あらすじ
主人公裕は、膨大な古文書のデータの中から上州に伝わる子間引きの風習や毛利神社や琴平神社の社名に注目し、資料と格闘する。裕がそこまでするには理由があった。父が決して語らなかった母親の系譜に関する手がかりを見つけるためでもあったのだ。大した成果が得られぬまま、やがて夏も終わりに近づくころ、巣守郷を独自調査していた少年・淳が警察に補導されてしまう。郷に監禁された少女を救おうとする淳と、裕の母親の出自を探す道が交差する時――。宮部みゆき、東雅夫、東えりか、杉江松絶賛の、前代未聞の伝奇ホラーミステリーにして青春ラブストーリー! 感動のラストまで目が離せない、超弩級エンターテインメント。
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Posted by ブクログ
上巻に引き続き文献との格闘がかなり読み気をなえさせますが、この作品にこの件は必要不可欠なんだろうと感じます。
後半物語が動き出すことによりカタルシスへ誘われます。
主人公の母親についてのあることがら、途中から予想はつくのですが最後に明かされることで、まだ語られぬ物語に想像が膨らみます。
Posted by ブクログ
助かって良かった〜〜、最後宮司に一喝する所が本当にスカッとした。
お母さんもそうだったのか。と。
切ないし怖かったけど展開がとても面白かった。
Posted by ブクログ
上巻に続き、前半は幾つかの謎の核心に迫る文献資料を追う長い道のりにペースダウン。
飢饉や間引きといった悲惨を予感させるワードから覚悟はしていたものの、“まほり”という言葉に隠された陰惨な因習に寒気を覚えずにはいられなかった。
多くが語られないままの裕の母の形見がもたらす終わりもこれ以上ないインパクト。彼女が何を感じて生き、どういう経緯を辿って裕の父と出会ったか知りたい気持ちは山々だが、母親を苦しめていたであろう辛い過去の鎖を息子が時を越えて断ち切ったことに救われた思いがして、痛ましさと共に胸が熱くなる。