あらすじ
日本昔ばなし×本格ミステリふたたび! ベストセラーとなった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編が誕生。今回、基となった昔ばなしは「かぐや姫」「おむすびころりん」「わらしべ長者」「猿蟹合戦」「ぶんぶく茶釜」「かちかち山」。果たしてこれらの昔ばなしがどんなミステリになったのでしょうか。それぞれの作品が、あるテーマによってつながる仕掛けも楽しい短編集です!
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誰もが一度は聞いたことのある一寸法師や桃太郎などの物語のテーマがミステリーに変わったら…
そんな斬新な切り口で読む日本の昔話です。
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』作品名からして非常にパンチの効いている本作品。
内容も裏切りませんでした。
アリバイトリックや密室トリックなど使用されるミステリー要素も物語ごとに異なっていて、そうくるのか…!と思わず感嘆したり、よくよく考えてみるとゾクッと背筋が寒くなったり、慣れ親しんだストーリーも視点と切り口、解釈を変えるとこんなにも違うのか!と、一気にその世界観に引き込まれてしまいました。
ミステリーが好きな方だけではなく、サスペンスやホラーが好きな方にもおすすめです。
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Posted by ブクログ
個人的には一作目の方が面白かった。言葉遣いといい、人の名前といいなんだか慣れない言葉や字が多くて少し読みづらく感じた。でも、ミステリーとしてはやっぱりおもしろくて、どのお話も真相を当てることができなかった。桃太郎やマッチ売りの少女と同じで、1番最後の話が1番おもしろかった。今回は猿蟹合戦。話が二転、三転してワクワクした。
いやー、人に恨まれるようなことをするのはやめよう‥改めてそう思った。
Posted by ブクログ
今作も昔話をベースにいろんなミステリーが詰め込まれています。個人的には、『七回目のおむすびころりん』『真相・猿蟹合戦』『猿六とぶんぶく交換犯罪』はこう来たか…とニヤニヤしてしまうほど面白かったです…。
それぞれのお話にちょっとした繋がりも見えてきて、何度も驚かせてくれる。
このシリーズ、好きだな~と心から満足できて良い読書時間でした。
Posted by ブクログ
昔話×ミステリーの第二弾。
竹取物語、おむすびころりん、わらしべ長者、猿蟹合戦、文福茶釜をベースにしたミステリーを収録。
全ての話が実は繋がっていたり作中に伏線があったりとミステリーとしてしっかり成立している。
子どもの頃に読んだり読んでもらったりする昔話が多く、懐かしい気持ちもする。
Posted by ブクログ
目次
・竹取探偵物語
・七回目のおむすびころりん
・わらしべ多重殺人
・真相・猿蟹合戦
・猿六とぶんぶく交換犯罪
前作より手が込んでいて、面白かったです。
一応短編集で、各話に直接の繫がりはありませんが、同じ世界の出来事として周知の出来事になっています。
例えば、日本に(地球に)初めて探偵という概念を持ち込んだのはかぐや姫。
これはこの世界の共通認識です。
で、最後の『猿六とぶんぶく交換犯罪』で名探偵まで登場しちゃいます。
字面を見ただけでは気づかなかったのは迂闊でした。
名探偵・猿六と助手の綿さん。(ふたりとも猿)
「あらゆる可能性を排除していったとき最後に残った説が、真相なんだっぺ。たとえそれがどんなに意外でもな」には笑うしかありません。
それぞれの事件の真相も一筋縄ではいかず、二転三転、結局「どゆこと?」って読みなおすことも。
『真相・猿蟹合戦』から『猿六とぶんぶく交換犯罪』へと繋がる事件が読みごたえがありましたが、お気に入りは『わらしべ多重殺人』。
平安時代を舞台に、結構最近の世相を入れ込んでるなあ、なんてのんきに読んでいたら、しっかりと叙述トリックにやられました。上手い!
Posted by ブクログ
昔話のタイトルを上手にもじった各短編タイトルから満足ミステリの予感大。
「猿蟹合戦」「かちかち山」「分福茶釜」がベースになった後半の連作二編は登場動物の多さと二転三転する本格的推理で読み応えがあったなぁ。昔話の無情で残酷な一面も際立って復讐を遂げても気持ちがひりつく。
よもやの結末の『わらしべ多重殺人』、欲張りじいさんが意外な頑張りを見せる『七回目のおむすびころりん』の凝ったタイムループのしかけは常に驚きが先行するおもしろさ。
言葉にならぬせつなさとスッキリが味わえた『竹取探偵物語』が個人的に好みだった。