あらすじ
日本振興銀行の経営破綻による混乱のさなか、代表執行役社長となった作家は、ふとしたきっかけで走り始める。五十代半ばを過ぎ、肉体は典型的メタボ、ストレス続きで精神的にもどん底だったが、走ることであらゆることが変わって行った。仲間との早朝練習、散々だった初マラソンから念願のサブフォー達成、そしてさらなる自分への挑戦――震災を挟んで二年、マラソンによる予想外の変化をつづるランニング・エッセイ。
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Posted by ブクログ
多忙を極め、健康状態も最悪だった著者がマラソンに出会い、心身ともに健康を取り戻し、生き方まで変わったという経緯を熱く語る。学歴や年齢やいろいろなしがらみがある会社生活は、決して頑張ったものが必ず報われるものではないが、マラソンは違う。誰にも頼らず、自分が頑張った分だけ、必ず結果として現れる。自分との闘い。そんな世界があっていいじゃないか。
走り方についての技術本ばかりが溢れる日本では、マラソン哲学を語る貴重な作品だろう。ランナーとして大いに共感できる1冊。
Posted by ブクログ
マラソンなんて辛いだけじゃないか!なんで走るんだ?
その答えが分かる一冊です。
マラソンを普段走る上で私と著者は年齢・レベルは違いますが、共感できる部分が多々ありました。
個人的に「走ることには禅的効果がある」には激しく同意!
Posted by ブクログ
マラソンは過去の自分がライバル
私はマラソンをしないが、結果も大事だがプロセスも大事、そして完走することに価値があると改めて思った
それにしても江上さんのバイタリティは凄い
Posted by ブクログ
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日本振興銀行の経営破綻による混乱のさなか、代表執行役社長となった作家は、ふとしたきっかけで走り始める。五十代半ばを過ぎ、肉体は典型的なメタボ、ストレス続きで精神的にもどん底だったが、走ることであらゆることが変わっていった。仲間との早朝練習、散々だった初マラソンから念願のサブフォー達成、そしてさらなる自分への挑戦 ー 震災を挟んでの二年、マラソンによる予想外の変化をつづるランニング・エッセイ。
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最近、週3回ゆっくり走っているんですが、この本を読んだ影響です。
著者(江上剛 氏)は、旧第一勧銀の銀行マンで、日本振興銀行の社長として、私の記憶にも薄っすら残っている混乱を収拾しようとした方です。
そういった平凡な私なんかでは、想像もつかないストレスの中、著者は、マラソンという趣味を得ることでリフレッシュできて、前向きな生き方ができるようになっていったというお話です。技術本ではなくて、マラソンを通じて、世の中のいろんなことを語っている本です。
私は、子供の時からスタミナが無いんですよ。幼児期に股関節を痛めているいうのもあるのですが、2時間近い運動をすると軽い運動でも股関節に痛みがでてしまいます。なので、マラソンって憧れるんですよねぇ・・・。
そんな私が、「この人達は、なぜ、走るんだろう」という疑問に思ったのがきっかけです。これって、ヨーガのときにもあったんですが瞑想と同じなんじゃないかと思いました。実際に著者も座禅との類似性を書いていたのですが、無心に一つのことに集中することなんだと思います。
じゃぁ、「なぜ、55歳なの?」という話なんですが・・・。人生の折り返し地点を回った今、きっとこの時期から走り出す人は「おれ、まだやれる」って思いたいんじゃないかと。自分自身で、自分をほめてやれる作業が、そこにあるのかもしれません。
ただ、私の誤算は、ジョギングとマラソンが違うってことです。42.195kmまでの道のりは、今の歩くほどの速さ12min/km程度で4km走っているジョギングでは、話にならないという現実でした。(汗)
焦らず、少しづつ、ペースアップしていこうと思います。
こういう年齢本って、否定的だったんですが、いざその年に、読むと良いもんですねぇ。(笑)
いい本を、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
マラソンは禅のようなもの。
市民マラソン大会はイノベーションの一つ。
著者はとてつもない仕事のプレッシャーをマラソンで克服した。
サブ4をしたレースの様子がよくわかる。
自分より10歳以上年上の著者が、自分よりもマラソンを早く走れるという事実に、自分の弱さを痛感
