あらすじ
「寝ないと脳に悪い」は、ウソだった?
“脳の老廃物”は「起きていても」掃除できる――。
脳神経外科医による、「脳の休息」の常識を覆す1冊。
「健康な脳には睡眠が必要」と一般的に言われますが、
実は、睡眠と脳の活性化には明確な因果関係がないことが分かってきました。
「体の維持」には睡眠は重要ですが、
「脳の健康」には休息より“継続的な刺激”こそ重要――。
そう語る東島医師は、脳神経外科医として、
日々、人の「脳波」を見つつ、大学に研究員としての籍も置く医師。
臨床と研究との二足のわらじ生活のなかで
◎「脳の老廃物除去に必ずしも睡眠は必要なく」
◎「起きているときでも脳は老廃物を除去できる方法がある」
ことを見つけます。
24時間営業のコンビニが閉店せずとも清潔さを保つように、
人間の脳も「店を閉める」ことなく、老廃物は除去でき、機能を維持できるのです。
脳の老化に対抗するために重要なのは睡眠以上に、
「適切な刺激」を継続的に与えること。
では、その「適切な刺激」とは!?
まさに、脳への刺激と癒しについての最新知見を初めて語りつくします。
睡眠中も、脳は眠らない。
ゴミを掃除し、棚の在庫を補充し、明かりを灯し続ける――。
あなたのために24時間営業する「不夜脳」のために、
脳神経外科医が見つけた「本当に脳にいいこと」。
脳は、何歳からでも鍛えられるし、脳は年齢に負けない。
生活の質を上げ、仕事のパフォーマンスを上げる具体的な方法の数々が、
お読みいただく方にとって
あたらしい「刺激」となること請け合いです。
【目次より】
日々、脳と向き合う気鋭の脳神経外科医が初めて語る、
脳を活性化させる「刺激」と「癒し」の新常識!
◎「脳のために睡眠が必要」は本当か?
◎「眠り」の役割と「不夜脳」
◎脳の掃除は「寝ていないとき」でもできる
◎認知症と睡眠不足の「都市伝説」
◎脳は体を「寝かしつける」保育士
◎脳は刺激不足で老化する
◎たっぷり眠ると「集中力」が上がる本当の理由
◎「脳疲労」の正体はバランスの偏り
◎記憶に必要なのは「忘却の能力」のほうだった
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
脳神経外科医の東島先生が書いているということで、実にわかりやすく、面白い本だった。テンポよく展開され、読みやすい。これもこの本の魅力だと思う。また、私たちに身近な例をたくさん挙げてくれており、イメージしやすい。小説ではない本でこんなに面白いと思った本は久しぶりだった。
この本で学んだことは、まず脳には刺激が必要なこと。10歳までは単に脳細胞が増えるが、それ以降は細胞の数が減っていく(そぎ落とされていく)ことを知った。記憶、想像などさまざまな刺激を与えることでこの素晴らしい臓器は真価を発揮するのだと思った。「脳は老化しない(筋肉に比べてしにくい)」というのも希望がもてる内容だった。おばあちゃんは”聡明”という言葉がぴったりだと日ごろから思っているのだが、それはおばあちゃんが耳でニュースを聞いたりしていろんな話ができることや、これまでの人生で培ってきたいろんな話ができること、”おばあちゃんネタ”で私たちを笑わせてくれるところだと思っている。身体は細いし目も不自由になってきているけれど、脳はとっても元気なのだと感じている。これは東島先生が言っていることと合っているなと思った。
そして、「楽しい時間」があっという間であることが科学的に説明されていたり、脳の鍛え方と癒し方が具体的にたくさん紹介されているのが印象的だった。読書(小説)は、聴覚という感覚を使わない活動なので、頭でいろんなことを想像して補うしかない。そのときに脳は刺激され、鍛えられる、とか、糖で頭がすっきりするというのはまやかしであること(腸でブドウ糖を摂取すると脳からドーパミンが出る)から、糖の過剰摂取は脳のオーバーヒートになるということなど、食生活も脳に影響することを学んだ。
わかりやすく、かつ脳って面白いなと思いながら読み進めることのできる本だった。おすすめしたい1冊になった。
Posted by ブクログ
夜型、睡眠不足人間なので
脳の回復には睡眠より刺激と聞いて安心した
そして認知症の原因も睡眠不足は当てはまらないだろうとあって、それも安心した
40ヘルツの刺激、瞑想、森林浴、アルコールはほどほどに、カモミールティー、緑茶、ラベンダー、植物、入浴サウナ、寝る前には何度も読んだことのある漫画や小説……
他、様々なヒントを貰えたので自分なりに脳に刺激を与えながら癒していこうと思った
Posted by ブクログ
第一弾・第二弾をまとめて、ページ順に詳しくまとめます。復習用にご活用ください。
## 第1章〜第2章(第一弾)
**睡眠の理想と現実(p.63)**
日本人は「これくらい眠るのが普通」という理想の睡眠時間を、実際に必要な量よりも高く見積もる傾向がある。フランスなど他国との国際比較データも紹介され、理想と現実のギャップが大きい国ほど「自分は健康ではないのでは」と不安を感じやすいという指摘。また「遺伝子の変化で短眠族になった」可能性にも触れ、アウシュビッツ収容所を生き延びた精神科医ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」から、人間はどんな過酷な環境にも慣れることができる、という話も引用されている。
**脳疲労の正体(p.73)**
「脳が疲れる」という感覚は医学的には数値化が難しい曖昧な概念。日本リカバリー協会代表理事の見解として、「疲労の対義語は休息ではなく活力だ」という説が紹介され、著者も納得感を示している。
