あらすじ
坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
これぞどんでん返しだ!!と声に出してしまいそうになるくらい衝撃的なラストだった。
終盤、紆余曲折あったけどなんとか丸く収まってよかったよかったと安心したのも束の間。まさかあそこから180°物語の角度がぐりんと変わるとは…。
友春が一気に良い奴に成り上がるわ、あすなとおじいちゃんの関係に涙腺緩むわで大忙し。
読み終わってからすぐまた上巻を読み直したくなる。
どんどん積み重なっていく小さな違和感の正体が明かされた瞬間の鳥肌は今でも忘れられない。
Posted by ブクログ
『子どもたちは夜と遊ぶ』、『凍りのくじら』、『ぼくのメジャースプーン』、『スロウハイツの神様』と刊行順で辻村深月作品を楽しんできた自分にとってはかなり、おもしろい内容であった。
11章でのネタばらし、伏線回収、そしてこの登場人物あの人だったの!?という驚きの連続に脳が揺れるほどの衝撃を感じた。
個人的な話になるが、世界観が同一という設定が好きな自分には非常にピンポイントでささる作品であった。
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読んでいたものを再読。
漠然と「面白かったはず」との記憶はあった。
読んでいるうちに、上巻の段階で「あすなを助ける話だっけ」と思い出した。
でも、細部をごそっと忘れていたので、楽しく読めた。
最後病院に向かうシーンで、全員であすなを送り届ける。
お前もかい!というトモハルまで一緒に。
答え合わせのように、各シーンの裏が明らかになるのはいい。根底に善意があるのがいい。
一番興奮したポイントは、『ぼくのメジャースプーン』の2人が素晴らしい高校生になっていたこと。
たぶん、前読んだときは、エピローグは流したんだろうな。
「ふたりとも、立派になって…ふぐぅ。」と泣きそうになった。
よその子なのに。ていうか実在すらしないのに。
Posted by ブクログ
正直、おそらく自殺するのはあすなだろうなと、うっすら予想しながら読んでいました、前半まるまる使って微妙な会話で伏線を貼るのが辻村深月だと知っているのでね。
ただまさかこんなふうに回収してくるとは〜〜やっぱり大天才。メジャースプーンを読む前に読んでしまったアホなので、もう一周します。
メジャースプーンのあの能力があることで、もう一回話がひっくり返るやないかい。おいおいおいおい。
Posted by ブクログ
心温まる
長いけど展開もよかった
ゆるい伏線もいい感じ
ぼくのメジャースプーンとつながってるらしいので、そっちも読みたくなった
周りの人との時間を大切に過ごそうと思った
Posted by ブクログ
騙されたー!なんとなく違和感とか回収されない伏線があるなと思いながら読み進めてましたが、そうくるとは、、
ただ高校生にしてはうまくシナリオを運びすぎというか河野君演技うますぎかなと思ったり若干釈然としない気もしました
Posted by ブクログ
「3か月後にクラスメートが自殺する」という未来を視てきた少年とその友人たちが、自殺を止めるべく奮闘する。目的を共有しながら日々を過ごす中で絆を深めた彼らはとうとう「その日」に直面する。
タイムスリップ物の青春小説+ミステリという体裁だが、時間移動の理屈は二の次で、親友たちが荒唐無稽な話を信じ未来を変えようとする前向きな若さが主題。最後の50ページで仕掛けるトリック、それさえ脇役にする感動のラストはとても良いが、今回は仕掛けが大掛かり過ぎてさすがに無理があるようにも思う。 最後の最後に辻村ワールドのリンクが発動し、ファンは温かい気持ちになれる。
Posted by ブクログ
あぁ、こうなるんだ・・・!
