【感想・ネタバレ】四季 秋 White Autumnのレビュー

あらすじ

犀川助教授と西之園萌絵。四季と再びの邂逅を試みる。四季が残したメッセージは、何を示す? 妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、二人は今一度、彼女との接触を試みる。四季の知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第3弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

Vシリーズのねじれ屋敷で出てきた50歳を越えた保呂草が、いよいよ30半ばになる犀川に20年ぶりとなる久々の再会を果たすところは2シリーズを読んできたものとしては感慨深いシーンだった。

滅多に驚くといった素振りの無い犀川が「本当に?」と驚いていたが、まあ当然だろう。
しかし当時小学生の”へっくん”だった犀川がよく50になる保呂草に気づくものだ。
やはり犀川の頭脳も相当な記憶力と瞬時にそれを引き出す事ができる回路を持っているということか。


犀川自身も保呂草の胡散臭さには母親の紅子同様知っているものの、しかしそれが決して額面通りの悪ではないこともまたわかっている。そのため保呂草を庇い、保呂草は犀川をしっかりと見守っている。
その世代を超えた友情の深さは凄い。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

春・夏とは違い、四季は登場しませんが、娘の死と研究
所から出た理由が明らかになります。

読み始めてすぐに思ったのは、「萌絵ちゃんどうした?」
でした。挙動が凡人のようで…
でも思い返してみると、萌絵ちゃんは犀川先生のことに
なると、昔から「普通の女の子」でした。
「有限と微小のパン」が萌絵ちゃんが自信をなくしたの
ではないかと少し心配になる終わり方だったので、四季
と犀川先生の関係、それぞれに対する萌絵ちゃんの思い
がわかるようで第1章は読んでいて辛かった。
第2章ではとんでもない事が起きるけど、それに関して
犀川先生は言及しないし、萌絵ちゃんがハッキリ聞くこ
ともないので、「あの犀川先生だから」で読者も納得さ
せられてしまう。 犀川先生と萌絵ちゃんらしいです。
Vシリーズは未読なので、読んでおくべきだったと少し
後悔している。
それでも十分楽しめた。
一見終わったように見えて、タイミングや場所などに
四季の意図を考えると、終わりじゃないんだろうなと
思う。人々が好んで四季の後を追ってるとしても、四季
は色々な事に人を巻き込み過ぎてる気がして、彼女に対
する印象はあまりよくない。
それより、瀬在丸紅子が興味深かった。
扇風機と太陽のたとえには声が出てしまった。
いいね。 その話だけで好きになった。
力への憧れや恐れの話も面白かった。

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2025年07月05日

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ネタバレ

S&MシリーズとVシリーズを読んできた読者にはご褒美みたいな巻でした…!!
まさか萌絵ちゃんと紅子さんの絡みが見れるなんて、嬉しすぎました…。
犀川先生&萌絵ちゃんも良かったけれど、保呂草さんと各務さんの関係もあって、ウワァ…!てなりながら読みました。
世津子さんのお母様が祖父江さんなの、犀川先生と紅子さんの関係がわかったら想像できるのに明言されるまで気づけなかった。
シリーズの連続性?というか、CLAMP作品的なリンクも楽しめてすごく良い。
肝心の四季博士の登場は少なかったけど、萌絵ちゃんや犀川先生など登場人物に多大な影響を与えているんだなというところがまたすごいなと実感した巻でした。

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2024年09月02日

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ネタバレ

瀬在丸紅子がかっこいい。
林や四季が惹かれるのも納得。

春、夏と四季目線だった物語が、今作では犀川、萌絵、各務、保呂草を中心に進んでいくので、S&Mシリーズ・Vシリーズのファンにはたまらない。

みんなそれぞれが歳月を重ね、人間としても成長しているのも見所。
今まで点と点だったものが線になったような一作。
今までで一番楽しめた。
いよいよ次で本シリーズが終わると思うと少し寂しい。 

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2022年04月24日

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ネタバレ

萌と犀川、各務と保呂草の恋愛のストーリーでした。また四季から"すべてがFになる"の内容について語られます。そして萌と紅子が会います。これまでのシリーズを読んでいる人にとってはなんとも贅沢な内容です。

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2020年11月21日

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ネタバレ

あぁー・・・あぁーもうっ!!!
夏でもやられたのにさらにきたこれ・・・。
四季はほとんど出ていないのにやっぱり主役は彼女。
気になるお歴々のその後が。。。
ちゃんと答えを出してくれるとは思ってなかった・・・!!
もう大大大満足!!
犀川先生・・・どういう風の吹き回しだったんだろう。。。

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2018年04月05日

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ネタバレ

真賀田四季の過去の話と思い春夏秋冬を読み始めたが、ここに来てS&Mシリーズのその後が描かれているとは!不意打ちでびっくりして犀川先生と萌絵に会えたのが嬉しい。
四季が残した手がかりに気付き追う2人の噛み合ってないけど歩みは同じという感じが好き。この少しズレた感じで予想を超える2人がこの先もずっと一緒にいてほしい。
瀬在丸紅子さんが雰囲気あって気になるなぁ、と思ってたらまさか犀川先生の母親だったなんて!そう言われると納得してしまうけど衝撃。
そして紅子さんVシリーズの主人公なん?それ知って四季シリーズで終わるつもりがVも手を出そうと決めた。

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2023年10月16日

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ネタバレ

保呂草さんも好きだけど、やっぱりs&mシリーズだよなと思った。
真賀田四季博士(大人)と犀川先生。良い。

当たり前かもしれないけど、保呂草カップルは出会った当初(いがみ合ってた?頃から)から2人の間を漂う色気があったよな
それが犀川と萌絵には全くないんだなと今回改めて感じた。どーでもよいか