**血液型と性格(p.85)**
血液型による性格判断(いわゆる血液型占い)は科学的にはほぼ「幻想」に近いという内容。多くの研究者が相関関係を証明しようと試みてきたが、明確な根拠は得られていない。海外でも「ABO式血液型と性格」の研究はあるが、効果量は非常に小さく、都市伝説的に広まったものだという解説。
**脳が喜ぶ刺激(p.86)**
脳にとって心地よい刺激は人それぞれ異なり、画一的な正解はない。運動などが有力な候補として挙げられているが、著者自身も「まだ完全に証明されていない」と留保をつけている。
**忘却の役割(p.94)**
「忘れる」ことができるのは、記憶システムが正常に機能している証拠。脳は1日に何万回もの情報処理をしており、新しい記憶を取り込むスペースを作るために古い情報を意図的に整理・削除している。海馬を中心とした神経回路の仕組みが関係している。
**第2章までのまとめ(p.?)**
「刺激をシャットアウトするような休息」を脳は求めていない。むしろ運動・言語学習・音楽鑑賞など「適切な刺激」を入れることが、より元気な脳をつくる。第2章までは「不夜脳」というコンセプトのストーリー説明、第3章・第4章では具体的に今すぐできる「脳にいいこと」を紹介していく、という章構成の予告。
**脳の可塑性(p.102-103)**
脳は経験や使い方次第で物理的に変化する「可塑性」を持つ臓器であるという説明。神経細胞(ニューロン)は新しく作られたり、既存の回路が強化されたりする。この可塑性を活かすことが「疲労しらずの脳」を鍛える鍵になる、として第3章へつながっていく。
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## 第3章〜第4章(第二弾)
**有酸素運動と脳(p.112)**
2012年の研究(平均67歳前後の男女対象)で、有酸素運動を継続すると脳の一部(記憶に関わる領域)の体積が増加することが判明。運動はBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促し、脳の血流改善や神経系の運動連携にも良い影響を与える。ウォーキングなど軽い有酸素運動でも十分な効果があるとされる。
**間欠的断食(p.119)**
「24時間食べない」を週1回程度続けることで、脳のオートファジー(自己浄化・老廃物処理の仕組み)が活性化する。断食は体にとって一種のストレスだが、適度な断続的断食は脳の血流や神経保護にプラスに働くという研究が紹介されている。
**脳と依存性(p.128)**
甘いもの(糖質)は脳にとって依存性(signatures of addiction)を持ちやすい対象。ドーパミンなどの報酬系を強く刺激するため、少量でも脳が習慣化しやすい。抗酸化物質やケトン体などが、この依存パターンに対抗する材料になりうるという説明。
**語学学習と脳の構造変化(p.134-135)**
学歴が低くても第二言語を話す移民は認知症になりにくい、という研究結果が紹介されている。学校教育を十分に受けられなかった人でも、日々の仕事で「文法的に正しい複雑な言い回し」ではなく「必要最低限の言葉」を使ってサバイバルしてきた経験自体が脳に良い刺激を与えている。TOEICのスコアを上げることを目指すより、「1時間を3か月続ける」という継続そのもの、そして「全く知らないスワヒリ語」のような真新しい言語に触れる方が、聞き慣れた英語よりも脳のトレーニング効果は高いという主張。
**慢性炎症と認知症(p.165)**
体のどこかで起きている慢性炎症が、長期間続くと認知症の発症リスクを高める。特に注目されているのが脳内の「慢性炎症」で、神経細胞をじわじわ傷つけていく炎症物質の血中濃度が高いと、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの蓄積プロセスを促進する可能性がある。糖質の摂りすぎ、ストレス、遺伝的要因などが慢性炎症の「勝手な始まり」に関わっている。
**40Hz刺激の効果(p.194, 198)**
40Hzの光・音・電気刺激がミクログリア細胞(脳内の掃除役細胞)を活性化させ、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβを分解・除去する可能性が確認されている。マウス実験ではストロボ光刺激で高い効果が見られたが、人への実用性はまだ低い。音刺激(毎日1時間、1秒間に40回の音)でも同様の効果が確認されており、こちらの方が実用性が高いとされる。また脊髄刺激療法(ペースメーカーのように脊髄に電気を流す治療)でも40Hzの刺激が痛みの緩和に使われている。認知症治療への応用も期待されているが、まだ完全に安全性が証明されたわけではない。
**断食の継続契約(最終ページ)**
断食を続けることで得られる抗酸化作用、神経保護効果(BDNFやケトン体の働き)についてのまとめ。ただし「断食は日本人には向いていない」という慎重な説も併記されており、万人向けではないという注意喚起がされている。
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**全体を通しての一貫テーマ**
睡眠そのものより「適切な刺激」(運動・断食・語学学習・特定周波数の光や音)を日常的に脳へ与え続けることが、老化しない・疲れない脳をつくる、というのがこの本の中心的な主張でした。