あらすじ
自分が人間であることを敵味方すべてに欺いたまま、秋津依紗子は画策を巡らせていた。すべては愛しい人──霧沢景介を手に入れるため。 そんな依紗子の目的を知ってか知らずか、供子は彼女に告げる。「世界を歪めているのは、愛だ」と。 叛乱の夜の記憶を思い出してしまった枯葉を励まそうと奮闘する景介だったが、そんな彼らに依紗子と供子が忍び寄る。叛乱の真実、霧沢雅の行方。すべての真実が明かされた時、運命は残酷な牙を剥き──。 恋慕と鮮血の紡ぐ幻想物語、戦慄の第五幕。
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Posted by ブクログ
クライマックス直前のこのスリル感がたまらないです!!
正直、これまでのスリルなんて生ぬるい物だったと思い知らされました。
* * *
愛すること、愛されること。
裏切ること、裏切られること。
利用すること、利用されること。
立ち向かうこと、目をそらすこと。
人間であること、化け物であること。
部外者であること、当事者であること。
結局、人というものは自分が一番可愛いんだ。
* * *
「死」というものは、最高の愛の形だ。
永遠に相手を捕らえることができる。
灰原吉乃は、死んだことで永遠の少女となった。
秋津依紗子は、愛する人に殺されることによって、永遠になろうとした。
世界を歪ませているのは「愛」だ。