【感想・ネタバレ】成り上がり弐吉札差帖 棄捐令(一)のレビュー

あらすじ

札差の懐事情を役人が探り始め、笠倉屋にも連日調べが入っていた。番頭の清蔵と話した弐吉は、札差にとって不利な触(ふれ)が出る予兆ではないかと危機感を抱く。金利の引き下げか、借金の一部帳消しか……。店を守るため、古い貸金を回収しようと動く弐吉だが、借り手の侍達の暮らしも厳しく返済は思うように進まない。行き詰まった弐吉を救ったのは、お文の一言だった――。江戸金融界未曾有の危機に立ち向かう波瀾のシリーズ第4巻!

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不思議な魅力を持つ弐吉

江戸時代中期以降、侍の生活は困窮し、幕府の俸禄だけでは生活がままならなくなっていた。侍たちは俸禄として支給される米を札差で金に換え、江戸での生活を支えていたが、幕府からの俸禄が増えない中、物価は上昇し、借金漬けになる侍が増加していた。笠倉屋では、五年先までの俸禄を担保にして貸金を行っていたが、新しい札差仕法の噂が流れ、その対応に追われていた。

笠倉屋の手代、弐吉は金利を下げて借金の借り換えを札旦那に勧め、返済の負担を軽減しようと試みたが、様々な妨害に遭遇した。特に同じ店の手代である猪作からの恨みを買い、命を狙われることもあった。最終的に幕府より棄損令が出され、弐吉の対策が功を奏し、笠倉屋は被害を最小限に抑えることができた。

物語を通じて、弐吉は困難に立ち向かい、持ち前の勘の良さと行動力で難題を解決する才能ある若者として描かれている。人柄も真面目で信頼でき、人間性豊かな一面を持つ弐吉の姿に読者は魅了される。物語は、弐吉の不思議な魅力に惑わされて、自然と読み進められてしまう。

#ほのぼの #感動する

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2025年02月06日

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