あらすじ
気象庁と民間気象会社の予報の食い違いから、少女集団遭難という前代未聞の悲劇が発生する。天候が急変した山中に少女と共に失踪した官僚は、同僚の水鏡瑞樹に謎の書類を預けていた。新進の民間気象会社の驚異的な予報的中率のからくりとは? 人命さえ軽んじる霞が関の巨悪に、文科省ヒラ職員が立ち向かう!
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Posted by ブクログ
【天気よりも読みづらいヒトの心】
気象庁と民間気象予報会社の予報が食い違う。その予報を信じて登山した非行更生プロジェクトの中学生たちは集団遭難に巻き込まれてしまう。さらに瑞稀の上司は失踪し、保護者たちは損害賠償請求を起こすなど、事態は複雑さを増していく――。
民間気象予報会社の予報的中率の裏側に迫る今作。まぁ大前提の女子少年院の中学生たちに登山をさせて更生を促すという設定が引っ掛かりますw(ただ、そこが気になり始めると話が進まないので、ある程度割り切って読みましょう)
真相が徐々に明るみなっていくと同時に、出てくる詭弁。これがまた多いのなんの。プロジェクト推進側も、損害賠償を求める保護者も、民間気象予報会社も、それぞれがもっともらしい理屈を掲げながら自分たちの利益を1番に考えている。正直これは読んでいてページをめくる手が重くなるほどでした。
一方で、本作は親と子の関係にも焦点を当てている。特に瑞稀の父親の言葉は印象深く、娘を思う気持ちが真っ直ぐ伝わってきた。金銭目的で動く保護者たちとの対比も鮮やかで、本作の大きな見どころの一つだと思います。
ミステリーとして読むよりも、人が何を守ろうとするのかを描いた人間ドラマとして読む方が楽しめる作品だしょう。