あらすじ
「いまはつまらぬ意地を張らず、刃を腹に呑んで毛利家に従うのが、宇喜多どのの生きる道ではござらぬか」「毛利家の使僧が抜かす言葉ではないな」。戦国時代、禅僧にしてただ一人、城持ち大名となった男、安国寺恵瓊(あんこくじえけい)。安芸の名家に生まれながら、家が滅亡して出家。西国の雄・毛利家の外交僧として才覚を現し、戦国乱世に飛び込んでいく。信長の死を予言し、秀吉の行末を読んだ男の生涯を、NHK大河ドラマ「天地人」の原作者が描く長篇歴史小説。
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Posted by ブクログ
外交の天才のお話。
しかしただ天才なのではなくて、確かな芯をもって人に取り入るのではなく、人と渡り合っていく様がかっこいいと思います。
中でも下巻の関ヶ原に至る過程がとても気に入っています。
才のあるものとして書かれているのに、関ヶ原の敗北をどのように納得させるのか?と興味半分不安半分で読んでいましたが、疾走感があり無理のない展開でした。
主人公を持ち上げすぎず、しかしかっこよく書く事にかけて、火坂さんほどお上手な方はいらっしゃらないと思います。
Posted by ブクログ
主人公の先見の明に感動する
主人公は
単なる毛利家の家臣であったと
思ってましたが
そうでもなかったのね
今回も時間を一人で計りながら読みましたが
1秒から53秒の間でした
平均は19.25秒でした
一言感想としては
弱肉強食の戦国時代だと思った
彼の智略と先見の明に感動
毛利家の為に 東奔西走し
毛利氏が 秀吉さんかに加わると言う条件で
親秀吉派で 生涯を貫き通すが
関ヶ原のおりに
主君の毛利氏に裏切られて
斬首される
西の桶狭間と言うのが気に成った
Posted by ブクログ
著者の作品は歴史上のいわば脇役的な人物や、組織の№2的人物を主人公とする作品が多いことが私好みで多く読んできた。
本書も安国寺恵瓊という歴史上マイナー人物を主人公としたもので、毛利家における微妙な立場を的確に描きつつ、織田軍中国戦略を、受側の毛利家の視点で描いたものは読んだことがなかったので、新鮮であった。
個人的な嗜好で注文をつけるとすれば、最後のクライマックスである関ヶ原実戦での主人公の軍団内駆け引きや足掻き、また、敗戦後逃亡して捕らわれるまでの葛藤などを著者流の人物描写を持ってもう少し物語濃く入れて欲しかった。(上下巻共通レビュー)