【感想・ネタバレ】歴史をさわがせた女たち 日本篇のレビュー

あらすじ

歴史をつらつらながめてみると、日本の女性はいつも弱かったわけではありません。
和泉式部、淀君、北条政子、持統天皇、清少納言、出雲のお国、紫式部――日本史上有名な女性三十三人をとりあげ、確かな史実にユーモアをまじえて綴った愉快な女性日本史。
キュウクツな歴史の定説を覆しのびやかな実像を描きだした不朽の名著。

文庫新装版 2003年6月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史をさわがせた女たち

飛鳥奈良平安という私の好きな時代の歴史小説を普通の本屋で見つけるのは難しく、古本屋さんの方が魅かれるものが売ってたりします。
なので古本屋さんを見かけるとついつい店内に入ってしまうのですが、そこで必ずと言っていいほど見かけるのが本書。
なぜこの本だけこんなに世の中に出回っているの?しかも古本市場だけに。

とはいえ、初心者用っぽく感じたし、古い本だから読まずにいたけど、これだけいつも見かけると気になるのでとうとう購入してしまいました。。

歴史小説家永井路子さんの歴史エッセイです。
どの章もさらりと読めて楽しめましたが、その中で静御前と神功皇后の章が印象に残りました。

静御前といえば義経の恋人として有名で、鶴岡八幡宮の舞事件から貞女の悲恋物語ふうに受け止めているむきが多いけど、それは違うんだそうです。
彼女の職業である白拍子は、ドライで積極的で、芸を武器にチャンスがあれば有名人の愛人にでもなってしまう、というのが当時の姿で、そんな中、義経が失脚したあとも行動を共にするのは異例なんですって。しかも、最終的に捉われた後の尋問でも義経の行方はこたえなかったという、筋金入りの男らしさ。
そういう強い彼女が頼朝の前で恋歌をうたったのは、なにも義経が恋しくてついつい前後を忘れて歌ったのではなく、権力者の言いなりにはならないわよ、とイキのいいタンカを切ったものなんですって。そういう目で彼女を見たことがなかったから、とても新鮮でした。

また、神功皇后の章については、戦争前後で政府が、神功皇后について改ざんがあったことを著者が怒っていたことが印象的でした。
たしかに、ウソの教育はいけませんよね。。

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2014年12月26日

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