熟知している社長だからこそ、社員目線に寄り添うことがいかに大事かを考える。
言うは易く行うは難しだけど、そこをブレさせないことがSHIFTの強みであるとつくづく思った。
Posted by ブクログ
製造業ルーツにIT業界の構造改革を図る
SHIFTが開いた3つのブラックボックス
ルーツ
製造業における属人的な「職人技」を分解し、効率的な仕組みに再構築
>>>2カ月かかる金型を2日で作るプロセスをシステム化
ソフトウエアのテスト業務に適用
>>> 開発とテストの分業化、独自ツールの導入など
人的資本経営に適用
>>> 人材の可視化、能力開発、検定制度など
IT業界の構造改革
>>> エンジニアの育成、多重下請け構造の打破など
部下は評価の場で上長が自分をどうアピールしてくれているのか、年収をどう引き上げてくれるのか「毎回注視している」(SHIFTのある社員)。経営陣の目線も厳しい。プレゼンが曖昧だったり、単に資料を読み上げたりするだけでは、「『ちゃんと部下を見ているのか』と丹下さんに突っ込まれる」(中園部長)。上長は経営層と部下の両方から、給与について相当に強いプレッシャーを感じているのだ。もっとも、成果をあげてもらわなければ部下の給料だって上げられない。「(部下の)成果を上げられないからといってグリグリと責任を追及するような会社ではない。ただプレッシャーは常に働いている」(新井部長)。
AIを活用すれば、レジュメの内容や面接での候補者の発言を参照し、候補者の気持ちをくすぐる通知書を作ることができる。「『あなたの良かったところはここです」とか、『SHIFTはあなたにこんなキャリアパスを用意できます』といった文言があれば、候補者は『ここまで見てくれているのか』と驚いてくれる」(井戸マネージャ 1)。結果、定型文をただ送るのに比べ内定承諾率が5~10%程度高まるという。ただし、ここでもすべてをAI任せにはしておらず、人が最終チェックして通知書を仕上げる。
合理だけでは人は動かないから
「縁の下の力持ち賞」は、SHIFTの人への理解がどういうものかをよく表している。
これまで見てきた通り、成果主義・能力主義を軸にSHIFTは理詰めの人材戦略を展開してきた。2章では「自分の成果を数字で表せないのは諦めだ」という社員のコメントも取り上げた。その徹底ぶりに、「理屈として正しいのだとしても・・・・・・」と、 辟易とした方もきっといると思う。
ではSHIFTは定量的に測れる成果のみで人の価値を判断するような、ある種、 殺伐とした環境を目指しているのか。それはちょっと、というか、かなり違う。もちろん能力と、そしてなにより成果を重視はする。だからといって、可視化された成果ばかりを重視しているかというと、それも違う。
ポイントは、ここで言う成果や能力とは何か、という点にある。2章や3章でも触れた通り、SHIFTは数値化それ自体を目的にしているのではなく、数値化できない部分をはっきりさせるために、数値化を目指す。つまり「社員の価値は数字だけでは示せない」ことをSHIFTは分かっている。
数値で表せないとして、それを「ないもの」として扱っていいわけではない。数値では表せず、結果的に必ずしも人事評価の対象とはならないにしても、模範とすべき行動や役割を示す社員が少なからずいる。自分個人の成果にはつながらなくても、やっていることは目立たなくても、メンバーのために貢献をしている人こそ、実は組織のキーパーソンだったりする。それは多くの人が共感するところではないだろうか。
こうした姿勢や行動をたたえるために「縁の下の力持ち賞」をはじめとするアワードはある。成果を数字で表せる部分についてはどんどん数値化し、客観的に評価すればいい。上からの目線で拾える評価はどんどん拾い上げればいい。ただ数値で見えにくい定性的な行動や、上から目線では見落としがちな姿勢、役割についても人事施策の光を当て、会社として気を配っている姿勢を示す。