あらすじ
相模屋の店先で雪駄が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。そこで相模屋出入りの岡っ引・判次は、穏便に赦免してもらおうと、親分に頼みこんだ。ところが、うまくいかない。単純に見えた事件は意外な展開をみせはじめ、やがて大きな謎が……。直木賞作家の傑作捕物帳。
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Posted by ブクログ
江戸時代、窃盗は重罪で、十両以上の盗みは死罪になった。
しかし人情として、被害者の方も、自分の訴えで人が死罪になるのはあまり気持ちのいいものではないし、仮にそこまでの重罪でなくても奉行所に出向いて時間を拘束されたりするのは面倒なので、被害者の方が「何とか穏便に…」と岡っ引などに金を払って、事なきを得ようとする。
ところが相模屋の雪駄を盗んだ犯人は、その救いを拒むのだ。
なにか割り切れない思いを抱きつつ、通常の手続きで犯人を助五郎親分に任せた半次。
助五郎親分というのがあまり評判の良くない親分で、自分の弟分だった幸太郎が親分にたぶらかされて道を誤っているのではないかと噂が立ったり、幸太郎の兄弟分の常吉が死体で発見されたり、事件は複雑に絡み合って…ちょっと難しかった。
長編だからかな。
江戸時代の説明が丁寧な分、話が複雑になってしまったのだと思う。
とはいえ、半次の周辺の人々にもう少し馴染んできたら、きっと居眠り紋蔵のように楽しく読めると思うので、引き続きシリーズを読み進めることにする。