あらすじ
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が集められたクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加。映像化企画に関わった映画監督、女優、プロデューサー、編集者、そして熱狂的なファンである漫画家姉妹ら一人ひとりに海上の閉ざされた空間で個別インタビューを行い、過去の事故や事件、謎に包まれた作者・飯合梓についての証言を集める。その結果、複雑な過去や人間関係は明らかになるものの、事実はどんどん曖昧になり、やがて物語は単なる謎解きを超えていく。「これはえらいものを読んでしまった。」(鴻巣友季子氏)。恩田陸の新たなる代表作!
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Posted by ブクログ
すごく面白かった。恩田陸さんの本は独特な世界観で物語の中の空気感も好きです。上下巻と分かれてる少し長めのお話でしたが、スッと物語の中に入っていけたのであっという間に読めました。
下巻のみんなそれぞれのインタビュー形式の場面では読者の前にそれぞれの人物がいて語ってくれているみたいでした。
自分の中で気になった文章書きます。
P11
【肉体関係を持とうが持つまいが、他人は他人である。むしろ、他人でない人間と肉体関係を持つのはまずい。肉体関係は、あくまでも「他人」と持つべきもの。なのに、なぜ関係を持ったとたんに「他人ではない」ということになるのか】
P156
【世の中には、全く言葉の噛み合わない、何を言っても根本的に話の通じない、どうしようもなく「違う」タイプの人間がいる。家族だからって、必ず理解しあえるとか、共通点があるとは限らない。】
P205
【真実があるのは、虚構の中だけだ。もっと正確に言えば、虚構のなかには、真実に触れられる瞬間がある】
P228
【結局、人は自分が読みたいようにしか読まない。逆にいうと、自分の知識と経験の範囲内でしか読めない。だから、皆が同じテキストを読んでいても、必ずしも同じものを読んでいるわけじゃない。】
Posted by ブクログ
いろんな意味で『恩田陸』作品だった。物語をめぐる物語。
とりとめのない会話とか、飛びまくるやりとりとか。
閉鎖的な場所での息が詰まるような生活とか。
そして、例によって終わりはモヤモヤする。
私はそんな恩田陸が好きだからいいけど。
古い映画や俳優さんが見え隠れするのも通常運転。
恩田作品が好きならば、お勧め。