騙されたし、すっごく良かった。
下巻、ずっと上巻と状況が変わらなくて、相変わらず河野は暴力を受けているし、水泳やピアノやクリスマス会は滞りなく終わり・・・え、このまま何も起きず終わる感じかなぁと思っていたところ、378ページからの急な展開と不穏な空気。最初は、誰も死ななかった代わりにおじいちゃんが死んでしまうのかと思ったけど、そうじゃなかった。彼の死をきっかけに死ぬのがあすなだった。
それが分かった時の衝撃は大きかったけど、今までの沢山の違和感みたいなものが読み進める内にスーッと溶けていった。むしろ結末に驚きたくて、あまり考えないようにしていたところもある。
・自殺した場所は川だったはずだし、なんとなく女性の印象を受けた
・(バイクの免許やあすなの中学の友達と接触等)作中に書かれていないいつかの行動
・天木の計画がみんなの期待に反して大雑把だし中途半端
・椿のノートを出しっぱなしにしてなぜか注意される
・河野に対して天木達があまり関わってこないし、心身共に弱ってるのに割と冷たい対応
・いつかの時計は何の為?
などなど、あすなには隠されていたとすると全部納得だった。それと同時にすごく切ない気分になった。
上巻で誰が自殺したのか考えていた時、一度はあすなを疑ったけど、まだ情報が少ないし辻褄が合わないから除外してた。けど河野達と日帰り旅に出た時に話していた彼女の境遇が、思ったより酷くて、なんか不穏だ。
やっぱり平気なんかじゃなかったんだと、いつかとバイクに乗るまでに今までの出来事が走馬灯のように思い出されて、でも皆が必死で助けようと最善を尽くしていて、そこからずっと泣きながら読んでた。
それと同時に、いつかや天木達、河野や友春を含めた皆の、綿密に計画された連携プレイや友情・愛情に羨ましくなった。私には高校時代にこんなに友達やクラスメイトと協力する機会なんてなかったので、人生にはイベントが必要、という言葉がすごく響いた。
私もあすなのように、自分ができる範囲のことしかやらないし、やって負けるぐらいならやらない方が良いと思うような、負けず嫌いでプライドが高い部分が似ていた。
努力して達成する機会。これって誰でも得られる訳じゃないし勝手に降ってもこない。青春とか友情とか、今まで全然響かない言葉だったけど、この子達の考え方や人間性によって、こんな良い関係を築けるなら悪くないと思える。
偽のXデー、クリスマスイブが終わるとあすなが、もう二度とこのメンバーで集まることはないのかもしれないと思うところ、ここから急に寂しさや切なさが込み上げてきた。学生の頃に友達と毎日のように会ったり遊んだりすることは、大人になると当たり前ではなくなる。この瞬間、偶然人生が交差しただけで、すれ違ったらもう二度と会えないことも多い。貴重で尊い時間と繋がりなんだ。
関係ないけど、椿があすなに渡したテスト範囲のノート。歴代の先輩から伝わるノートって現実でも存在するのかな。もしそうだとしたら、絶対有利だなぁ。賢い人は賢いやり方で、更に賢くなる。こうやって、普通に(馬鹿正直に)勉強している人とどんどん差がついていくものなんだと、なんだか世の不条理を感じた。
おじいちゃん、最初から健康状態が良くなさそうだったので最後は死んじゃうかもしれないと思ってた。
いつかとあすなとおじいちゃんは、なんとなく『耳をすませば』を彷彿とさせる。
おじいちゃんは何で全てを知っている風だったんだろう。
というより、本当に全て知っているのは秀人だった。知っているというかこのタイムスリップ騒動を起こしたのが彼だった・・・のかな?
