まだオリンピックに女子スキージャンプの種目が無かった時代。
叶えられなかった父の夢を叶えるため、双子の兄との約束を果たすため、本来ならば女性であるためオリンピックには出場することができない主人公の野々宮ノノは、男装することでスキージャンプでのオリンピック金メダルを目指す!
岡本倫先生といえば『エルフェンリート』、『極黒のブリュンヒルデ』などのダークファンタジーの印象が強いですが、本作はスキージャンプをテーマにしたスポーツマンガ要素とクセが強く魅力的なキャラたちの掛け合いを楽しめる作品となっています。
本作には「皇帝」と呼ばれる、当たり前のように後輩にダンベルを投げつけ暴君のように振る舞い、デリカシーの欠片もない発言をし続ける尻屋潔(しりやきよし)というキャラクターがいます。しかし、この尻屋がいざスキージャンプの大会になると、とんでもなくカッコいいキャラクターに変化します。
キャラクターが魅力的だからこそ出せるギャップを是非とも体感して頂きたいです!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
17ページを見た時、まず自分の常識や正気といったものを疑ってしまった。まさかスキージャンプ漫画でこんなデビッド・リンチ作品のような認知のゆらぎを感じるはめになるなんて、と言ったもののよく考えれば作者が作者だしなあ。
そのへんはおいといて本編。まさかスキージャンプ漫画でこんな犯罪臭が強くただようなんて。←こんなんばっかりか。
いやいやマンガはリアリティが欠如しようがその代わりになるよろこびさえ用意されているなら大いにアリなので、これも大いにアリ。
溜めに溜めてくれた野々宮のフラストレーションを吹き飛ばす大ジャンプはまさしく溜飲の下がる思い。
皇帝がはたして善か悪か(いやまあその2つに分けるしかないならたしかに悪ですが)秘密にせまる展開、そして最後に用意された大舞台! マンガのハッタリを十二分に効かせて一気に盛り上がるさま、熱く燃えずにはおれない。
コオロギはこんなにかわいくていい子なのに、どう見ても幸せになる気配がないのが気がかりだ。普通諸般の理由で主役と付き合えない立ち位置になったヒロインはライバルキャラとくっつくのが相場だが、このマンガの場合ライバルキャラは主役とくっつく定めにあるので八方ふさがりだ。ノノが宗旨替え(性的な意味で)でもしないかぎりコオロギに幸せはこない。万一でも皇帝と付き合うなど、天が許してもこのおれが許さん! 本当どうなっちゃうんだろう?
それにしても岸谷君はもう少し発言に責任を持つべきだとおもいます。
Posted by ブクログ
6月。高校対抗のサマージャンプの季節になった。
団体戦での長野県代表を目指して野々宮は心を躍らせるが、先輩の尻屋には不穏な噂が付きまとう。さらに、背後ではライバル高のコーチの妨害工作が進みつつあった。
コウロギは本当にいい娘だな。単なるツンデレに終わらず、すこしズレた感性がまた魅力になっている。それにしても獅子舞って何よ( ´∀`)
そして、いまいち何を考えているのか分からない皇帝の表情および行動が今回の見所。
キャラクタの行動に目が行きがちだが、最後に燃える展開に持っていく話の構成も見事だと思った。ひきつけられる作品である。