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まさかあの江上剛さんがフルマラソンを軽々とこなしてしまうとは。年齢も上、仕事の忙しさも遥かに上、その人がサブフォー、つまり4時間切ってしまうのだから。この本は読まずにいられなかった。
小説化であり、当時は銀行社長でありながら世間にたたかれていた肉体的にも精神的にもつらい時期に走り始めた。
スポーツは脳を活性化し、精神を向上させてくれる。もし江上氏がマラソンを始めていなければどんなことになっていたのか。
体重を10キロ、ウェストを15センチ縮めてメタボから復活した。
「自分の人生のゴールなんて、どこにあるかもわからない」
「自分の人生に欠けていたもの、それは自分自身を応援する、べたなまでの応援歌だ」
フルマラソンを走った人にこそわかる言葉だ。私も30キロ地点で思った。どこにでもある言葉「マラソンは人生そのものだ」。つらくてつらくて投げ出したくなる。すると目の前にいろんの人や頑張っている姿が目に浮かび「もう少し頑張ろう」と思う。一人で走りながら自分が自分を励ますか手がない。
ホノルルマラソンの記述もある。今回直前で断念した私だが、本書をあらためて(感想を書くために)読み直したらまたやる気がわいてきた。走り続けよう。
Posted by ブクログ
この著者の書籍はいくつか読んだことがあるけど、最近になってマラソンにのめり込んでいたとは全然知らなかった。驚かされたのはこの人の精神力。いくら一緒に走る仲間がいるとは言え、週に3回朝の5時から10-15kmも走るなんて常人にはできない (全然運動していなかったらしいけど、いきなり10kmを走れるなんて本当か?と疑いたくなるけど、それはさておき)。走ることについての色々な考察は興味深かったし、勇気づけられた。
Posted by ブクログ
運動らしきものを永年していなかった典型的なメタボな御年55歳の著者が、ご近所に住む65歳のスポーツマンシニアから熱心な誘いを受け、突如、週3回早朝マラソントレーニングに参加することになることから、フルマラソン完走への挑戦が始まる。驚くべきは初参加のトレーニングでいきなり10kmを完走してしまう。軽い走行とはいえ、ランニング未経験者にとっては、普通2,3kmを歩くのだって、スグ膝や足裏が痛くなるというのに。折りしも著者は日本振興銀行経営破綻による収拾を図るべき代表執行役社長に就任。連日激しいストレスに苛まれる最中、黙々とランニングを続けていく中で、明らかに肉体的・精神的な良好な変化を見出す。走り出して半年後、フルマラソンにいよいよ挑戦する。記録は4時間31分と好記録ながら、激しい便意と30kmの壁に襲われ、達成感には程遠いもので終わる。ゴールまでのドキュメントは読んでいて、こっちも下腹が締め付けられそうになる。以後、フルマラソンに挑戦し続け、3時間40分という所謂「サブフォー」を達成。挑戦から2年間にわたる、精神的な変化まで微細に記録したドキュメント体験記。本書のタイトル見た時は「なら、俺も挑戦しようかな!」と思わすも、「未経験者が2年間でサブフォー達成するなんて、“筋が良い”、“素質があった”からでは・・・」と著者の不断の努力を認めず「逃げ」を作ってしまう弱い自分がいる。ベスト体重72kgをオーバーすること6kg、危険水域まで後2kg、本書をしばらくは座右の書にし、ジョギングを再開しようと決めた。
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江上さんのマラソン実体験を物語にしたもので、日夜鍛えながら、55歳でフルマラソンを走り初めて完走するとは凄い事だと思う。最後はちょっと感動しました(^^)
Posted by ブクログ
自分もマラソンランナーであり、共感できる内容です。
走るって
・体調や精神的にもプラス
・個人スポーツてあり自分が主役
・結果より過程が大事である。が、過程なくして結果は出ない
・よってもってゴールの達成感がたまらない
って事です。(共感)
一方で読み物としては新たな発見やマンネリに対するモチベーションにはならないです。走る事に興味持っている人、特に著者と同じ五十代、には参考になるけど、僕のような既にランナーには、良い話で終わってしまう。
Posted by ブクログ
江上剛は元バンカーにして作家。経済を題材にした小説を読んだこともある。2010年、ふとしたことからマラソンに挑戦することになった筆者の挑戦の記。
挑戦の記、とは書いたが、筆者はマラソンを走る準備にさほど苦労していない。2010年の5月の連休中に、マラソンに誘われ、5月12日に誘った方が主催するランニングサークルの練習に出かけていき、朝の5時から10キロを走り、「疲労感もなく、爽やかさが残った」という感想を書いている。運動らしい運動をしていない、自称メタボの55歳が、いきなり10キロを「爽やかに」走れるのだから、ちょっと普通ではないかも。