あらすじ
今の時代、情報はとめどなく流れ、次から次へと新しいものが現れては消えていきます。
そんな中で、あえて立ち止まり、ゆっくりと読むことをおすすめしたいのです。
たとえば旅行に出かけたら、足早に観光名所を巡るのではなく、町の空気を吸い、風景を見つめ、記憶を自分の奥深くにまで探しに行くような方法があります。私は読書にも、同じような読み方があっていいと思うのです(「はじめに」より)。
「本物の教養」は「時間をかけて本を読むこと」「何度も同じ本を読むこと」によって身につきます。
読書の大家である齋藤先生が、遅読をすることの意義と効用、その技術を解説します。
※カバー画像が異なる場合があります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読書は急ぐ必要のない旅なのです。
最後のフレーズが心に響きました。
どうしても積読を消化しなきゃと追われるように
貪るように読んでいましたが、本当に
味わって読んできただろうかとふと立ち止まって
考えさせられます。遅読にオススメの本もたくさん紹介されてるので、気になった本はチェックしました。
いつも持ち歩いて1年かけてゆっくり読む、
なんどもなんども繰り返し読んで
奥の深さを体感していく。
かなりいいなぁと思ってしまいました。
Posted by ブクログ
読書スランプに陥って「読みたいのに読めない」状況が続いてモヤモヤが溜まっていた自分にピッタリの1冊でした。
近頃全く読書に集中できず、読むペースが激落ちして「早く読みたいのに…!」と焦りを感じていましたが、本書の「自分のペースで良いんだよ」「読む習慣を少しずつ思い出していこう」と寄り添ってくれる文章に心が軽くなりました。
最近では、動画すらショートが主流で「タイパ・コスパ重視!マルチタスクできて当たり前!!」みたいな…只々コンテンツを消費していくスピード社会に疲れていたので、「遅読」する事で本の世界にゆったり浸って自分のペースを思い出して!と言われているようでハッとしました。
後半はスマホとの距離の置き方や、読書習慣を取り戻す方法などが記載されているので、私のように「最近、なんだか読みたいのに読めないんだよねー」とモヤモヤしてる方にお勧めです。
Posted by ブクログ
学生時代から古文や漢文に触れて、とても興味はあったのだけど大人になってから読むことはなくなってしまって。
それがとても残念だなと感じていたときにこの本と出会えました。
そして名作や傑作と呼ばれる作品を長い時間をかけて味わっていく読書感覚を体験してみたいと強く思いました。
Posted by ブクログ
読書人生が浅く、速く読めない自分に少し焦りを感じていたが、深く読み込むという方法があることを本書で学ぶことができて良かった。
本ははやく読むべきだと考えている方は是非ともこの本を手に取って欲しい。
本書において粘り強く考え続ける「脳の持久力」が大事だという言葉がある。
私は日々この能力が足りないと痛感してきたので、この言葉を読んだ時にはっとさせられた。
是非とも遅読を習得したいと思う。
また、本書で読書をトレーニングと表現する箇所がある。
私自身読書は好きだが、毎回新しい本を読み始める前などは若干の抵抗を感じてしまう。
そういうモヤモヤをこれまでに大量に本を読んできた読書好きの著者から「読むのは少し面倒臭いのです。」という言葉を得られたことが嬉しかった。
Posted by ブクログ
速読と遅読は読書という点では同じだが、両者は全くの別物。
速読は資料の読み方に近いが、本来の読書といったら、遅読のことを指すト思う。
ゆっくり、味わいながら著者や登場人物との会話を楽しみ、背景を浮かべながら読む。
本を読むことそのものが楽しい。
それこそが遅読の真髄。
Posted by ブクログ
今まで新書ばかり読んできて、他の本のジャンルも読もうと考えていたので、今この本を読んでおいて、良かったと思う。
特に自分に刺さったのは次の部分である。
「生成AIを使うことで簡単に答えに到達できるので本当は理解していなくてもわかった気になる。自分の考えを追求していく機会が失われ、自分の人格・教養というものが磨きにくい」
昨今はAIの進歩が著しく、ついには自分で検索するよりもAIに質問した方が早く情報を得られてしまう。よって思考力が育ちにくい。自分もAIに相談したり、問いかけたりするが、自分でよく考える前に色々聞くのは良くないことだと思うので納得した。
「読書を自分を整える装置として捉える」
これは最近、嫌なことがあった時に、本を読むと現実から離れることができ、読んでいる間は心の平穏を取り戻せたことを思い出し、納得した。
この本には、作者がどれだけ本が好きかが書かれており、自分もこれからもっとたくさん読みたいと思えた。たくさんの本を読んで人生を豊かにしていこうと思う。
