あらすじ
サーヴァントを失い、狼狽した間桐慎二は聖堂教会へと逃げ込んだ。言峰綺礼に助けを求めるが、ライダーへの不満が止まらない。「カスを掴まされてあまりにも不公平じゃないか!」と喚く慎二に、綺礼は静かな笑みを浮かべながら、新たなサーヴァントがいることを告げるのだった……。
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Posted by ブクログ
多数の生徒が影響を受けた大事件、重症者がほぼ居なかったのは吉報である筈なのに、翌日には普通に授業が再開される運びは何とも気味が悪い
これで表面的には事件の理由が説明されているならまだしも、鑑識すら見当が付けられていない状況のまま日常へ戻っていくってどういう事なの……。それともこういった光景すら聖杯戦争の一環なのだろうか…?
ライダーとそのマスター・慎二は退場した。だからこそ問題となってくるのはキャスターと正体不明のマスター
目下の容疑者が柳洞寺に住まう一成というのは判るのだけど、彼の無実を晴らす為に身包み剥がすって凄い事してるなー(笑)
また、もう一つの問題と言えるのは士郎達の知らぬ処できな臭い動きが活発化している点か。いや、元々士郎は知らな過ぎるくらいに事態を把握していないから今更では有るのだけど、退場する筈の慎二に復活の兆しがあったり、間桐の家を見つめるあの男が現れたりと拙い動きが起こっている事は明白
けれど、表面上では何も起きていないから問題と感じられない。いわば問題になっていない点が問題
キャスターのマスター探しが進展せず、表面上で新たな問題が起きていないなら、仮初の平和が戻ってきたり、それぞれが現状を見直す時間となるわけか
凛は美綴と恋愛に関する押し問答を繰り広げ、士郎はセイバーに正義の根源を問い掛けられる
中でも凛が見た夢は示唆に富んでいるね。その夢が誰の物語を表したものであるかは既に自明となっている。そこに己の正義に悩みながらも貶すアーチャーに反発する士郎の在り方が前後して描かれる事で興味深い物語が展開となっている
正義を志し救済を目指し英霊となったその男は何て事のない理想にすら裏切られた
だからその男は最終的な自分の在り方に失望し絶望を見出したと言えるのかも知れない。だとしたら、そんな彼の姿に憧れ真似をする士郎という存在が余計に興味深く感じられるね
遂に判明するキャスターのマスター。その正体は意外性がある、というよりマスターとサーヴァントの関係性に意外性が見えたというべきか
一見すると士郎が推測したようにキャスターの悪事を何も知らず日常を過ごす葛木は操られているのではないかと思える
けど、キャスターの言葉の端々から見た目とは全く異なる関係性が推察できるし、葛木自身も日常に混じっているのが不釣り合いだと感じられる異常性を湛えていた
その究極的な部分が彼の破壊性か。ただの拳術でセイバーを圧倒してしまうのはもう本当に反則でしょうに…!