あらすじ
「凪良ゆう作品集」シリーズ新装版第2弾!! 二十歳で出会い、同棲から始まった平凡で満ち足りた関係は、社会に出てもずっと続くと思っていた──25歳になり、念願のフードスタイリストのアシスタントとして修業の日々を送っていた水野(みずの)。恋人の阿久津(あくつ)の誕生日を手料理で祝うはずが、すれ違いから喧嘩になり、一方的に別れを告げられてしまう。「二度とあんな恋はしたくない」──ところが一年後、偶然の再会をきっかけに、再び友人同士として恋愛とも友情ともつかない関係をつづけることに…!? 人生の分岐点で一度は別れを選んだ男たちが、15年の時を重ねて辿り着いた愛の最終形‼ 番外編「16年目」「17年目」の2本を初収録。※口絵・イラスト収録あり ※本作品は幻冬舎コミックスから刊行された書籍『薔薇色じゃない』からカバーデザイン、口絵・イラストを一新した新装版となります。重複購入にご注意ください。
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Posted by ブクログ
待望の新装版第2弾!!
やはり文章が素敵で、あれもこれもと全ページについて語りたいことがあるのですが長文を垂れ流すのも違う気がするので特に印象に残ったところをピックアップしながら振り返りたいと思います。
p48~
阿久津が水野と別れた後のことですね。その事実を受け止めるのにかなり時間がかかったのですが「阿久津が1年後、女と結婚した」の1文で膝からなにから全て崩れ落ちました。
恋人になってから5年間の幸せな2人を見ていただけあってこの場面は酷く心が痛みましたね。
それより「あんなに愛し合っていたのに女だァ!?」と私は阿久津に対して些か憤りを感じてしまいました。
でもそれは大事に育ててくれた母に対する想いがあったからだということが後々明かされ私の怒りは居場所をなくし右往左往することになったわけです。
孫を抱かせてあげたいという気持ちは分からんでもないですがその事を水野に話さないものだから…
そして因果応報とはこれのこと。結局結婚した女性、庸子とも上手くいかず子供を授かることなく離婚する羽目になるのです。
また別れか…と落胆する反面少しの嬉しさもありました。
これで水野と復縁できるではないか、と。
まぁ、一筋縄でいかないのがこの作品の魅力な部分ですね。いとも簡単にそんな妄想はぶち壊されました。
庸子と離婚した後、水野と会いますがそこで早坂という男と付き合ってると言われるんです。
ぬああぁータイミングが悪い……
水野はもちろん阿久津が離婚したことは1ミリも知らないわけですから。
もどかしくてもうおかしくなりそうでした。
水野に男の影がある度に阿久津がセコムの如く追い払うわけですが、ここで初めてそれができなかった…
ここでも分岐の標識はぐるぐると回り続けていたのでしょうか。
こんなにも激しいジェットコースターに乗ったのは初めてで情緒がどうにかなってしまうところでした。
「才」の大将の助言、そして久地君がオウンゴールしてくれたおかげで念願の復縁に思わず涙です。
久地君にはこれから幸せになってほしいですね。
アイス大量買いの場面は印象深く残りました。
2人にしか分からないルール。長年共にしてきた関係だからこそ他の人には踏み入れられない領域。
阿久津と水野が出会ってから波乱万丈な15年の恋の旅路。
その後の16年、17年後の幸せそうな2人も見れてにんまりです。
自分の人生を見つめ直せる素敵な作品でした。
新装版第3弾も刊行されるのでしょうか。
続報に期待です。
切なくて愛しい
「未完成」新装版に続き、こちらの作品も夢中でよみふけりました。
凪良先生の登場人物たちの過去の傷つきや機微な気持ちの描写に脱帽です。
阿久津慧一と水野光流のふたりの思いが離れたりニアミスしたりしながら物語が進んでいく様にワクワクドキドキしました。
そして、最後の章は改心した阿久津と水野の可笑しく愛おしいやりとりに笑いながら読み終わりました。
Posted by ブクログ
社会人同士の復縁モノ。
20歳で出逢って付き合い始めて、別れて、再会して、友人になり、別の恋人ができたり、結婚したり。
腐れ縁なのか、運命なのか。
ちょっとしたタイミングの悪さで、こんなふうに破局するんだというリアル。
ずっと攻めにモヤモヤしちゃうな。気持ちは分かるけど。でも、最後振り切ったので星5。
Posted by ブクログ
【2025年86冊目】
水野と阿久津が出会ったのは、ゲイが集うパーティ会場。わかりやすくお互いの性指向を理解した上で付き合い始め、順風満帆のまま同棲をスタートさせる。フードスタイリストを目指す水野を生活面で支える阿久津だったが、水野が仕事を持ち始めたことで二人の関係性に変化が訪れ、別れてしまう。一年後、阿久津に再会した水野は阿久津が女性と結婚したことを知って――。
まさかのすんなりお付き合いからスタートする今作。どういう話の展開になるのかしらと思ってたら、まさかの片方が結婚!でも友人としての付き合いは続き、離婚したと思ったら今度はもう片方に彼氏ができていて…という綺麗過ぎるほどのすれ違い合戦。時には水野の立場で、時に阿久津の立場にたって、非常にモヤつきながら読み進めました。
でも、さっさと元の鞘に戻りなよ!と言えない感情が丁寧に描写されており、外野(読者)はやきもきするばかり。水野は阿久津に、阿久津は水野に振り回されていましたが、こっちは2人に振り回されっぱなしでした。ぐっ、面白かった…
凪良ゆうさんの文章は本当に読みやすくて、するする入ってきて淀みなく読めてしまいます。そして面白い。BL初心者の方で、でも読んでみたいなという方は凪良ゆうさんの本から入って欲しいくらい(それ以外をほぼ読んだことがないので何とも言えませんが)というか、BLだからって倦厭しないで読んで欲しい!凪良ゆうさんの話はどれも良いので!
大将がいいキャラで好きでした。私も飲みに行ってみたい