あらすじ
人類が衰退し、荒廃した世界――。生き残った数少ない人類は、【アルコロジー】と呼ばれる完全環境施設でのみ生きることが許されていた。しかし【アルコロジー】の機能は少しずつ低下し、人類は確実に滅びの道を辿りつつある。“調査技官”のチコとその弟のピノは、世界崩壊の原因を探す旅をしているが、ある日、ひとりぼっちで稼動し続ける医療ロボットに出会い……? 少女とその弟が紡ぐ、終末冒険ファンタジー。
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人類が衰退し、荒廃した世界を舞台にしたディストピアファンタジー。
滅びゆく世界の中で、生き残った数少ない人類は、【アルコロジー】と呼ばれる完全環境施設でのみ生きることが許されていた。しかし、【アルコロジー】の機能が少しずつ低下し、人類は確実に滅びの道を辿りつつあった。そんな中、“調査技官”のチコとその弟のピノはその原因を探す旅を続けていた。
その旅の過程で描かれている、懐かしい見た目のロボットや、朽ちゆく建物と自然の調和、寂れた遊園地など、どこか切なさを感じさせる描写がこの作品の魅力です。
また、人類滅亡の道へと着実に進んでいる鬱々とした世界のはずなのに、希望を捨てず旅を続ける姉弟のおかげで温かい気持ちにさせてくれる、そんな作品です。
感情タグBEST3
宮崎駿より深みがあるか
徐々に衰退してゆく世界 と それを食い止めようとする1人と1台の話が、宮崎駿の世界を思わせる。滅びゆく世界の人々やロボットたちの言動が、宮崎駿より より一層深みがあるような気がする。そして細部まで描きこまれた世界の絵柄がとても素晴らしい。久々に傑作に巡り会えた。
現代文明崩壊後の世界……いわゆるポストアポカリプス物です。
ヒトとロボットの境界が曖昧なこともあって、廃墟で出会ったロボットの想いを汲んで行動する主人公が良かった。
未来では
人間が滅んで世界が崩壊したという設定は他人事ではないと感じました。アニメ化したら映画化など大ヒットすると思います。
不思議な世界観の旅物語
戦争後の終末に向かう世界。
それを止める為にコアと呼ばれるものを探して集める姉弟。
仄々としたやり取りの中に、死生観や人とはなにか、感情とは何か
哲学的な深い物語を織り込んであって面白いと思いました。
Posted by ブクログ
キッカケ不明『鍵つきテラリウム』(平沢ゆうな)。
なかなか人間の痛いところをついてくる弟ちゃんロボットの言ってる事は正しい。
今私たちは豊かに過ごせているけれど、マンガのような世界になったっておかしくないよなぁって過酷環境系SFフィクションに触れる度に思ってしまうわ…
何となく選んでいる最近の漫画たちを振り返ると主人公が女の子のモノが多い事に気がついた。
無意識のうちのマイブーム。
匿名
全四巻の良漫画
生きるとは何なのか?生命と機械の境界は何か?という昔からあるテーマの作品だが、本作の良さは全体のまとまり方だろうと思う。
この手の話はどうしても作者のこだわりと設定を詰め込みすぎてしまうが、本作は過不足なく、オチまで質が変わらない面白さがある。
秀逸な物語と世界観
一つ一つの物語が素晴らしく、作品の世界観も良い
泣けるし、感動するし、気づかされる物語と言えるのではないでしょうか
綺麗な絵が好きな人にもオススメです
せつない近未来かな
主人公は医者でもありメカニックでもある高いスキルを持っている。行方がわからない母親を探して、コロニーの中を探索し続けている。出会うのは、ロボットばかりで生きた人間には出会わない。こんなせつない物語がずっと続くにだろうか。そんな事は無いだろうと思うので、次巻に期待。
最初の話は読んだ
荒廃した世界で彷徨う姉弟の話?、なんで弟はロボットなの?と気になることはあるが最初の看護ロボットの話は普通に悲しかった
多分これからも泣ける話も交えつつ色々謎が解けていくんだろうなと思った
感動・終末ものが好きにオススメ
今の文明よりも発達したが一度崩壊を迎えた世界で姉弟がある捜し物の為に旅をする話。物語の主題が決まっていてそれを目指しているので今は謎ばかりですがそれがどう明かされていくのか楽しみです。1巻では姉にロボットの整備技能がありそれを用いて鍵といわれるものの完成を目指していること、世界観のあらましが語られました。滅びに向かう世界で破棄されたロボットたちから情報を集めるのですがそこに毎回ドラマがあります。読んでるうちに世界観に引き込まれる物語でした。
Posted by ブクログ
廃墟作品を検索していて辿り着いた一冊。
遠い未来の「少し不思議」ではなく「サイエンスフィクション」の方のSF。
大きな戦争を経て、崩壊したアルコロジー(アーコロジー)に鍵の素材を回収して回る調査官の物語。
廃墟となった完全環境都市を巡り、生存者・生存ロボとを探し調査していく。
人々が死に、世話をする人間がいなくなったことに気づけず、何十年何百年と働き続けるロボット。
