あらすじ
お飾りの王妃として生きてきたイヴェットは、夫を殺した隣国の王・コンラートに再婚を強要され、湖畔の城に幽閉されてしまう。
両親の仇でもあるコンラートとは死んでも結婚したくないイヴェットは、結婚準備で賑わう城の中で逃亡の機会を窺っていた。
そんなある夜、美貌の修道士・エンツォが現れ、「北の皇帝の命令で、あなたを迎えに来た」と告げる。
皇帝もまた、イヴェットが持つ二つの王位を狙っているのだろう――。
それでも、コンラートの手に落ちるよりはと、イヴェットはエンツォに従い城を脱出する。
追手をかわしながらの逃避行の道中、エンツォは「皇帝のものになる覚悟をしておけ」と言いながらも、イヴェットに熱く愛を囁いてきて……。
感情タグBEST3
フェレット飼いたくなります
王家の血筋ゆえに親を殺され、囚われた姫。かつての婚約者で、彼女を助けられなかったヒーローが、今は皇帝となっているにも関わらず単身助けに行く。その逃亡の7日間を描いた作品です。まるで映画を観るようにワクワクしました。TLとなっていますが、冒険譚が好きなら、食わず嫌いせずに読んで欲しいです。
面白かった
初の作家さんでしたが面白かった!
王女の逃避行のラブストーリーで、臨場感があってドキドキしながら読みました。国同士の策略と冒険のような逃避行ストーリーはどストライクで好みのお話でした。
ただタイトルがちょっと…。読んでいればたぶんそうだろうとはわかるのですが、修道士が誰なのか、タイトルにもう答えが書いてあるところが残念で、そうなんだろうけど違うのかな?とワクワクしながら読みたかったです。
素晴らしい臨場感。
中世ヨーロッパの風俗、風景、服装、髪型、そんな設定が相まってリアルで叙情的な背景になっていて素敵。
3つに別れた国の王位継承問題に王女としてのヒロインの矜持と正体を明かせないヒーローの募る恋心にジレジレします。
敵役のコンラードの心情もちょっと分かる。
叙情詩のような雰囲気のある素敵なお話しでした。
主役はフェレット
フェレット賢すぎる!彼がいなければ逃亡は成功しなかったのではというほどの働きっぷりでした。
ヒーローのべらんめえ口調に笑えました、どこで身につけたんだろう。
他の方も書いてましたが、タイトルが勿体ない。
読んでりゃわかるとはいえ、想像の余地を持たせて欲しいです。
笑いあり涙あり、テンポも良くて終始楽しく読めました。
匿名
面白いです!
短編Web版既読でして、書籍として長編化した本作はさらに深みが増し、本当に佳き作品です。Web版を面白いと思われた方へは購読を強くお勧めします!
匿名
最近流行りの物語の内容を全て語ってしまうタイトルがもったいない。
タイトルを裏切る重厚な語り口で語られる、美貌の修道士とお姫様の逃亡劇。
ドキドキワクワクして一気に読みました。面白かった。
お姫様の冒険譚
2国の王位を持つって可能なんですね…か弱い姫なら重責に負けて、言われるまま、流されるまま結婚しちゃったとしてもしょうがない。けれど、反旗を翻す。逃亡するという選択肢をちゃんと持っていて、行使する。かっこいいお姫様の冒険譚でした。
あの、エンツォ…キャラ立ち過ぎて面白かった。二十代半ばから後半って書いてあったけど、どうしても、十代後半から二十代前半の青年に見えてしまうぅ
あと、ユーモア溢れるストーリー描写。敵も本気出す逃亡5日目、江戸っ子がでてきた!(笑) 遊び人風エンツォ「〜でやんす」検問の内容教えてくれる人も野次馬江戸っ子風
イノケンティウス七世も、大活躍で!『ロミオの青い空』がよぎりました。
フェレットって賢いんだね。
更に賢者のあの人…「効くに決まってる。…はず。たぶん。」賢者っぽくない自信のなさ発見に力抜けました(笑)
ローマ帝国時代の歴史には全く興味なかったんですが、このお話は、世界観だけ借りて…という中途半端なものではなくて、ちゃんと作者の歴史的な知識があるのが垣間見えて、読み応えばっちりでした☆