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2022年11月23日

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ネタバレ

第3弾
四季にとらわれている人たちの話。 最後の方は怒涛の展開で、あ、そうだったんだってことが、そうなのかなって思っていたことが確認された感じ。 やっぱり萌絵は好きじゃないけど、それを上回る犀川好きのため、止めることができない。難しい。 スケールが大きすぎるけど、四季にとっては小さな世界というか世界が小さいのか

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2022年10月10日

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ネタバレ

【あらすじ】
妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、二人は今一度、彼女との接触を試みる。四季に知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第三弾。

【感想】
四季の春夏と違って、西之園萌絵視点で物語が進む。S &Mシリーズ、Vシリーズが交差する話で、単発で読んで楽しいというよりも今まで追ってきたファンが読んでこそ楽しい作品だと思う。
なぜあの研究所を出たのか、というのが確かに今まで描かれていなかったし、夏で出てきた通りドクタースワニィとの関係性が分かって、面白かった。
保呂草さんと各務亜樹良の関係性が良いし、萌絵が紅子さんに会ったシーンが好き。

【好きな箇所】
「いえ、それはわかるの。でもね、正しく理解して、充分に評価することと、愛情は、また別ものでしょう?」


「考えることだけが、自由なんだ」犀川は言う。「行動なんて、些細な問題だ。考えたことを、僅かに具体的に、ほんの部分的に試すに過ぎない。完全なサブセットなんだ。考えたことの百分の一だって実現することはできない。行動するだけで時間やエネルギィが消費される。真賀田博士くらいの思考能力を持っていれば、行動はすなわ無駄だ」
(略)
「それって、つまり、生きていることが無
駄、ということになりませんか?」
「いや、思考は生きていなければできない。肉体を動かすこと、物体を移動させることが無駄だという意味だよ。そう考えている人間が、何故、あんなことを、つまり研究所を抜け出したりしたのか、という問題」


「自身の中にどれだけの自由を取り入れることができるかしら。 時間と空間を克服できるのは、私たちの思想以外にありません。生きていることは、すべての価値の根元です。」


「意志?」
「可能か不可能か、という問題では、きっとない」 犀川は鋭い視線を萌絵に返した。
「それを可能にする意志が、あるかどうかだ」
「その価値を認めるかどうか。そして、それを許すかどうかだ」



「歴史的に築かれたモラルは、そのほとんどが、生命を守るために、我々が存続するために選ばれた手法の一部なんだ。人を殺してはいけない。人を食べてはいけない。血縁者と交わってはいけない。生命は神聖なものだ。人は神によって作られた。堕胎をしてはいけない。自殺をしてはいけない。しかし…………」 犀川は煙草を吸い、そして煙を吐いた。「それらはすべ
て、結局のところ、人の集団を守るためのエゴでしかない。自然を破壊してはいけない、何故か?それは人が生きにくくなるからだ。あらゆる道徳は、そのエゴから発している。それが良い、悪いという話をしているのではない。(略)」


「私が許しても、許さなくても、あの人は存在している。」
「そうだ。君が許さなくても、地球はある。誰も許さなくても、太陽の周りを回っているんだ」
ハンカチを出して、涙を拭った。
四季も泣いただろうか?
人間は、どうして泣くんだろう。
どうして、どうして、どうして、それを言うのが人間?
けれど、涙を見てくれる人がいる。
疑問を受け止めてくれる人がいる。
それだけで、充分ではないか。
静かに。
自分が泣くことを許すように、沢山のことを許さなくてはいけない、と彼女は思った。



「国枝先生は、人のクロンを作ることを、どう思いますか?」
「動物のクロンを作ることと、あまり変わらないと思う」
「いや、賛成も反対もするつもりはない。そういうのは専門家が判断することで、充分な情報を持たない私が、どちらか決めても意味はないね。ただ、クロン技術で生まれた人間は、本当の人間であって、もし実現するならば、そういった人たちを守る法体制が必要だろうとは思う」
(略)
「肉体が単なる入れものに過ぎない、問題はハードではなくて、そこに芽生えるソフトなんだって、なんていうのかしら、そういったフィジカルな拘束から精神が解放される日が、いつか来るでしょうか?」


「眺めていても、いくら近くで見ていても、その理想には近づかないわ」
「それはそうですけれど、その理想の人を、自分の方へ向かせれば、その一部だけでも、自分のものにできるかもしれないって・・・・・・」
「何が自分のものにできるの?」
「えっと….....」
同じだと萌絵は気づいた。
他人の何を自分のものにできるのか。
その実体は、何なのか。
同じ概念に自分は拘っている。
「幻想ですね」 萌絵は頷いた。


「扇風機のように、前にしか風が来ないのなら、こちらを向いてくれないと困りますけれどね。たとえば、太陽はどう? メキシコが晴れていたら、その分、日本は損をしますか?」
「つまり、その差は、何ですか?」
「貴女が、太陽を好きになったか、扇風機を好きになったか、の差です」


「結局は、私の問題なの。私の認識だったのね」
「それは、人を許すということですか?」
「いいえ、自分を許すということ」
(略)
「人は、自分が許せないときに、悲しくて泣く、そして、自分が許せたときに、嬉しくて泣くの」


なにかの答を得たような気がする。
何だろう?
どんな問題だったかしら?
解けてしまったときには、問題も消えている。
それが、本来の問題だ。
消えたあとに、優しい気持ちだけが残る。

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2024年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Vシリーズを全て読めばよかったと後悔しました。
そうすれば、二組の主人公を楽しむことができたのに・・・。

また、扇風機と太陽の例えは凄い特殊だなと感じました。

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2022年01月18日

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