Posted by ブクログ
私は読むスピードがそこそこ早い自覚があるのでゆっくり読めというだけの話だったらなんか嫌だな、と思いながら手に取ったけれど(速く!と意識して読んでる訳ではない)、単純にスなピード論ではなく、味わい方の話で安心した。情報がとめどなく流れるコスパ・タイパの時代だからこそあえて立ち止まりゆっくり読む事が大切だという考え方や、読書の意義、読書をする人生としない人生の分岐についてなど、同じ本が好きな人間として共感できることがたくさんあった。
Posted by ブクログ
目新しいことは特に書いていないが、コスパ・タイパ時代を生きる現代の人々にあえて「遅読」をおすすめする著者の思いが伝わってくる1冊。
最近読書をしていても内容がなかなか頭に入ってこなかったり、記憶に残らなかったりする。
小説を読む際に、映像化したり登場人物に自身を投影する面白さが著書から伝わってきた。
また、本書の中にかなりの数の本が著者の感想付きで紹介されている。次に読みたいと思える本も発見でき、良かった。
映像化されたものをただ受け取るだけの受動的な読み方から、時間をかけて作品世界を作っていく能動的な読み方をしっかりしていきたいと思える1冊だった。
Posted by ブクログ
速読の対義語でもある遅読は決して悪者ではないし、悪いことでもない。
もちろん速読が称賛されているのにはそれなりの理由があるわけだが、遅読には遅読なりの良さがある。
ひとまずタイパのことは脇に置いて、物語や著者の主張に時間をかけて触れてみる。
その上で、自分が感じたことや考え紙にまとめてみるなどすることで、知性や教養が磨かれるのではないか。
Posted by ブクログ
2025.7 6冊目。
速読=情報を素早く取り入れ役に立つから読むもの
遅読=読む時間そのものを楽しむもの
本書では速読について否定することなく、遅読の必要性や遅読をすると何が変わるのか、具体的な方法や遅読に向いている本が書かれており、普段遅読を行なっている身としても為になった。
遅読に向いている本の紹介が100ページ程あり、紹介されているものはどれも自分には難しいな…と感じたし、数ヶ月や数年かけて読むことをおすすめしておりとても真似できるものではなかった。
序章に出てくる「一冊の本は、一本の木にたとえられます。」という言葉がでてきて、読めば読むほど木が集まり林、そして森になっていくというのがとても面白いなと感じた。
本の種類が多いほど様々な生物が住む生態系を作りあげると書いてあるので、「森」ではなく「村」と置き換えるとより楽しめるなと感じ、普段読まないジャンルも「脳内の村」を発展させるために読みたいと思った。
次はコンビニを題材とした本を読む予定なので、近々村にコンビニが誕生するであろう。
Posted by ブクログ
私は本をよく読む方だ。でも、たくさん読み過ぎて(速く読みすぎて?)読んだ内容を忘れてしまうことがよくある。もっとじっくり読みたい。でも、読みたい本が沢山あるんだよなぁ〜。本によって遅読に向いているものがあると教えてもらった。時にはあえてゆっくり読もうと思う
Posted by ブクログ
齋藤孝さんらしい優等生的な真面目な「味わう読書は良いよ」本。読みやすい。
スキミング的な読書術ばかりに嫌気がさして本書を手に取った。表紙は嫌い。
ギアを意識して読む、習慣化などは多くの読書家と同様。
「読むスピードを決めるのは読む側ではなく本の方」
なるほどゆっくり読むタイプの人間は、そもそもゆっくり味わって損のないような本を選ぶべし。
ただおすすめ本のレベルが高いw
Posted by ブクログ
理屈はシンプルでわかりやすいです。後半は著者のお勧めの本がたくさん登場します。日本や外国の古典のオンパレードです。私は古典が苦手なので、そこは少し厳しい部分だったかなと思いました。ただ本をゆっくり読むと言う事はとても味わい深く意義あることだと思いました。どうしても急いで読んでしまうので、一言一言を噛み締めたいと思いました。
Posted by ブクログ
本をゆっくり読むことの利点、ゆっくり読む方法などが書かれていた。でもこの本のメインは、第4章の齋藤さんの本のおすすめコーナーじゃないかなと思う。(ページ数的にもこの章が一番多い)ガチの読書家がおすすめするラインナップは正直言ってつまんなそうと言うか、敷居が高いなと感じるものが多かったけど、いつか興味が出たらチャレンジしてみたい。
本を読んでて、あまりにも面白いと読むのをやめてしまう時があるって前半の章で書かれてて、めっちゃ分かるーーとなった。少しだけ読んで「おもろ!むり!もったいない!」って言って閉じた本がわたしの手元に幾つかある。たくさん読むことを読書の目的にしちゃうと読書の楽しみ方激減しちゃうよなぁと改めて思った。