あらすじ
軍神と崇(あが)められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降(くだ)る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞連載の歴史巨編、待望の単行本化!
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Posted by ブクログ
上下2巻の大作
楠木正成の嫡男、楠木正行を主人公にした物語
正行の史実は何も知らなかったが、とてもワクワク読めた。
活き活きとした人物描写、清々しさなど流石
著者の作品の中でもかなり上位にくる仕上がり
終わりなき南北朝の戦い
その命運を握る楠木正行の「願い」は叶うのか
不忠と罵られようとお主はお主の道をゆけ
Posted by ブクログ
上巻のみ!
主人公は楠木正成の嫡男、楠木多聞丸正行。
楠木正成の主人公は数多くあれど、息子の正行の主人公の話は初めてなのでは?
かなり期待していたけど、いや面白い!
初めの一章は、正成の半生を正成の息子と正成の妻が振り返すような内容。だから、こんな感じで進むの?大丈夫?って思ったけど、章が進むにつれてどんどん面白くなった。
歴史物語って、史実を追うだけでも面白いと感じる私。だから余計に、オリジナルの展開やエピソードを面白く書くのは難しいと思うんだけど、「人よ、花よ、」は、オリジナルエピソードがとても面白い。
正行って史料が少ないし、歴史として残った活動の期間が一年足らず。そんなこの時代のほとんど史料がない正行だからこそのオリジナルエピソードが良い。
正成時代の仲間たちや、ライバル的な悪党たち、そして敵たち。オリジナル的な人物たちも、みんな個性豊かでみんな好きになる。
そんな中に、知ってる名前が出るとまた楽しい。
今回の話は間違いなく悪役として出るだろう師直と直義も上巻で種類の違う悪役感が見える。
まだ直義は出てないけど、師直はかなりいい悪役だと思う。
賢く、強く、冷酷非道でありながら、愛嬌もある。股座に白いものが見えてショック受ける師直可愛い。それに「はいはい」ってぞんざいな師泰よい。
正行は元来の、父の仇を討つための意志を強く持ち、北朝をぶちのめす南朝の忠臣!
というイメージがあったけど、今までの正行のイメージが変わる。確かにこっちの方が納得できる。そして「人よ、花よ、」の方が、賢く、正成の意思を継いでいるように感じる。
そして、当然のように今までの楠木正儀のイメージも変わる。
また、尊氏は今のところ登場してないけど、正成も正行も、尊氏の立場に同情して、共感を持っていることは嬉しい。そして、だからこそ直義と師直をなんとかすればいい、っていう結論になるのが笑ってしまう。さすが尊氏の両輪。
すっごくいいところで上巻が終わったので、下巻が楽しみ!
評は下巻に持ち越しです!
Posted by ブクログ
よかった‼︎
おとーさまの、お話かと思って読み進めてたので…
多聞丸、楠木正行のお話でした。
おかーさまとの…始まりが、暗くって。
最初読み進めるのが辛かった。
香黒との出会いもよく。
Posted by ブクログ
楠木正行の生涯。父とはまた違った男振り。北朝南朝の間で模索する楠木党の生き残りを賭けた目論見が一人の女官の為に変わっていく。人間関係も面白いし、駆け引きも面白い。本当のところはわからないけれど、こんな風だったのかなぁと思わせる。
Posted by ブクログ
吉川英治さんの私本太平記を20代に読んだが、楠木正行の視点で描かれた本作は新鮮であり、そんなこともあったかもしれないと気付きの多い上巻だった
湊川の戦いまでしかイメージがなかったが、その後が語られる下巻は期待しかない
楠木正成のことを正行が語る章が終わると、物語の展開が早くなるので、前半で諦めずに読み進めて欲しい作品です