私が完全にミスったんだけど、上巻で松永君や守山文子という名前が出てきた時点で、あれ、ぼくのメジャースプーン?と気になりどんな子だったかネットで調べたりしてる内にネタバレを見てしまい、ぼく=秀人、ふみちゃん=椿と知ってしまってびっくりした(守山文子はやっぱりミスリード)。
エピローグで盛大に驚きたかった・・・!!そしてぼくがこんなに飄々とした人を食ったような子になっていたことにも驚く(笑)
これ、絶対この作品より先に『ぼくのメジャースプーン』を読んでおくべきだわ。この驚きや感動や懐かしさが感じられないのはもったいない。
他の人の感想見て思い出したけど、確かに椿と友春は小学校以来未だに口を利いていない・・・!改めて秀人の力はチートだなと思った。
自殺を止める作戦メンバーの中で、一番の功労者は河野と友春だと思う。割に合わないにも程がある。二人の迫真の演技があすなと読者を欺いた。
この作品では、いつかが結構好きだなと思っていたけど、河野も初登場時に比べてどんどん魅力的になっていった。見かけはぶっきらぼうだけど性格が、良い奴なのが分かる。河野のおかげで会話がコメディぽくなるのも面白い。
登場人物がリンクしてるってことは、辻村作品に出てくる全員が山梨に住んでいるということなのかな?松永くんや理帆子や秋山先生達が出てきて、またわくわくした。
この本を作中と同じ時期に読んだから、なんか現実とリンクしているみたいで不思議な気分。
最後の最後までずっとミステリーで、青春してて、胸が一杯になって・・・すごく満たされた。
20241228
Posted by ブクログ
数年前に読んだ「冷たい校舎の時はとまる」ぶりの辻村深月作品。
伏線回収がおお!となっておもしかったが、ヒロイン的存在を救うところ、死や罪悪感などがある仲間たちが被っているように感じてまたか〜と思ってしまった。
読む順番が大事。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き再読です。
自殺者が河野ではなくあすなだったこと、それを解決するためのプランが高校生らしからぬ計画だしここまで協力してくれるメンバーって集まるものなのか、、、と疑問だったけれどそれも最後まで読んで納得。
他の作品の例に漏れず、「凍りのくじら」の理帆子や郁也、多恵さんまで出てきて嬉しいななんて思ってたら。最後に明かされた椿の名前にものすごい衝撃。秀人・椿・天木・友春の4人が「僕のメジャースプーン」のあの4人だったなんて!っていう衝撃と、色々なことに対しての納得感がハンパない。秀人と椿の熟練夫婦のような空気感、天木の秀人に対する性格診断、友春を損な役回りでも協力されられる天木と秀人と友春の関係、椿の母親に信頼されている秀人、そして正方形のような椿の性格。
なるほどこれはタイムスリップの話ではなく、秀人の力が起こした騒動だったのか、と納得して面白かったーっていう感想になるんだけど。
ただ、これはあくまでも「僕のメジャースプーン」を読んでいるからこその面白さだと思う。これを未読な人が読んだ場合、最後の最後で「え、タイムスリップの話ではないの?」「結局これはいつかの妄想だったってこと??」って混乱するんじゃないかな、とも思う。
個人的には大好きなお話。だけど辻村深月さん作品を勧める上での1作目にはなりえない。正直そこが残念だなぁと思ってしまう。
Posted by ブクログ
読む順番が大事。
ぼくのメジャースプーンを先に読めと言われていた理由が解った。
でもね、まさかここまで密接に関わっているとは思わなかった。。。
そのまんま主要人物(笑)
確かにこれは、ぼくのメジャースプーンを先に読んでいないと面白さが半減する。
読んでない人は肝心なところで、「?」にしかならない。ある意味ちょっと酷いと思う・・・・
力は関係無く、最初から想いがあったからこその行動だったと考えて良いよね…?
最後のオチ以外は面白かったけど
思いっきりネタバレ書いてます。
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実は死ぬのがあすなだったてところは、伏線もあったし納得だけど、河野がイジメられてたとかも演技でしたってのは流石にない。
友春に立ち向かった話とかも嘘ってこと?応援してた俺の気持ちを返せと言いたくなるし、色んなセリフが嘘くさく見えてくる。
実は自殺するのは2人いたとかで良かったんじゃないのか?
こんなにモヤモヤしたのは久しぶり。