生前の習慣をなぞるタイプの幽霊やゾンビにも通じるのかな。
幽霊やゾンビは、リアリティがないが、ロボットならこういうこともあり得ちゃうのかと思うと、切なく哀しい。
練り込まれた世界観で、まだまだ様々な『物語』をみせてくれる作品の第1巻。
長く長く続いてほしい。
~系姉弟の冒険
遥か昔に文明を亡ぼす戦争があった世界のお話。
チコとピノは人間とロボットの「姉弟」。人間とロボットの境界が曖昧との説明ですが見た目からして違いは明らかです。が、この場合は見た目ではなくてロボットが感情を持った存在である、と言うことなのでしょう。
終末世界を描く作品は沢山ありますが世界観の設定も練られていて主人公キャラも魅力的です。
次の巻では人間も出てくるようなのでより深く作品にのめり込む事ができそうです。
Posted by ブクログ
ゆるやかに滅びゆくアルコロジーを舞台に、「人間とロボットの違いは何か」というテーマを描いたSF作品。世界観もテーマも重たいが、生きるものへの愛情を感じられ、どこか暖かい。
作中に出てくる次の言葉が強く印象に残った。
「自分の生きる意味を「与えられる」か「見つける」か」
匿名
おもしろい
舞台は人類が衰退して人口が減り荒廃した世界。
数少ない人類はアルコロジーという環境が完全に整えられた世界でのみ生きられるという厳しい条件の中生活していた。
主人公のチコは人類の未来のためにアルコロジーを調査する調査技官という仕事を担っていた。
そんな彼女は機械の体を持つ弟のピノと旅を続けている。
二人の母親はかつて人間や機械の体を見る技官という仕事をしていた。
それはこの世界における人間と機械の境界があいまいだからこそどちらも見ることができる仕事があったのだ。
二人は大昔に戦争があったアルコロジーで調査をしていた。
そこにいた人たちはとうに遺体になって久しいのに彼らに医療行為をし続けている医療ロボットがいたので話しかけてみるが……。
衰退した世界で動き続けるロボットというのは切ない。
なかなかいいよ。
絵はなかなかに良いと思う、可愛いし。話は未来の話、銀河鉄道999のよう。ぼくもこんな世界観が好きだった。なんかサイボーグ009(90年代初頭頃の)を思い出した。
引き込まれる
読みはじめてすぐにもうこの世界へと引き込んでしまう力のある作品です。背景なども美しく、まるで、アニメ映画を見ているような感覚になります。パクりなどという悪い意味ではなく、読んでいて別の色々なアニメ作品を思い出しました。
寂寥感
題材としてはすごく好み、なんだけど星5にするにはもう少し、どこかなにか不足に感じて3つ止まりで。
絵は後の作品竜医のルカになるとけっこう好きでした。
Posted by ブクログ
めっちゃ泣かせにくる漫画だった。
裏表紙のユノーとケイのイラストも最高だった。
お話的にはネイバーのほうがゾワゾワってして、涙腺きた。
●●的姉なんです。●●的弟なんです。ってやりとりもイチイチ面白い。
Posted by ブクログ
苔むしたコンクリート、人工構造物が緑に覆われていく、廃墟の風情、つくみず「少女終末旅行」、タルコフスキー「ストーカー」、つくしあきひと「メイドインアビス」などなどの雰囲気を感じ取って手を伸ばしてみたら、この絵、好き。
顔が優しくて、好き。
アルコロジー(完全環境世界)という作り込みも気になる。
作者の名前で検索してみたら、「僕が私になるために」というホルモン療法、性別適合手術の経験を漫画化しているんだとか。
俄かに興味を持つ作家さん。
しかも「白百合は朱に染まらない」は世界初の女子飛行連隊が、ソビエト連邦に発足する顛末を漫画化。
あ、「ストライクウィッチーズ」のサーニャのモデルになったリディア・ウラジミーロヴナ・リトヴァクだ!
公式ブログも面白そう。
同日20220606,「僕が私になるために」を電子本で読んでみたら、これも意義深い作品だった。
性別適合手術(陰茎切断と造膣)@タイ、および帰国後の手続き(裁判が必要!)などなど。
独特の世界観、空気感
戦争か環境破壊かで、人類が閉鎖空間のコロニー(アルコロジー)にしか住めなくなった時代の話。
さらに、その閉鎖空間内での戦争で多くのアルコロジーが廃墟となり、残った場所も電力不足を解決しないといずれ停止してしまうという状況。
1巻を通じて、いわゆる人間は主人公しか出てこない。
後は弟という存在も含め、全てロボット。
ゲスト的に登場するロボットはいずれも、廃墟となったアルコロジー内で、既に人間がいないことに気が付かず、大昔と同じような行動を取り続けているというもの。
このあたり、ロボットではあるが非常に切なさを感じる。
絵のタッチもこの手のジャンルとしては非常に柔らかく、機械であってもあまり機械感を感じさせないもの。
今後、大きなストーリーがどう進んでいくか、1巻の段階では全く読めないが、切なさを感じさせるハートウォーミングSFとして、独特の空気感があるのは良い。